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旧国鉄連絡船の元船長、香川県立アリーナの切り絵寄贈「発展し喜び」

毎日新聞 / 2025年1月25日 1時14分

香川県立アリーナ「あなぶきアリーナ香川」を題材とした切り絵を池田豊人知事(右)に寄贈する萩原幹生さん=香川県庁で2025年1月15日午後2時1分、佐々木雅彦撮影

 旧国鉄宇高連絡船の元船長で、高松市で切り絵同好会を主宰する萩原幹生さん(86)が、高松港周辺の「サンポート高松地区」で2月に開業予定の香川県立アリーナ「あなぶきアリーナ香川」を題材にした切り絵を制作し、県に寄贈した。同地区では連絡船廃止後、再開発が進められてきた。萩原さんは寄贈式で「廃止後は港周辺のにぎわいが減り寂しかったが、だんだんと発展してきた。元船員全員が今の光景に喜んでいると思う」と語った。

 かつて宇野港(岡山県玉野市)との間で国鉄連絡船が就航していた高松港は四国の玄関口だった。高松市は国の出先機関や大企業の支店が集中し、四国の中心都市と位置付けられていた。しかし1988年の瀬戸大橋開通による連絡船の廃止で、都市機能の停滞が危惧された。

 このため国や県が83年から高松港周辺の再開発に向けた調査を始め、92年から官民一体となってサンポート高松地区42ヘクタールの整備事業を進めてきた。

 バブル経済の崩壊を経て計画が手直しされながらも2001年、2万トン級大型旅客船用の岸壁、新高松駅舎(現駅ビル南側部分)などが完成し、JRホテルクレメント高松の前身となるホテルもオープン。04年には、国際会議場や商業施設を備えた「高松シンボルタワー」が開業した。その後、国の出先機関が集まる合同庁舎もでき、24年には駅舎北側部分が完成して新駅ビル「TAKAMATSU ORNE」(高松オルネ)が開業した。

 2月24日にはアリーナがオープンし、同地区全体の整備が完成に近づく。アリーナは大小の円形の建物が連なる形状が特徴的だ。収容人数は中四国最大級の1万人を誇り、スポーツイベントやコンサートなどの利用が可能。残る区画には、徳島文理大の新キャンパスが4月に開設されるほか、外資系高級ホテルが開業を計画中だ。

 萩原さんは1978年に宇高連絡船の船長になった。瀬戸大橋の建設が進むにつれて「いずれ連絡船はなくなる。何か形にして残したい」との思いが強まり、現役中に切り絵を始めた。これまで、連絡船や四国の名所などを切り絵で表現してきた。寄贈式では池田豊人知事に「高松港は潮の流れが速い上、1日約1500隻が行き交って気が抜けなかった」と船長時代を振り返り、「きれいになった今の港で操船をしてみたかった」と話していた。【佐々木雅彦】

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