藤井聡太王将「横歩取り可能性あるかなと」 王将戦第2局振り返り
毎日新聞 / 2025年1月26日 20時45分
藤井聡太王将(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦し、京都市の伏見稲荷大社で25日から指されたALSOK杯第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の第2局は26日、藤井王将が勝利し、開幕戦に続いて連勝した。永瀬九段は検討陣の意表を突く横歩取りで挑んだが、藤井王将は終局後、「横歩取りも可能性はあるかなと思ったが、展開を想定するのは難しかった」と振り返った。報道陣との主なやり取りは以下の通り。
封じ手局面 指す手分からず
――横歩取りは意外だったか。
◆横歩取りも可能性はあるかなと思ったんですけれど、ただ、その後、どういう展開になるかということを想定するのは難しいので、横歩取りも含めていろいろな可能性があるのかなと思っていました。
――1日目を振り返ってどのような形勢判断だったか。
◆一度戦いが始まると激しくなりやすい将棋なので、一手一手非常に難しいかなと思っていました。
――永瀬九段の8八角成(28手目)の時、同銀と同金の二択に同金とした。どういう読みだったか。
◆同銀だと2八角と打たれる手があって、その時に飛車を切って2九金のような指し方もあるかなと思うんですけれど、後手玉も結構堅い形なので、同金で2八角には2三歩と打って最後、7七角、7六飛に2二角成みたいな図の時に7六飛成と王手で銀を取られないので、2八角に対しては少し同金のメリットがあるかなと思ったんですけど。でも本譜のように進むと、8八金の形はどうしても負担になってしまうので非常に難しかったと思います。
――1日目の終わりに永瀬九段が大長考して1四歩(42手目)だった。
◆3四飛(41手目)の局面で4四歩とか7四歩とかを考えてはいたんですけど、1四歩は予想していなくて。ただ指されてみると、9六香のような自然な手が、進んでみるとそんなに面白くないかなというような感じもしたんですけど、手を渡されてこちらも何をやればいいか、そのあたりはちょっと難しくてよく分からなかったです。
際どいながら勝っていた
――封じ手に5六角を選んだのは。
◆次に9三歩成とか2四歩を見せて、という手ではあったんですけれど、ただちょっとあんまり急所には利いていないので、それほど感触のいい手ではなかったです。何を指せばいいか、考えてもなかなかしっくりくる手が難しかったかなという気がします。
――他にはどんな手を考えたか。
◆手を渡されたところなので、相当こちらもいろいろあるような気がしたんですけれど、9六香とか9三歩成とか6六角とかいろいろあるかなという気がしたんですけれど、結局何がいいのか分からなかったです。
――中盤から終盤にかけての形勢判断は。
◆形勢はよく分からないまま指していました。
――終盤に入って封じ手で打った5六角(43手目)を生かして2筋、9筋、8筋と攻めが続いた。どこで好感触を得たか。
◆8七角成、同銀で同飛成だと3二金から追っていって飛車を抜く筋があるので、そのあたり際どいんですけれど、でも少し余せている可能性もあるのかなと考えていました。
――第3局に向けて。
◆今度は後手番になるので、まずは序盤で立ち遅れることがないようにしっかり準備をしていきたいと思います。
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