1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

死者は交通事故の7倍 浴室事故予防、合言葉は「おふろはたのしい」

毎日新聞 / 2025年1月25日 11時15分

完成したポスターとチラシを手に活用を呼びかける久留米市職員=福岡県久留米市城南町で2025年1月22日午後4時18分、高芝菜穂子撮影

 冬場に多発する浴室での事故を防ごうと、福岡県久留米市などでつくる「セーフコミュニティ高齢者の安全対策委員会」が今月、ヒートショックへの注意などを合言葉で呼びかけるポスターやチラシを作製した。同市で2023年に浴室で亡くなった人は63人で、交通事故の死者(9人)の7倍に上る。

 市によると、久留米広域消防本部の統計では同市で23年に浴室(シャワー室や洗面所などを含む)で63人が亡くなり、そのうち約9割を高齢者が占めた。同年、浴室への救急出動は市内で311件あり、12~2月の冬場に多発している。

 厚生労働省の人口動態統計を基にした23年の人口10万人当たりの不慮の溺死・溺水による死者数は同市で16・5人で、理由は不明だが全国(7・4人)や福岡県(12・2人)の数を上回っているという。また、18~22年の累計でみても、70、80代では不慮の事故による死亡の要因で最も多いのが溺死・溺水だった。

 対策委は、寒い脱衣所で服を脱ぎ、熱い湯船に入浴して血圧が変動し、気を失って溺れる事故が起きるとして、ヒートショックなどを回避するための八つの注意点をまとめ、頭文字の「おふろはたのしい」を合言葉としてポスターやチラシに掲載した。

 八つの注意点は▽お湯の温度は41度以下▽冬場は浴室・脱衣所を暖めて▽60歳を過ぎたら要注意▽入る前には一言かけて、入った後には水分補給▽立ち上がる時はゆっくりと▽のぼせる前に上がりましょう(目安は10分まで)▽食後・薬服用後は時間を空けて▽飲酒後の入浴は避けて。

 お風呂で人が倒れていたら、栓を抜き大声で助けを呼ぶことや、119番することなどもチラシで啓発している。

 ポスター(A2判)は500枚、チラシ(A3判)は2万8000枚作製し、市内の医療機関や薬局、公共施設などで掲示や配布するほか、市のホームページにも掲載している。市は「浴室で亡くなる人が多いと知って気を付けていただき、予防につなげてほしい」と呼びかけている。【高芝菜穂子】

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください