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旧根岸競馬場の「一等馬見所」、横浜市が耐震工事へ 保存活用に向け

毎日新聞 / 2025年1月25日 7時45分

旧根岸競馬場一等馬見所の外観=いずれも横浜市提供

 横浜市は2025年度、国内初の洋式競馬場で知られる旧根岸競馬場にあった観覧施設「一等馬見(うまみ)所」(中区)の耐震補強工事に着手する。24年1月の能登半島地震で、現地の歴史的建造物が大きな被害を受けたことを踏まえた取り組み。当初予算案に設計費を計上し、保存活用に乗り出す。

 一等馬見所は現存する国内最古の競馬場建築。関東大震災で崩壊した観覧施設に代わって、1929年に建設された。旧丸ビルなどを手がけた米国建築家J・H・モーガンが設計し、三つ並んだ高さ約30メートルの塔が特徴的だ。2009年、経済産業省に近代化産業遺産の認定を受けている。

 コンクリート造りの7階建てで、延べ床面積は約5000平方メートルに上る。老朽化のため、並んでいた二等馬見所は1988年に解体された。一等馬見所も施設内に立ち入りができない。保存活用に向け、市は22日、一等馬見所を歴史的建造物に認定した。

 市は築100年の2029年に合わせ、耐震化などを完了させたい考えだ。活用策は今後検討するが、山中竹春市長は、施設内に入れるよう整えるべきとの考えで、馬見所を含んだ根岸森林公園との一体的なまちづくりに意欲を示す。一方で、隣り合う米軍根岸住宅地区の返還時期が見通せず、周辺地域全体で統一した開発の難しさも指摘されている。【岡正勝】

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