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30年放置の廃虚キノコ工場 完全解体まだまだ先?町の案に住民反発

毎日新聞 / 2025年2月2日 7時45分

壁が壊された農林業近代化施設。町が町議などに施設の内部を公開した=利根町立木で、2024年6月18日午後4時30分、信田真由美撮影

 約35年前に整備された茨城県利根町のキノコ工場が4年しか使用されず放置され廃虚となっている問題で、町は1日、報告会を開き、建物を解体する方針を示した。約8000万円がかかる見積もりで、町は3~4年かけて費用を積み立ててから完全解体する案を示したが、早期除却を求める住民からは反発の声が相次いだ。

 報告会で町は2案を示した。一つは、2027~28年度に解体設計し、28~29年度に解体工事を実施するもの。建築設計事務所が概算したところ、解体設計の業務委託料に600万~700万円、解体費に約8000万円がかかるという。もう一つはアスベスト(石綿)が含まれている壁や屋根のみを26年度に除去し、残りを29~30年度に解体する案。この場合工事を2回に分けて行うため、工事費がより高額になる。

 町は報告会の冒頭、3月15日までに地元の自治会に2案についての意見をまとめるよう求めた。しかしアスベストが含まれた壁が壊れていたり、昨年12月に放火未遂事件が起きたりしており「この不安が後5~6年も続くというのか」と両案ともに反対する声が上がった。住民157人が町議会に提出し12月に採択された請願では施設の早期除却を求めており、複数の参加者が「早期というのは5~6年ではなく1~2年。到底納得できる案ではない」と憤った。

 財政担当者は「無理な形で予算化するとどこかでひずみが出る。一番町の負担が少なくなるのは積み立てだ」と説明したが、反対意見を受けて再検討する。

 またアスベストの粉じんについて定期的に気中濃度測定をしてほしいという意見があり、町は「前向きに検討する」と回答した。【信田真由美】

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