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日本遺産取り消しの「西の都」 整備と観光事業化に課題

毎日新聞 / 2025年2月4日 20時8分

文化庁の庁舎=京都市上京区で2023年2月、山崎一輝撮影

 文化庁が認定を取り消した日本遺産「古代日本の『西の都』」は2015年の「日本遺産」創設時に認定され、福岡・佐賀両県の7市町にある国特別史跡の大宰府跡(福岡県太宰府市)や大野城跡(同県大野城市など)、国宝や国重要文化財がある太宰府天満宮(太宰府市)などの文化財30点で構成する。

 太宰府を中心とするエリアは7世紀以降、中国大陸や朝鮮半島から文化、宗教、人などが流入して栄え、日本の外交と防衛の最前線でもあった。地域の文化財を巡ることで古代国際都市「西の都」を体感できるとされた。

 しかし、今回の審査では七つの評価項目のうち、特に「整備」と「観光事業化」に課題があるとされ、「集客力の高いエリアから構成文化財などへの周遊につなげる方策」の実施が求められた。

 太宰府観光協会(太宰府市)の今村巧児事務局長は「大切なものがなくなり、残念としか言いようがない。協会としては『西の都』の冠をつけたウオーキング大会などで日本遺産をPRしてきた。ただ、複数の自治体で取り組む難しさも感じた。太宰府には連日、たくさんのお客さんが来てくれているので、努力を続けていきたい」と語った。

 太宰府市の楠田大蔵市長は取材に「結果を福岡県や関係市町と冷静に分析したい」としたうえで、「市としてはこれまで通り、太宰府の文化や歴史などをしっかり発信していくだけだ」とする。「西の都」日本遺産活性化協議会の事務局を務める福岡県文化財保護課は取材に「残念だが、内容を分析中で、今後情報を整理して協議会で対応を検討したい」とした。【森永亨、後藤浩明】

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