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ウガンダ 貧困のために進学を諦める難民の子どもたち

毎日新聞 / 2025年2月8日 16時0分

チャングワリ難民居住区で生まれ育ったコンゴ民主共和国難民のニワマニャさん。両親を亡くし、4人の弟妹を養う。将来の夢はジャーナリストになることだが、進学するための学費を払えず途方に暮れる=ウガンダで2024年10月22日、滝川大貴撮影

 「ジャーナリストになるにはどうすればよいですか」。机と椅子が整然と並ぶしんとした教室に、記者をじっと見つめて問いかける青年の声だけが響いていた。

 アフリカ最大の難民受け入れ国・ウガンダ。この国には、豊かな天然資源を巡って紛争が絶えない西隣のコンゴ民主共和国から約56万人の難民が身を寄せる。ウガンダ西部のチャングワリ難民居住区には、約14万人の難民が暮らしている。

 居住区の課題の一つは進学率の低さだ。2020年から教育支援を続けるNGO「難民を助ける会」(東京)によると、現地の学校では学年が上がるごとに児童・生徒が減っていく。23年には支援先の小学校6校に1年生が計3529人いたのに対し、最高学年の7年生はその約4%の計139人に激減。貧しさから学費を払えず学校をやめて働くケースが多く、中等教育学校(日本の中学・高校に相当)に進める子どもの数はさらに少なくなるという。

 居住区で生まれ育ち、小学校を卒業したばかりのニワマニャさん(18)も進学を悩む一人。コンゴ難民だった父を幼い頃に亡くし、母も5年ほど前に35歳の若さで病死した。他に頼れる親族はおらず、5人きょうだいの長男として学校を休みながら野菜を育てて売ったり、近所の人の畑仕事を手伝ったりして一家の生計を立てる。頑張れば月に10万ウガンダシリング(約4000円相当)を稼げるが、5~13歳の弟妹を養うのに十分な額ではない。

 将来の夢はジャーナリストになること。新型コロナウイルス禍で人々のためになる情報を届けるテレビリポーターの姿を見て憧れた。そのためには中等教育学校を修了する必要があり、入学試験には合格したものの、学費を払えず途方に暮れる。「自分だけではなく弟妹たちの学費を確保することも難しい。でも僕の夢も諦めきれない」と嘆く。

 難民を助ける会のウガンダ事務所駐在員、広本充恵(みつえ)さんは「進学を希望する全ての子どもたちが教育の機会を得て、自立して幸せな人生を歩めるよう活動を続けたい」と支援を呼び掛ける。<写真・滝川大貴 文・郡悠介>

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