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「いくらなんでも降りすぎ」12時間120cmの降雪 北海道・帯広

毎日新聞 / 2025年2月4日 20時39分

記録的大雪で除雪作業が追いつかず、大型車のタイヤ痕だけが残る生活道路=帯広市で2025年2月4日午後1時53分、鈴木斉撮影

 急速に発達した低気圧の影響で道内は4日、十勝地方を中心に記録的な大雪に見舞われた。帯広市では午前9時までの12時間降雪量が国内観測史上最大の120センチに達するなど、市民生活に打撃を与えた。

 4日午後4時までの12時間降雪量の最大値は帯広市120センチ、本別町107センチ、芽室町105センチ、浦幌町78センチ、白糠町69センチ、根室中標津空港42センチとなり、いずれも観測地点ごとの史上最大(タイを含む)となった。また、釧路市では37センチを記録した。

 札幌管区気象台によると、道東を覆う低気圧に南側から湿った暖かい空気が流れ込み、雪雲が発達した。帯広市の積雪は3日午後5時の5センチ(平年値46センチ)が、4日午前9時には129センチに急増。一夜にして記録的な少雪から大雪に急変し、市民は対応に追われた。

 道路は除雪作業が追いつかず、市内を走る十勝バスは路線バス全便を終日運休にした。かろうじて除雪が済んだ幹線道路の車道を歩いて出勤する人や、生活道路の深雪にはまって立ち往生する自動車も見られた。

 玄関先で除雪をしていた主婦(68)は「朝起きてびっくり。軽自動車が雪に覆われて大型ワゴン車のようになっていた。いくらなんでも降りすぎ」と戸惑い、自動車にこんもりと積もった雪を取り除いていた60代の男性は「ここまで降るとは。車はしばらく乗れなさそうだ」とため息交じりに話した。

 公共交通は広範囲にわたって影響を受けた。JR北海道は札幌―釧路間の「特急おおぞら」、札幌―帯広間の「特急とかち」のほか、根室線と釧網線の一部と花咲線全線をいずれも終日運休とするなど、特急24本を含む計112本を運休(4日午前10時半現在)した。

 JR北海道は線路や駅設備、車両基地に重たい雪が積もり、除雪に時間を要しているとして、5日についてもおおぞら、とかちの両特急を終日運休するなど、特急24本を含む103本を運休する。十勝バスも5日は路線バスのほか札幌―帯広間を結ぶ高速バスを終日運休する。

 道危機対策課のまとめ(4日午後4時現在)によると、国道の9路線10区間、道道の21路線22区間、高速道路の2路線4区間、高規格道路の3路線16区間が通行止めとなった。

 日本郵便北海道支社は交通の乱れにより、十勝や釧路地方をはじめ、道内発着の郵便物に遅れが生じる可能性があるとしている。

 一方、十勝、釧路、宗谷地方などで公立の小中高、義務教育学校、特別支援学校の計370校が臨時休校した。また、八雲町と江差町で住宅の一部損壊が7件確認された。

 気象台によると、十勝地方の大雪は4日で収まる見通しだが、6日にかけ、日本海側と太平洋側で大雪や吹雪への警戒が必要だ。

 5日午後6時までの24時間降雪量は多いところで日本海側南部50センチ、同北部30センチ、太平洋側西部40センチ、同東部30センチと予想している。【谷口拓未、鈴木斉、伊藤遥】

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