トランプ氏のLGBTQ政策に危惧の声 「悪い手本」「攻撃の口実」
毎日新聞 / 2025年1月21日 18時55分
トランプ米大統領は20日の就任演説で「性別は男性と女性の二つだけであることを政府の公式方針とする」と宣言し、人種や性別などの多様性を重視する政策の撤廃を表明した。署名した大統領令では、政府は「ジェンダー」という用語の使用をやめる▽パスポートの性別表記は男性または女性のみとする――などとした。米国では、これまでパスポートの性別は女性でも男性でもない「X」という記載もできた。
トランスジェンダーの権利を直撃する政策に、日本の当事者らからも国内に悪影響を及ぼす可能性があると危惧する声が上がる。
トランスジェンダーに関する情報サイトを主宰する遠藤まめたさんは「大統領の姿勢が悪い手本になってトランスジェンダー排除のハードルを下げる。非常に怖いことだ」と指摘する。
日本では近年、トランスジェンダーを巡る海外の出来事や議論がSNS(ネット交流サービス)で不正確に伝わり、当事者への中傷などが起きている。遠藤さんは、トランプ氏がトランスジェンダーの子どもについて誤った発言を繰り返してきたことも踏まえ、「誤情報の拡散や当事者への攻撃の口実になり、当事者の権利を制限しろという議論につながるのではないか」と懸念する。
LGBTQなど性的少数者らの全国組織「LGBT法連合会」の神谷悠一事務局長も「フェイクニュースの拡大が起き、議論の妨げになるのでは」と話す。一方で「日本ですぐに何かが変わるわけではない」とも指摘する。米企業で出ているDEI(多様性・公平性・包括性)施策の見直しに注目が集まりがちだが「米国で施策を進める企業は増えているという調査結果もある。日本でも企業の取り組みは進んでおり、そうした状況に冷静に目を向けることも必要だ」と話した。【藤沢美由紀】
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