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広島の被爆ピアノで平和訴え 昭和音大生がコンサート企画

毎日新聞 / 2025年1月18日 10時0分

被爆ピアノコンサートのチラシを手に内容を説明する広瀬亜実さん=2025年1月15日、和田浩明撮影

 広島原爆で被爆したピアノを奏で、平和を呼びかけるコンサートが5月に川崎市麻生区の昭和音楽大で開かれる。企画したのは同大3年の広瀬亜実さん(21)。同じ大学で学ぶ沖縄出身学生の平和を求める姿勢に触発され「音楽を通じ平和のため何かしたかった」と提案した。

 コンサートは「平和をうたう 生き続ける被爆ピアノが伝えたいこと」と題した2部構成。

 第1部「ヒロシマ」では被爆ピアノの説明や、坂本龍一さんの曲「Aqua」の演奏などで被爆の実相を振り返る。第2部「祈り」では、ロシアのウクライナ侵攻など世界各地で続く紛争を念頭に、音楽を通じた世界の連帯を模索する。

 演奏される被爆ピアノは、広島出身の調律師・矢川光則さんが被爆者から託されたもの。爆心地3キロ以内にあり、原爆の熱線や放射線を浴びた。2001年から全国で巡演している。

 広瀬さんがこうした企画を思いついたのは、大学の講義で教員から聞いた沖縄出身の学生の声がきっかけだ。「関東の人は平和意識が低い」。その言葉に衝撃を受けた。住民の4人に1人が亡くなった沖縄戦の犠牲者を追悼するため、沖縄では6月23日に「慰霊の日」が設けられている。だが「内地」では何事もなかったかのように過ごす現状を嘆いたものだ。広瀬さんは「平和のありがたさを当たり前のように感じていた」といい、音楽で平和を呼びかけることにした。

 コンサートは川崎市の総合芸術祭「アルテリッカ」の一環で、5月3日午後3時から昭和音楽大「ユリホール」で行われる。チケットの電話予約は昭和音楽大チケットセンター(044・953・9899)。【和田浩明】

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