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検察側「2秒で9回首刺す」 札幌遺体切断 父公判、書証調べ終了

毎日新聞 / 2025年1月22日 18時53分

検察官(左)の証拠調べに耳を傾ける田村修被告=イラストと構成・後藤佳怜

 札幌市の繁華街・ススキノのホテルで会社員男性(当時62歳)が殺害され、田村瑠奈被告(30)ら親子3人が殺人などの罪に問われた事件で、殺人ほう助罪などで起訴された父の修被告(61)の公判は22日、証拠品を確認する書証調べが終了した。検察側は殺害や遺体損壊の様子を撮影した動画の内容を明らかにした。

 検察側は、瑠奈被告がホテル浴室で男性を殺害し頭部を切断する様子を自ら撮影した動画について口頭で説明。瑠奈被告は右手に持ったナイフで男性の首を2秒間に約9回突き刺し、男性が「ごめんなさい、ごめんなさい」と言う様子が映っていたとした。

 検察側は、修被告のアカウントの検索履歴にも言及。事件当日の2023年7月1日に修被告のスマートフォンで「殺人 時効」と調べた履歴や、事件後「ホルマリン購入」「大脳サイズ」と調べた履歴があると指摘した。

 また「修被告らが瑠奈被告のわがままを放置していたことを明らかにするため」などとして、一家の親族の調書も読み上げた。

 一方弁護側は22日、取り乱した瑠奈被告が英語交じりに大声で叫ぶ様子の録音などを証拠として示した。弁護側は「両親が甘やかして育てたとされているが、瑠奈被告が興奮した際の家庭の状況を認識してもらいたい」と述べた。

 弁護側は「殺害計画は知らなかった」などとして無罪を主張している。

 起訴状によると、修被告は23年6月19日以降、ノコギリやキャリーケースなどを購入して瑠奈被告に提供。事件当日に現場ホテルまで瑠奈被告を送迎したり、瑠奈被告が自宅で頭部を損壊する様子を撮影したりしたとして、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている。

 次回は29日、母浩子被告(62)の証人尋問が予定されている。【後藤佳怜】

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