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藤井聡太王将に挑む永瀬拓矢九段、記録的長考 王将戦第2局1日目

毎日新聞 / 2025年1月25日 19時40分

第74期王将戦七番勝負第2局で1日目の対局を終え、一礼する藤井聡太王将(手前右)と挑戦者の永瀬拓矢九段(同左)=京都市の伏見稲荷大社で2025年1月25日、北村隆夫撮影

 藤井聡太王将(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓、名古屋鉄道協賛)の第2局が25日、京都市の伏見稲荷大社で始まり、午後6時27分、藤井王将が43手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち消費時間は藤井王将4時間13分、永瀬九段3時間52分。26日午前9時に再開する。

 先勝した藤井王将の先手番ながら、永瀬九段の側が「横歩取り」の戦いに誘った。両者の横歩取り戦は5年ぶり2回目で、前回は藤井王将が勝っている。

 序盤、永瀬九段は考慮時間をほとんど使わずに飛ばし、藤井王将は少考を重ねて対応した。

 永瀬九段の3三桂(38手目)から昼食休憩明けの戦い。昼休の1時間を挟んで31分考えた手だった。だが藤井王将の2四飛が意外だったのか、次の2三歩にも34分使った。藤井王将は3四飛と寄る。「中盤の急所の局面です」と立会の久保利明九段。次の永瀬九段の着手に控室の注目が集まった。

 検討では4四歩や2八角が候補に挙がったが、永瀬九段は一向に指す気配を見せず、考え続ける。午後5時12分、ついに1四歩と指した。自身の公式戦最長記録とみられる2時間32分の大長考。「(私はこの手を)1秒も考えなかった。意図は分かりません」。久保九段が思わず声を上げた。藤井王将は1時間15分考えて次の手を封じた。

 解説の高見泰地七段は「永瀬九段の1四歩は、相手に手を渡して自分からは倒れないという永瀬九段らしい、すごみを感じる手だ」と話した。【新土居仁昌、丸山進】

第1日 指し手

[先]藤井

[後]永瀬

<1>2六歩  (2)3四歩

<3>7六歩  (4)8四歩

<5>2五歩  (6)8五歩

<7>7八金  (8)3二金

<9>2四歩  (10)同 歩

<11>同 飛  (12)8六歩

<13>同 歩  (14)同 飛

<15>3四飛1 (16)3三角

<17>5八玉1 (18)9四歩

<19>3六歩11 (20)4二銀

<21>3七桂6 (22)4一玉1

<23>3八銀9 (24)2二歩

<25>3五飛14 (26)7二銀

<27>9六歩3 (28)8八角成1

<29>同 金39 (30)8二飛2

<31>2五飛37 (32)8六歩1

<33>7八銀16 (34)9五歩5

<35>7七桂6 (36)9六歩5

<37>9四歩3 (38)3三桂31

<39>2四飛28 (40)2三歩34

<41>3四飛4 (42)1四歩152

<43>封じ手75

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