家畜用ワクチン談合 2社に課徴金500万円納付命令へ 公取委
毎日新聞 / 2025年1月31日 2時0分
家畜用ワクチンなどの納入で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は30日までに、動物用医薬品卸2社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、計500万円の課徴金納付命令と、再発防止を求める排除措置命令を出す方針を固めた。関係者への取材で判明した。
行政処分の対象は「アグロジャパン」(新潟市)と「小田島商事」(岩手県花巻市)。公取委はすでに処分案を通知し、意見を聴取した上で最終判断する。
公取委は2024年10月に、2社と「MPアグロ」(北海道北広島市)を立ち入り検査していた。MPアグロについては、談合を自主申告したとみられ、課徴金減免制度(リーニエンシー)が適用される見込み。
3社は遅くとも20年以降、山形県が発注する豚熱ワクチンや、公益社団法人「山形県畜産協会」が発注する動物用医薬品の入札で、事前に情報交換して落札価格や受注者を決めたとされる。豚熱ワクチンは各社が持ち回りで受注し、医薬品については各社がそれぞれ同じ品目を継続的に受注していたという。
山形県などによると、豚熱ワクチンは税金で調達するため、価格が高止まりすれば納税者の負担が増すことになる。医薬品の高騰は、飼料や光熱費の高騰で苦境にある畜産業者への打撃になるという。特に豚熱は、野生のイノシシを介して感染が広がり、全国的に警戒感が強まっている。【渡辺暢】
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