生前贈与とは?贈与税が非課税になる裏ワザやメリット・デメリット
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2021年10月15日 10時0分
生前贈与とは?贈与税が非課税になる裏ワザやメリット・デメリット
終活とは切っても切れない関係にある生前贈与。この言葉を聞いたことがあっても、詳しい意味を知らない人は多いものです。自分が生きた証として子どもや孫にできるだけたくさんのお金を遺すため、事前に知っておきたい生前贈与の方法や贈与税の特例制度について見ておきましょう。
生前贈与とは
生前贈与とは、亡くなる前から計画的に資産を子孫に分けていき、相続税の負担を減らすことをいいます。「大した資産がないから関係ない」と思っている人も多いのですが、一般的な会社員家庭にも関係がある話です。2014年までは「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」だった基礎控除額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に縮小されたため、相続税が必要になる世帯は増えています。
2014年は相続を受ける人の4.4%くらいしか税金は発生しなかったのに、2015年には8.0%まで増加しました。ちょうど2倍と考えると、かなり範囲が広がりました。法定相続人の人数によっては5,000万円くらいの遺産でも相続税が発生することがあり、子世代の負担になってしまいます。現金の相続資産がなかったら、自分の預貯金から税金をまかなわなくてはいけません。家族に不幸があって悲しいときにお金の心配もするのは大変ですから、生前贈与を含めた具体的な対策を考えておく必要があります。
相続と贈与の違いを確認
相続と贈与の大きな違いは、タイミングをコントロールできるかどうかというところ。相続は不幸ごとがあったときに発生します。「この日までしか生きられない」と予知することはできないので、タイミングが分かりません。一方で贈与の場合は、金額もタイミングも自由です。認知機能がしっかりとしているうちに生前贈与を進めることで、亡くなった後の「争続」を予防できます。
生前贈与を進めるうえでは、相続と贈与で税金のルールが異なることに注目しましょう。課税標準1,000万円に対する相続税の税率は10%なのに対して、贈与税では40%と高くなります。税率だけを見ると贈与税の方が不利にも思えますが、非課税にできる特例制度や基礎控除枠を活用することにより、負担を軽減可能です。
生前贈与にはいくつかのパターンがある
生前贈与の代表的な手法として、大きく3つのパターンがあります。遺産を渡す相手や金額に応じて、適したものを選択しましょう。
1. 毎年110万円の暦年贈与
贈与税の110万円控除枠を活用して、少しずつ贈与を行う方法です。贈与を受けた人を基準に110万円の基礎控除を計算するため、3人なら3人の法定相続人それぞれに110万円ずつ渡して、毎年330万円ずつ相続財産を圧縮することもできます。
2. 相続時精算課税制度
相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母もしくは祖父母から20歳以上の子もしくは孫に対する贈与について、累計2,500万円までなら贈与税非課税とする制度です。非課税といっても納税義務がなくなるわけではなく、相続が発生したときに受け取ったものとして、相続税の対象にできるだけ。まとまった資金を今すぐ贈与したい・相続が起こったときの総額は基礎控除の範囲に納まる見込みなので、贈与税は払いたくないといった人なら、利用する価値があります。
3. 贈与税特例制度の活用
子どもや孫、夫婦で贈与が行われた際に利用できる特例制度がいくつかあります。マイホーム取得、教育資金など大きなお金が必要になるタイミングに合わせた贈与を考えてみましょう。
●住宅取得資金贈与の特例
子どもや孫に対するマイホーム取得資金の贈与は、最大3,000万円まで贈与税非課税にできる特例です。住宅取得の時期や性能によって非課税限度額が変わってくるため、詳細を調べてから活用しましょう。
●教育資金贈与の特例
30歳未満の子どもや孫に対する教育資金の贈与は、1,500万円までが非課税です。2019年3月末までの時限措置なので、利用を検討している人はなるべく早めに手続きしましょう。使途は明確にチェックされるため、虚偽申告はできません。
●夫婦間贈与の特例
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産もしくは居住用不動産の取得資金の贈与があった場合、基礎控除110万円とは別枠で最高2,000万円までの配偶者控除が認められます。夫婦の場合は相続税の非課税枠も大きいため、無理に対策しなくても問題にはならないことがほとんどです。特例があることだけは知っておき、必要に応じて検討しましょう。
メリットばかりじゃない!生前贈与のデメリットと注意点
生前贈与のデメリットは、自分のために使えるお金が減ることで、不安を感じる人もいることです。生前贈与したことで介護費用が足りなくなると、トラブルに発展するリスクもあります。生前贈与を受けた子どもが率先して介護を引き受ければよいのですが、状況が許さないと面倒です。不平等が起きないように家族ともよく話し合い、円満に収まる分け方を考えましょう。
このテーマに関する気になるポイント!
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亡くなる前から計画的に資産を子孫に分けていき、相続税の負担を減らすことをいいます。 - 相続と贈与違いは?
相続は不幸ごとがあったときに発生し、贈与の場合は、金額もタイミングも自由です。 - 生前贈与の代表的な手法は?
●毎年110万円の暦年贈与
●相続時精算課税制度
●贈与税特例制度の活用 - 相続時精算課税制度とは?
60歳以上の父母もしくは祖父母から20歳以上の子もしくは孫に対する贈与について、累計2,500万円までなら贈与税非課税とする制度。
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