長野3人殺傷 容疑者、事件後にひげをそり短髪に 特定避けたか

長野県警長野中央署から送検される矢口雄資容疑者（右）＝長野市の長野中央署で2025年1月27日午前10時41分、鈴木英世撮影

　JR長野駅前で3人が殺傷された事件で、殺人未遂容疑で逮捕された矢口雄資容疑者（46）＝長野市西尾張部＝が事件後、あごひげをそり、髪も短く切っていたことが長野県警への取材で判明した。公開された防犯カメラ画像などに映っていた見た目を変え、容疑者と特定されるのを避けようとしたとみられる。県警は27日、矢口容疑者を送検した。

　事件は22日午後8時過ぎ、長野駅善光寺口前で発生。男性1人が死亡、男女2人が重軽傷を負った。矢口容疑者は、女性会社員（46）を刃物で殺害しようとした疑いで26日に逮捕された。調べに対し、会話には応じる一方、事件については「分からない」と話し、黙秘しているという。

　県警は27日までに、矢口容疑者の自宅から包丁2本を押収。凶器の可能性もあるとみて鑑定する。ジャンパーとズボン、メガネなども押収しており、いずれも防犯カメラに映った容疑者の着衣と似ているという。

　県警によると、矢口容疑者は事件から2日後の24日、捜査線上に浮上した。それ以降、自宅の出入りは確認されず、室内灯も消えたままだった。

　事件では会社員の丸山浩由さん（49）が死亡し、駅前の現場には献花台が設置された。矢口容疑者の逮捕後に撤去され、遺族名で「温かなお気持ちを頂き、本人も安らかに旅立つことができることと思います」とのコメントが張り出された。【鈴木英世、田中綾乃】