粉飾決算で融資金詐取疑い、元経営者ら逮捕 閉校の美容学校も運営

愛知県警本部

　決算を粉飾して金融機関から融資金を詐取したとして、愛知県警が29日、名古屋市中村区の携帯販売会社「アミックテレコム」（倒産）を経営していた60代の男性ら3人を詐欺容疑で逮捕したことが、捜査関係者への取材で分かった。

　同社は昨年5月に突然閉鎖した「愛知中央美容専門学校」（愛知県小牧市）の運営にも関与していた。県警は、経営不振に陥りながら業績好調と偽る手口で少なくとも数十億円の不正融資を受けていたとみて調べている。

　捜査関係者によると、経営不振で自転車操業状態に陥っていたにもかかわらず、売り上げを水増しして計上するなどの手口で、経営実態とは異なる決算書を作成し、複数の金融機関に提出して不正に融資を受けていたとみられる。

　関係者によると、同社は携帯電話の代理店を県内外で展開していたが、新型コロナなどの影響で経営が悪化。2023年8月末に名古屋地裁に破産を申し立てた際の負債総額は約27億4000万円に上った。

　一方、愛知中央美容専門学校は同社を含む3社からなる組合で運営していた。同社の倒産後、専門学校の運営は困難となり、突然の閉鎖に至った。当時、86人の学生が在籍しており、支払い済みの入学金や授業料の返還を巡って問題となった。【田中理知、塚本紘平】