東京高裁「司法取引は検察意向に沿う危険性」 日産・ケリー氏判決
毎日新聞 / 2025年2月4日 20時59分
日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(70)の役員報酬を有価証券報告書に過少に記載したとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)に問われた日産元代表取締役、グレッグ・ケリー被告(68)の控訴審判決で、東京高裁(家令和典裁判長)は4日、懲役6月、執行猶予3年とした1審・東京地裁判決(2022年3月)を支持し、被告側、検察側双方の控訴を棄却した。ケリー元代表取締役の弁護人は、即日上告した。
ケリー元代表取締役はゴーン前会長と共謀し、10~17年度分の役員報酬計約91億円を記載しなかったとして起訴された。1審判決は、17年度分(約17億円)に限って有罪とし、他の年度分は無罪としていた。
高裁は判決で、ゴーン前会長が退任後に後払いされる報酬を1円単位で記録した文書を、元秘書室長に作成させていたと指摘。この報酬は本来開示すべきで、ゴーン前会長は約91億円の虚偽記載をしたと認定した。
ただ、ケリー元代表取締役の関与を証言した元秘書室長は司法取引に応じて不起訴処分となっており、高裁は1審同様に「(元秘書室長が)検察官の意向に沿う供述をする危険性をはらむ」と述べた。
高裁は10~16年度についてケリー元代表取締役の関与を裏付ける事情がないとしつつ、17年度分は元秘書室長の証言に加え、裏付けとなる文書や別社員の供述があるとして共謀を認定し、1審の結論を是認した。
東京高検の伊藤栄二次席検事は「判決内容を十分に精査し、適切に対処したい」とコメントした。
ケリー元代表取締役は1審判決後に米国に帰国し、高裁の公判に出廷しなかった。ゴーン前会長は保釈中だった19年12月にレバノンに逃亡し、公判が開かれるめどは立っていない。【巽賢司】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
司法取引定着に課題 供述信用性「慎重」判断崩せず 日産元代表取締役ケリー被告2審判決
産経ニュース / 2025年2月4日 20時51分
-
ケリー被告、二審も一部有罪=ゴーン元日産会長報酬隠し―大半無罪「誤りない」・東京高裁
時事通信 / 2025年2月4日 18時33分
-
日産自動車役員報酬過少記載 ケリー被告、2審も一部有罪 東京高裁、1年分のみ共謀認定
産経ニュース / 2025年2月4日 14時31分
-
日産元代取ケリー被告二審も有罪 ゴーン元会長の報酬過少記載罪
共同通信 / 2025年2月4日 14時27分
-
日産・ケリー元代表取締役、2審も大半無罪 ゴーン氏報酬を虚偽記載
毎日新聞 / 2025年2月4日 14時1分
ランキング
-
1北陸の被災地や観光名所にも大雪 「外出控えて」市民生活に影響必至
毎日新聞 / 2025年2月4日 20時42分
-
2【速報】タレントの小島瑠璃子さんと夫がそれぞれ病院に搬送 夫は死亡 小島さんは軽症
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年2月4日 18時57分
-
3「何もしないとは言ってない」石破首相、誕生日にイラっ…自席から反論し予算委で注意受ける
カナロコ by 神奈川新聞 / 2025年2月4日 17時0分
-
4最強寒波…歩行中の転倒、スリップ・立ち往生、水道管凍結を防ぐには?
MBC南日本放送 / 2025年2月4日 19時41分
-
5「勝手なことをしてごめんなさい」“ポスト松田聖子”と期待された人気アイドルはなぜ命を絶ったのか…岡田有希子(享年18)の死が映す「アイドル業の難しさ」
文春オンライン / 2025年2月4日 17時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください