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Kマウント初期のコラボが語る都電荒川線暮情

毎日新聞 / 2025年1月27日 7時0分

大塚駅前-巣鴨新田間 行列のできるおにぎり店。今の流行なのに、写真にすると昭和時代みたい=東京都豊島区2024年10月24日、中村琢磨撮影

 写真好きもカメラ好きも大抵は製品ばかりに目を向けて、メーカー同士の関係性にまでなかなか頭が回りませんよね。今回はリコーのカメラに装着できるペンタックスレンズ、素晴らしいコラボです。でも他社なのにこのレンズマウントの互換性はなぜ? 当時は不思議に思ったものです。まあ、ユーザーとしては「安くて良い製品」が使えればラッキー!なんですけどね。【中村琢磨】

 今となってはもちろん納得しています。だって2011年のリコーイメージング設立で同じ会社になっていますから。リコーはペンタックスKマウントレンズの普及にも貢献したと思っていましたが、ひょっとして何十年も前から今では「日常茶飯事」な会社統合や合併などを意識していたってことでしょうか。

 さてこのセットをどこに持ち出そう。見つけたのは今でも残る都電の懐かしい風景。フィルムカメラの話題になると、必ずといっていいほど「懐古趣味」的な意見が出てきます。私の属する出版業界の雑誌グラビアでも、「昭和レトロ」の受けが良いみたい。

 うんちくはいりません。写真がすべてを語ってくれているはずです。都電と下町のコラボをリコーとペンタックスのコラボで堪能してきました。やっぱり専用軌道区間よりも路面電車と自動車が一緒に走る併用区間の方がより味わい深いですね。車を運転している人はそうは思わないかもしれませんが。

撮影機材

RICOH XR500、smc PENTAX 30mmF2.8、smc PENTAX―M zoom 80-200mmF4.5

 リコーは、ペンタックスが1975年に“業界の新基準”を目指して発表した、Kマウントを採用したXRシリーズを77年から発売しました。XR500は78年発売の“超リーズナブル一眼レフ”で、シャッタースピードはB(バルブ)と8分の1から500分の1。低速、高速シャッターを省略し、プラスチック部品を多用することでコストダウンを図っています。

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