「命無駄には」遺族が東京・港区の新人職員に講演 エレベーター事故
毎日新聞 / 2025年2月1日 14時30分
東京都港区の区立住宅で2006年6月、都立小山台高2年の長男大輔(ひろすけ)さん(当時16歳)をシンドラーエレベータ社製のエレベーター事故で亡くした市川正子さん(72)が1月31日、区の研修で新人職員ら約160人を前に講演した。「事故は息子だけの問題ではなく、みんなの安全の問題。事故が起きないように何をするのか考えてほしい」と訴えた。
高校で野球部に所属していた大輔さんは、部活動から帰宅し自宅がある12階でエレベーターを降りようとした。その際、突然扉が開いたまま内部のかごが上昇し、かごの床面と出入り口の外枠に挟まれて亡くなった。
区は、事故が区の建物で起きたことなどの反省から、大輔さんの命日にあたる6月3日を「港区安全の日」に制定。その一環で市川さんも毎年、職員の前で講演を行っている。
市川さんは「息子はなぜ突然、理不尽に命を奪われなければならなかったのか」と怒りを打ち明けた。「あの日まで息子は教師になって野球を教える夢を持ち、懸命に生きていた。その命を無駄にはさせない。二度と同じような事故が起きないように安全にすることが、息子の命を生かすことだ」と強調した。
ただ、近年もエレベーター事故は起きている。市川さんは「エレベーターは生活の中で身近な乗り物だ。利用者の命を第一に考えてほしい。安全にし続ける責任に終わりはない」と指摘。さまざまな部署から参加した職員に対し、「人の命につながる危険を常に意識しながら、安全・安心をつくり続けてほしい。その意識を忘れないで」と訴えた。【木下翔太郎】
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