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「死を無駄にしない」クルーズ船コロナ集団感染5年 元乗客らが追悼

毎日新聞 / 2025年2月4日 9時20分

犠牲者に黙とうをささげる中田良平さん(右から2人目)ら「ダイヤモンド・プリンセス」の元乗客=横浜市鶴見区の横浜港大黒ふ頭で2025年2月3日午前10時13分、岡正勝撮影

「真相解明、教訓を」

 新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜に入港してから5年となった3日、船が停泊した横浜市鶴見区の大黒ふ頭で、亡くなった人たちを元乗客ら10人余が追悼した。

 追悼式は、ダイヤモンド・プリンセス号の当時の対応検証や真相究明を政府に求める「全国連絡会」が主催。乗客の一人で連絡会の共同代表を務める平沢保人さん(69)は、「亡くなった14人の死を無駄にしない、との決意を新たにした。真相を解明し、教訓を得なければならない」と強調した。

 ダイヤモンド・プリンセス号は2020年1月20日に横浜港を出港、香港で下船した男性の感染が2月1日に判明した。乗客乗員約3700人のうち712人が感染。連絡会によると、13人が死亡し、他に1人がオーストラリア帰国後に亡くなったという。【岡正勝】

夫婦最後の船旅、隔離つらく

 「それまでの船旅が楽しかっただけに、下船できないと知った時にはびっくりした。さらに自分も陽性になるとは……」。夫妻で「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船した東京都大田区の中田良平さん(78)が当時を振り返った。年齢のこともあり、夫婦最後の船旅と決めていたという。

 横浜に戻った2020年2月3日は沖合に、その後は大黒ふ頭に停泊した。「船内で開かれた『お別れパーティー』で感染が広がったのではないか」と思っているという。

 停泊中の2月14日、妻の感染が判明し、静岡県富士市の病院に救急搬送された。中田さん自身も濃厚接触者として隔離され、PCR検査で陽性に。同17日に自衛隊中央病院(東京都世田谷区)に運ばれた。「これで設備が整った施設で治療が受けられる。正直ほっとした」と振り返る。妻に少し高熱症状が出たものの、中田さん自身は無症状で、約2週間後には夫妻は自宅に戻ることができた。

 妻は2年前、がんで亡くなった。中田さんはその後、クルーズ船には乗船していないという。「船内での長期隔離はとにかくつらかった。国は今でも船で集団感染が再び起きれば船内隔離をしようとしている」と、対策の見直しを求めている。【岡正勝】

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