解散方針の名古屋市教育会 「不信感しかない」関係者から批判の声
毎日新聞 / 2025年1月23日 19時28分
3月末で解散する見通しとなった名古屋市教育会。学校内で勧誘チラシを配布・集金したり、予算の使途を保護者に報告していなかったりするなど、かねてから運営のあり方が問題視されてきた。解散方針が明らかになったこの日、関係者からは不信や批判の声が上がった。
市教育会は1881年に創設された名古屋区教育会が前身。1990年に市教育会となって以降、120年以上にわたって教育助成団体として活動してきた。毎年新学期になると、学校内で担任の教員が「教育会入会のお願い」と書かれたチラシを子どもに配布。1口100円の会費を募り、保護者から徴収していた。
支払いは任意としているが、前名古屋市長だった河村たかし衆院議員は、教員が子どもの内申点を付ける権限を有している点に触れ「先生が(入会チラシを)配っていれば事実上強制になる」と批判し改善を求めていた。
河村氏の後を継いだ広沢一郎市長も23日、報道陣の取材に応じ、「教員が教室で集金しているのはオフィシャルな感じを与えてしまう。これがずっと続いていたのが問題だった」と語った。
市教育会の収入の8割が保護者からの会費で賄われている一方、保護者には予算の使途について報告はしていなかった。また、支出の3分の1が、元校長ら同会職員の給与に充てられていたことから「校長の天下り組織だ」と批判が出ていた。
小学2年生の子どもを持つ名古屋市北区の40代男性は毎年、子どもが勧誘チラシをもらってきたが、「何か怪しそう」という妻の意見もあり、会費は払っていなかった。男性は「解散することで、どんな影響が出てくるのかがよくわからない。もし大した影響がないのであれば、もともと必要のなかった組織だったということ」と突き放す。
この日のニュースで解散方針を知った40代の男性教員は「自分たちに何の説明がないことに不信感しかない。本当に子どもたち、教員にとって有益な活動を行ってきたのなら、運営方法を再考した上で継続すべきだし、謝罪をするところがあれば、謝罪すべきではないか」と話した。
一方、市教育会がこれまで取り組んできた学校でのスポーツ大会や文化活動の支援について、広沢市長は「市で予算化し、子どもたちにが不利益を被らないようにしたい」と語った。【真貝恒平、加藤沙波】
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