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“ベテラン”アシカと初舞台 新人トレーナーがデビュー 鳥羽水族館

毎日新聞 / 2025年1月21日 9時15分

デビュー舞台でカリフォルニアアシカの「シルク」と笑顔で観客にあいさつする国弘朱生さん=三重県鳥羽市の鳥羽水族館で2025年1月18日午後1時3分、大竹禎之撮影

 三重県鳥羽市の鳥羽水族館で人気のアシカショーで新人トレーナーがデビューした。立ち見を含む約400人の観客の前で、ペアを組んだアシカと息の合ったショーを披露し、大きな拍手が送られていた。

 入社1年目の国弘朱生(しゅう)さん(21)は18日、ショーに10年以上登場する“ベテラン”でメスのカリフォルニアアシカ、シルクとともに舞台に上がった。満面の笑顔でボールキャッチやダンスなど息の合った演技を次々と披露。失敗があっても、落ち着いて再挑戦して成功すると、観客を沸かせて大きな拍手が送られた。

 東京都出身の国弘さんは小学生のころ、旅行で訪れた静岡県の水族館でのショーでイルカにジャンプの指示を出す体験をしてから、トレーナーになるのを夢見てきた。昨年3月末に鳥羽水族館へ入社し、約10カ月のトレーニングを行い、念願の舞台にたどり着いた。

 客席では東京から駆けつけた母・千穂さん(51)が見守った。「朝一番に伊勢神宮にお参りしてきました。小学生から言い続けてきたトレーナーの初舞台を終え、本人以上に私が緊張しましたがホッとしました」と話した。トレーナーの先輩である大村智さん(33)も「普段はもっと柔らかい笑顔だが、緊張が目に見えた。寒さで手がかじかみ、少しの感覚の違いで起きたミスは新人らしい。ベテランのシルクもフォローしてくれて、問題なく演じきれた」と評価した。

 初舞台を終えて国弘さんは「やりきることができてうれしい。相棒がシルクでよかった。初舞台は65点」と自己採点した。本格的にトレーナーとしての活動が始まり、「動物にも人にも信頼され、少しの変化にも気づくことができるトレーナーになりたい」と今後に向けて抱負を語った。【大竹禎之】

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