除染土最終処分に向けた工程表素案判明 処分地決定の年限盛り込まず
毎日新聞 / 2025年2月7日 16時10分
東京電力福島第1原発事故後に福島県内の除染で出た土などについて、県外での最終処分に向けた環境省の工程表素案の概要が判明した。2025年度から最終処分地の候補選定手続きや施設についての検討を本格化させるが、処分地決定の具体的な年限を盛り込むことは見送っている。
同県大熊、双葉両町にまたがる中間貯蔵施設には、東京ドーム約11杯分相当の約1400万立方メートル(24年末時点)の除染土が搬入されている。45年3月までに福島県外で最終処分すると法律で定められているが、25年度以降の進め方はほぼ白紙だった。
素案によると、25年度から最終処分や運搬に必要な施設の検討を進める。並行して候補地の選定や調査も進める。処分地決定は30年代以降と見込まれるが、年限は盛り込んでいない。環境省は近く、有識者検討会で素案を示す予定。
一方、環境省は7日、減容化技術に関する有識者会合で最終処分のあり方の選択肢案を示した。
環境省は、除染土を減容化したうえで最終処分することを検討している。選択肢案は①減容しない②土をふるい分けして濃度別に分ける③ふるい分けに加えて熱処理して粉状の灰にする④ふるい分けと熱処理に加えて灰を水で洗浄する――の計4案。処理をして容量を減らすほど放射性物質の濃度は高くなり、④の場合は最大で1キロ当たり数千万ベクレルに上ると見込まれる。
最終処分場の必要面積は①約30~50ヘクタール②約30~40ヘクタール③約20~30ヘクタール④約2~3ヘクタール――と試算されている。10万ベクレル超の場合は、厚さ35センチ以上のコンクリート構造の容器に入れた上で埋め立て処分する。
国は放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下の除染土は道路の盛り土などに再利用して、最終処分の対象を4分の1にまで減らすことを計画している。ただし、東京都新宿区や埼玉県所沢市では除染土の再利用の実証事業ですら住民の反発で頓挫している。
最終処分地の選定はさらに難航することが予想され、環境省の幹部の一人は「現時点で何年までに何を決定するといった具体的なスケジュールを示すことは難しい」と話す。【山口智】
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