福岡市議会、職員採用試験の解答2人分を誤消去 全受験者が再試験へ

写真はイメージ＝ゲッティ

　福岡市議会事務局は30日、20日に実施した会計年度任用職員の採用選考試験で、職員が受験者の解答データをUSBメモリーに保存する際、一部を移さないまま元データを削除し、受験者2人の解答が失われたと発表した。職員がパソコン上の「ゴミ箱」からも削除したため復旧できず、受験者全4人に再試験をすることになった。

　議会事務局によると、採用試験は男女4人が市議会棟で受験。面接と実技試験があり、実技試験は人事課から貸与されたノートパソコンで実施された。

　終了後、職員が解答のエクセルとワードファイルを一つのUSBメモリーに保存するはずだったが、4人分のデータを移したと誤認。別の職員がパソコンに保存されていた元データを完全に削除した。業務用パソコンでUSBメモリーを開いて、2人のフォルダーが空だったことが判明。「人事課から借りているパソコンなので原状復帰（削除）する必要があった」（議会事務局担当者）という。

　市はデータ復旧の専門業者に依頼するなどしてデータの復旧を試みたが、できなかったという。30日に4人に謝罪し、実技試験の再試験を実施することが決まった。再試験日は未定。USBメモリーを扱った職員は「確認漏れだった」と話しているという。【竹林静】