60年以上なかった浪曲師トリの寄席 玉川太福さん務め連日大入り
毎日新聞 / 2025年1月29日 10時30分
今年に入って東京の寄席4軒の集客が好調だ。なかでも正月興行が開けた新宿・末広亭の下席夜の部(30日まで)は、玉川太福(だいふく)さん(45)が浪曲師としては60年以上なかったトリを初めて務めた。同世代の落語家らも共演し、連日、立ち見が出るほどの大入りだ。
太福さんは2007年、玉川福太郎さんに入門。その直後に師匠を不慮の事故で失ったが、一門の姉弟子や先輩浪曲師の薫陶を受け、力をつけてきた。三味線の曲師は師匠の妻、玉川みね子さんや、みね子さんの弟子、玉川鈴(りん)さんらが務める。
玉川一門のお家芸「天保水滸伝」などの古典に加え、山田洋次さんも絶賛する「男はつらいよ」シリーズ、さらに上司と部下の日常をコミカルに描いた「おかず交換」などの「地べたの二人」シリーズでは、お客さんをたっぷり笑わせてくれる。
所属する落語芸術協会(芸協)によると、芸協の寄席では、落語風にアレンジした落語浪曲を手がけた二代目広沢菊春(1964年、50歳で死去)が60年11月に川崎演芸場でトリを務めたという記録が残る。資料だけでははっきりしないが、それ以降60年以上なかったのは確かだという。
3000人以上も浪曲師がいた全盛時代から衰退期を経た浪曲。今は、人気復興を目指す過程で亡くなった太福さんの師匠・福太郎や国本武春の思いを継いだ世代が活躍の場を広げている。若手が入門し、若い世代の客が足を運んでいる。
末広亭の寄席では15分程度の出番だった。だが、トリではたっぷり三、四十分の持ち時間で落語ファン、浪曲ファンそれぞれに、じっくり聞かせ、時には笑わせる。
太福さんは「時間に追われずやれるので、初舞台のような気持ちになった。お客さんがこなかったら次はないと思っていたので、多くの方にお越しいただき、落語の寄席に初めて来た浪曲ファンもかけつけてくれて、本当にありがたい」と話す。
太福さんは2月2日昼、浅草・木馬亭の浪曲定席でトリを取るほか、夜6時からは同じ木馬亭の月例独演会に出演する。【油井雅和】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
15年に死去 桂米朝さん顕彰碑の除幕式 桂米団治が亡き父のモノマネで笑い呼ぶ
スポニチアネックス / 2025年1月30日 14時36分
-
“常にいまがある76 歳とは思えぬ感性”の高田文夫氏が今おすすめする注目芸人 玉川太福、トム・ブラウン、バッテリィズ
NEWSポストセブン / 2025年1月20日 16時15分
-
林家愛染「どの日に来ても楽しいという1週間に」 神戸での「噺家十五周年~翔ぶトリウィーク~」意欲
スポニチアネックス / 2025年1月20日 15時51分
-
桂あやめ「芸歴もバラバラの女だらけの落語会です」2月「バレンタイン女流ウィーク」PR
スポニチアネックス / 2025年1月20日 14時29分
-
三遊亭ごはんつぶは新作落語の世界を刺激する【令和7年巳年 落語界気鋭の二つ目】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月4日 9時26分
ランキング
-
1生島ヒロシのラジオ降板、パワハラ・セクハラだけじゃない“若い世代”に嫌われた「身内事情」
週刊女性PRIME / 2025年1月31日 16時0分
-
2沈黙の鶴瓶、“中居正広BBQ”のスシローに続き冠番組放送休止「実は真っ黒なの?」広がる憶測
週刊女性PRIME / 2025年1月31日 16時30分
-
3益若つばさ 避妊リング装着公表で「炎上」したワケ “性に奔放”の声には反論
スポニチアネックス / 2025年1月31日 11時25分
-
4登録者79万人の人気YouTuberが暴露 TOBで上場廃止の所属事務所、UUUMで「社員が辞めまくってる」
J-CASTニュース / 2025年1月31日 10時30分
-
5【スクープ】中居正広、恋人と親族が「24時間監視」の引きこもり生活 かつて交際報じられた美人ダンサーが“同棲状態”で支えていた
NEWSポストセブン / 2025年1月31日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください