「声が出なかった」被災地・輪島市を訪問した高校生が報告会 三重
毎日新聞 / 2025年2月5日 9時7分
2024年元日に起きた能登半島地震の被災地を訪れた高校生らによる報告会が2日、津市内で行われた。24年11月2日から3日間、被災地の石川県輪島市を訪れた三重県内の高校生34人は訪問先で経験したことや感じたことなどを発表した。
高校生らは滞在中、石川県立門前高校などで被災を経験した人々の話を聞いたほか、足湯でボランティア活動をするなど市民と交流した。最終日には大規模火災が起きた朝市通り周辺の市街地も視察した。
報告会で生徒らは6班に分かれて発表に臨んだ。復興の現状について取り上げた班は、損壊が激しい建物が残されていることに「昨日地震があったかのような景色で言葉が出なかった」と衝撃を受けた気持ちを表した。
各班はさらに、それぞれの地元に置き換え、大きな地震が発生する前からできる対応策を考えた。「災害用伝言ダイヤル171」と公衆電話の使い方を知る▽地域の人と日ごろからコミュニケーションをとる▽被災時は安全な場所に逃げるとの強い意識を持つ――などの意見が出た。
木本高3年の岩田小夏さん(18)は輪島市を訪れ、災害の威力を痛感し、危機感を強めたという。岩田さんが住む紀宝町は南海トラフ巨大地震が発生した場合、最大約11メートルの津波が押し寄せる恐れがある。自宅は海から近いが、具体的な避難について考えていなかった。今回の経験から災害を自分ごととして捉え、「家族と話し合って、どこに逃げるかを明確にする」と、今できることから始める。
報告会には門前高校の中澤賢校長ら現地の教育関係者もオンラインで参加し、発表に耳を傾けた。輪島市教育委員会の小川正教育長は南海トラフ巨大地震に備えて「学校と地域が一体となって、防災の取り組みを進めてほしい」と、地域での啓発が大切と強調した。高校生に向けて「皆さんで(今回の経験を)発信してもらえたら。各地域で一人の犠牲者も出さないでほしい」と被災地を訪れた経験を今後に生かすことを求めた。
アドバイザーとして被災地訪問に同行した四日市大の鬼頭浩文教授(地域防災)は過去の震災から学びを得て備えることが大切だと指摘した。「まずは自分が生き残ることを絶対に考えてもらいたい。そのためには災害時に何が起きて、何が危ないのかを学び続けてほしいというのが願い」と訴えた。
被災地の訪問は県教育委員会の「学校防災ボランティア事業」の一環として行われた。16年から公募した県内の高校生が、東日本大震災による津波で児童や教職員が亡くなった宮城県石巻市の旧大川小学校などを訪れてきた。
能登半島地震で県は総務省による対口支援で、輪島市に県職員らを派遣するなどした。今回の訪問は、県教委が24年に県内の小中学校の教職員らを「災害時学校支援チーム」として派遣したことをきっかけに実現した。【原諒馬】
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