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「怖いよ」顔にすす塗りまくる奇祭「メンドン」 顔中真っ黒 鹿児島

毎日新聞 / 2025年1月19日 18時46分

人々の顔にすすを塗っては、次の集落へ移動するメンドン=鹿児島県指宿市山川利永で2025年1月19日午後3時52分、梅山崇撮影

 異様な面姿で集落内を練り歩き、人々の顔に真っ黒なすすをつける奇祭「メンドン」が19日、鹿児島県指宿市山川の利永地区であった。毎年1月第3日曜日に開催。先端を粗く削ってすすをつけた大根を手にしたメンドン(面をつけた人)は大人も子も容赦なく捕まえ、塗りまくった。子どもたちの「嫌だあ」「ママ~」「怖いよう」という悲鳴と、笑い声がこだました。

 天然痘や赤痢が流行した江戸時代に始まったとみられるという。多くの村人が亡くなったため、村人が御伊勢参り。札をもらって帰村し、伊勢神宮の神様の化身となったのがメンドンという。すすを塗られると、無病息災がかなうとされる。

 この日は神社での神事後、旗持ち数人、太鼓持ちと鉦(かね)持ちを先頭に、オドドというみこし、メンドン数人が続き、集落を渡り歩いた。人々はみこしの下をくぐり、オドドメシ(ご飯)を一口分いただくと、更に御利益があるという。

 市内の西尾六花(りっか)ちゃん(1歳7カ月)はしばらくこらえたが、顔中真っ黒になり「ワーン」。母奈津美さん(41)は「去年は平気な顔をしていたのに。すくすく育ってほしい」と目を細めた。西村甲一・利永区自治会長は「皆が病気なく過ごせるよう、メンドンをいつまでも続けたい」と話していた。【梅山崇】

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