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兵庫百条委 告発者の情報漏らした疑いで元総務部長の刑事告発検討

毎日新聞 / 2025年2月10日 21時3分

協議会の議論について報道陣の質問に答える奥谷謙一・兵庫県議会調査特別委員長=神戸市中央区の県庁で2025年2月10日午後2時23分、中尾卓英撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題を究明する県議会調査特別委員会(百条委)は10日、報告書の取りまとめに向け、事実認定や法的な評価をする協議会の初会合を開いた。告発者の私的情報を漏らしたとされる元総務部長を地方公務員法(守秘義務)違反などの疑いで刑事告発するよう複数会派から提案があり、今後検討する。

 百条委はこれまでに、告発文を作成した元県西播磨県民局長(2024年7月に死亡)の公用パソコンに保管されていたプライバシーに関する情報の入ったファイルを元総務部長から見せられたり、聞かされたりしたとする県議2人の聞き取り調査を実施した。調査結果によると、元総務部長は24年4月ごろ、県議会の会派控室などを訪れ、元局長の私的情報について県議にその存在を明かし、説明したとされる。

 調査に対し、ある県議は「(元局長が)信用できない人間だと印象づける目的だったと思う」などと証言した。元総務部長は百条委で、情報の持ち出しについて問われたが、証言を拒否。関係者によると、複数の会派から懲戒処分や告発など、厳正な対処を求める意見が出たという。この問題については、県側も弁護士による調査を進めている。

 一方、百条委の報告書取りまとめのための事実関係認定や法的な評価については、会派間で隔たりがあり、難航が予想される。

 焦点の一つのパワハラについて、告発文は斎藤氏が視察先で車止めがあったため、20メートルほど手前で降車して歩かされたことに立腹して出迎えた県幹部を叱責したと記述した。百条委では、この県幹部が、斎藤氏に厳しく叱責されたと証言。斎藤氏も「大声で注意した」こと自体は認めた。

 関係者によると、パワハラを「認定できる」とする会派と慎重な会派に二分されている。慎重派は「(県幹部が)パワハラを受けたとまでは認識していない」「議員に法的な評価は難しい」などとして、パワハラ認定には否定的という。

 また、告発文の存在を知った斎藤氏らが元局長を告発者と特定し停職3カ月の懲戒処分としたことについて、公益通報者保護法に反するかについても同様に会派間で意見が分かれているという。

 非公開で実施した協議会後、百条委の奥谷謙一委員長は報道陣に、これまでに出た意見を整理した「統合案」を作成し、次回以降の議論のたたき台とする考えを示した。奥谷氏は「できるだけ一致点を見いだして報告書にまとめたい」と語った。

 協議会は3月上旬に事実認定や法的評価を終了。百条委は報告書を取りまとめ、2月中旬から始まる県議会に報告する。

 告発文は、パワハラや企業からの贈答品の受け取りなど「七つの疑惑」について指摘。元局長が24年3月、県議や報道機関に送付した。【中尾卓英、山田麻未、栗田亨】

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