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『源氏物語』の紫式部が描かれた紙幣はいつ使われていた?その図柄の意味とは

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2019年7月4日 10時0分

『源氏物語』の紫式部が描かれた紙幣はいつ使われていた?その図柄の意味とは

『源氏物語』の紫式部が描かれた紙幣はいつ使われていた?その図柄の意味とは

現在も流通しているにもかかわらず、極端に流通枚数が少ない紙幣に「二千円札」があります。二千円札にデザインされた紫式部が生きた時代とはどのようなものだったのか、その著作と共にご紹介します。

紫式部という人物

紫式部という人物

紫式部は、平安時代中期の作家・歌人です。いつ生まれて亡くなったのかははっきりしていませんが、973年ころの生まれで、1014年ごろに亡くなったと言われています。

 

父親は式部大丞(役職)の藤原為信という人物で、このふたつを組み合わせて、「藤式部」と呼ばれていましたが、没後、「源氏物語」の登場人物「紫の上」の「紫」を取って「紫式部」と呼ばれるようになったと言われています。本名については、残念ながら現在に伝わってはいません。

 

幼いころから賢く、男兄弟よりも漢籍の覚えがよかったことから、「男であったら」と父親が嘆いたというエピソードが残っています。夫と死別した後に源氏物語の執筆を始め、執筆中に、一条天皇の中宮であった彰子(藤原道長の娘)に仕えることになりました。その後、一条天皇が没した後も彰子に仕え続けたと言われていますが、いつまで仕えていたのかは、はっきりしていません。

 

古い時代の人物で、しかも、政治家でもない女性のことですから、記録があまり残されていないようです。しかし、紫式部の過ごした日々については、書き残された書物からうかがい知ることができます。

紫式部の功績

紫式部の功績

紫式部が残した大きな偉業として、「源氏物語」の執筆が挙げられます。源氏物語は、平安時代の貴族で歌人でもあった藤原公任や、一条天皇にも読まれていたという記録があり、女性だけでなく男性にも認められる文学作品でした。

 

そもそも、彰子に仕えることになったのも、藤原道長が源氏物語の話を耳にし、博学な紫式部を彰子の女房にすることで一条天皇の気を引こうとしたからだ、とも言われています。

 

源氏物語は、その後も時代を超えて読み続けられ、日本文化に大きな影響を及ぼしました。さらに、20世紀には日本にとどまらず、世界各国でも読まれるようになります。1966年には、ユネスコの「偉人と重要な出来事の年祭」に紫式部が加えられています。

 

源氏物語は現存する日本で一番古い絵巻物です。今は、愛知県の徳川美術館と東京の五島美術館で保管されています。通常展示はされていませんが、特別展などが開催されるタイミングで目にすることができます。

 

また、紫式部は、「紫式部日記絵巻」と呼ばれる日記も残しています。ここには、源氏物語が当時どのように受け止められていたのかをうかがい知る記述や、慣れない女房勤めに困惑する紫式部の様子などが描かれています。

 

また、彰子の二度の出産や祝賀の様子などについての記述もあり、当時の宮中の様子を知ることができる貴重な資料です。紫式部日記絵巻は、東京の五島美術館や大阪の藤田美術館、東京国立博物館、個人コレクターがそれぞれ保有しています。

 

美術館や博物館にある絵巻については、観覧のチャンスがありますから、機会を見つけてぜひ一度実物を見てみてください。

紙幣の図柄の意味とは

紙幣の図柄の意味とは

通常、紙幣の表側には偉人の肖像画が描かれていますが、二千円札の場合は、表側に沖縄の守礼門がデザインされています。これは、二千円札が発行された2000年が、九州・沖縄サミットの年だったためです。

 

紫式部の姿は裏側に描かれていますが、正確には「紫式部の肖像画」ではなく、「源氏物語」と共に、「紫式部日記絵巻」の紫式部の絵がデザインされています。紫式部が採用された理由として、財務省は「源氏物語が、今からおよそ千年前の平安時代中期、紫式部により書かれた、我が国が世界に誇るべき文学作品であることから、採用したものです。なお、『鈴虫』の詞書については、絵の場面とは異なりますが、『鈴虫』の冒頭にあたり、『すずむし』の文字が見られ、また、文字の美しさという点で評価が高いことなどから採用したものです」としています。

どの時期の紙幣だった?

紫式部がデザインされた二千円札は、2000年に発行されたものです。現在も流通はストップしておらず、2024年の紙幣デザイン変更時も、そのままデザインが継続されることが決まっています。

 

とはいえ、普段、二千円札を目にすることはほとんどないという方も多いのではないでしょうか。二千円札は流通枚数が極端に少なく、紙幣デザインの変更にあたっても、その流通枚数の少なさから「偽造のリスクが低い」という理由で現状が維持されることになっています。

現在の価値

二千円札は、枚数こそ少ないものの現在でも流通している紙幣であるため、券面以上の価値はありません。ぞろ目やキリ番、印刷ミスなど、特別なケースを除き、高価買取を期待することはできないでしょう。

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