「行くしかない」 火災現場から女性とペット救出 千葉・成田

感謝状を受け取った石山星久斗さん（前列中央）と吉野雅之さん（同右）。同左は贈った千葉県警成田署の佐藤和彦署長＝成田市で2025年1月17日午前9時59分、林帆南撮影

　火災現場から女性を救い出したとして、千葉県警成田署は17日、いずれも内装業の吉野雅之さん（33）＝成田市＝と石山星久斗さん（29）＝千葉市＝に感謝状を贈った。2人は「助けるしかないと思った。（女性が無事で）良かった」と語った。

　同署によると、2024年12月26日午後3時25分ごろ、成田市三里塚御料の2階建てアパートで、通行人から「黒煙が上がっている」と119番があった。近くで工事に携わり、車内で休憩中だった吉野さんと石山さんも目撃した。

　石山さんが女性の叫び声に気づいた。見ると、女性は逃げ遅れてベランダで助けを求めており、2人は「行くしかない」と急いで現場に向かった。しかしベランダと反対側の玄関は煙や火が回っていたため、ベランダに近い階段の踊り場から助けることにした。

　火がどんどん燃え広がる中、石山さんがベランダに入った。踊り場にいる吉野さんが石川さんから女性のペットのネコとウサギを受け取り、女性も抱きかかえて救出。その時、消防車が到着した。

　通報から約2時間半後、火は消し止められたがアパートは全焼。吉野さんは「（救出が）終わってから、自分たちも吹き飛ばされていたかも、という恐怖を感じた」、石山さんは「火の怖さを知った」と振り返った。

　同署での感謝状贈呈式で佐藤和彦署長は「危険を顧みず、いち早く駆け付けて女性を助けてくれた」とたたえた。【林帆南】