長生炭鉱跡地で追悼集会 戦時中に水没事故、183人が犠牲に 山口
毎日新聞 / 2025年2月1日 19時58分
戦時中の1942年2月、落盤による大規模な水没事故があった山口県宇部市の海底炭鉱「長生(ちょうせい)炭鉱」の跡地近くで1日、犠牲になった朝鮮半島出身の労働者と日本人労働者計183人を追悼する集会があった。日韓の遺族を含む約450人が参加し、犠牲者の冥福を祈った。集会後には、残されたままの遺骨の収容に向け、地元の市民らでつくる「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が潜水調査を実施したが、初日の1月31日に続いて遺骨は見つからなかった。
追悼集会は、刻む会が毎年、事故があった2月に宇部市床波の追悼碑前で開いている。事故でおじを亡くした韓国遺族会の楊玄(ヤンヒョン)会長(77)はあいさつで、刻む会による調査について「絶望的な状況の中でも、坑口が見つかるという歴史的なことが起こった。遺骨の収容、返還への期待感を持てるようになった」とし、「未来志向的な両国関係のためにも、日本政府が遺骨を収容して故郷へ送り返してほしい」と語った。
韓国政府行政安全省の金敏在次官補も集会に参加し、「(韓国政府は)遺骨が一日でも早く故郷や家族のそばに帰れるように最善を尽くす」とあいさつした。
集会では犠牲者の名前が読み上げられ、参加者が追悼碑に献花した。事故で父を亡くした愛知県刈谷市の常西勝彦さん(83)は取材に「一日も早く、冷たい水から父を出してあげたい。政府が早く動いてほしい」と訴えた。
潜水調査では海岸近くの坑口からダイバーの伊左治(いさじ)佳孝さん(36)が坑道内に入った。1月31日は坑口から約250メートル先まで入り、1日はさらに15メートル奥まで進んだが、「その先は坑道が崩れている可能性があり、その場合は側道を探すことになる」と語った。2日まで調査は続く。
長生炭鉱での事故は42年2月3日、坑口から約1キロ沖合で発生し、労働者計183人が亡くなった。うち136人は朝鮮半島出身だった。【福原英信】
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