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別府名湯・梅園温泉の入浴剤販売 熊本地震で被災「再興のヒントに」

毎日新聞 / 2025年1月26日 8時15分

梅園温泉と同じ泉質の湯を自宅などで楽しめる入浴剤を手にする別府温泉宣伝協会の平野芳弘代表=大分県別府市元町で2025年1月15日午前11時53分、神山恵撮影

 大分県別府市の町おこしに取り組む別府温泉宣伝協会(平野芳弘代表)は、「路地裏の名湯」と呼ばれる梅園温泉の成分を配合した入浴剤を作り、3袋1セット(税込み1200円)で販売を始めた。梅園温泉は2016年の熊本地震で被災し、クラウドファンディングなどで建屋を再建した経緯があり、収益の一部はその時の借入金返済に充てるという。市内には資金不足などから営業困難になっている温泉もあり、平野代表は「再興のヒントになってくれたら」と語る。

 1916年創設の梅園温泉は、同市元町の市有地(約150平方メートル)にあり、温泉組合が維持管理する市有区営温泉。平野代表によると、ネオン街にひっそりとあるため、路地裏の名湯として知られたが、熊本地震で木造二階の建屋が傾き、取り壊された。

 このため、平野代表らが再建費用として寄付やクラウドファンディングを呼び掛けると、地元住民や全国の温泉ファンらから計約1400万円が寄せられ、2018年12月に再オープンにこぎ着けた。

 入浴剤の商品化は、支援者や遠方の人に温泉と同じ泉質の湯を楽しんでもらおうという意図もあり、平野代表は「感謝を形にできて良かった」と話す。

 市温泉課によると、市内には梅園温泉のような市有区営温泉が68軒(24年4月現在)ある。ただ、平野代表によると、入浴客が減り、施設が老朽化しても修繕費を捻出できないといった理由で営業継続が困難になっている温泉も多いという。

 今回の入浴剤販売は収入源の確保という側面に加え、温泉自体の存在や特長を対外的にアピールする効果もあるため、平野代表は、営業継続が難しくなっている温泉にとっての参考事例になってほしいと考えている。

 入浴剤セットには「ゆず湯」の雰囲気を味わえる香りが付いている他、温泉近くで七福神をまつる波止場神社にちなみ、七福神の縁結び祈願ステッカーも入れた。梅の花などを描いたパッケージは、地元の立命館アジア太平洋大の学生が考案した。

 販売は当面、同温泉か、近くの平野資料館のみだが、今後ホームページやSNS(ネット交流サービス)を通じて購入できるようにするという。問い合わせは同館(0977・23・4748)。【神山恵】

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