コロナショックのいま、つみたてNISA(積立NISA)をはじめるべき理由
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2020年12月23日 10時0分
コロナショックのいま、つみたてNISA(積立NISA)をはじめるべき理由
節約と貯金だけでは将来が心配」という多くの方の相談にこたえてきたファイナンシャルプランナーの横山光昭氏。2016年に『はじめての人のための3000円投資生活』。2019年に『貯金感覚でできる3000円投資生活DELUXE』(いずれもアスコム刊)を刊行し、これらの本の中で、貯金と並行して少額投資を行い、時間をかけて資産を増やしていくことの大切さを紹介しています。そんな横山氏が教えてくれる、つみたてNISAをはじめるべき理由をご紹介します。
「節約と貯金だけでは将来が心配」という多くの方の相談にこたえてきたファイナンシャルプランナーの横山光昭氏。2016年に『はじめての人のための3000円投資生活』。2019年に『貯金感覚でできる3000円投資生活DELUXE』(いずれもアスコム刊)を刊行し、これらの本の中で、貯金と並行して少額投資を行い、時間をかけて資産を増やしていくことの大切さを紹介しています。 そんな横山氏が教えてくれる、つみたてNISAをはじめるべき理由をご紹介します。
不況や将来にそなえて、つみたてNISAによる資産形成を
はじめまして。家計再生コンサルタントの横山光昭です。
私は今まで、ファイナンシャルプランナーとして幅広い職種、年代の方から
●節約しているのに、なかなかお金がたまらない
●家計簿をつけていても、なかなか赤字が減らない
●教育資金が足りない
●老後資金がつくれない
といった相談やお悩みを聞き、家計をしっかり管理、貯金ができる体質に生まれ変わるためのお手伝いをしてきました。
ところで今年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により収入が減った人、将来に不安を抱くようになった人は少なくありません。
残念ながら、大型の不況は定期的に起こります。
どんな不況がきても、勤めている会社に万が一のことが起こっても、乗りきれるだけの貯金があるという人はそうはいないでしょう。
また、2019年6月「老後資金は公的年金のほかに、一人あたり平均2,000万円が必要だ」とする、金融庁の「市場ワーキング・グループ」の報告書が話題となりましたが「いざというときや将来に備えて資産を増やす」といってもどこから手を付ければいいかわからない、という人もいらっしゃるのではないかと思います。
会社員の方なら、貯金のほかに財形貯蓄や確定拠出年金などですでに資産を作っているかもしれませんが「それ以外の投資を試してみたい」という方やフリーランスの方におすすめしたいのが、つみたてNISAによる資産形成です。
ちなみにフリーランスの方の資産形成の手段としては、ほかに個人型確定拠出年金(iDeCo)があります。
iDeCoは、自分が拠出した掛金を自分で運用し資産を形成する年金制度で、節税メリットが大きいのが特徴ですが、60歳になるまでお金を引き出せないという縛りがあり、老後の資金の準備には適しているものの「いざというとき」にお金を使うことができません。
ですから私としては、まずつみたてNISAによる資産形成をスタートさせ、さらに余裕がある場合のみiDeCoを利用することをおすすめします。
つみたてNISAなら、安全に効率的に資産が形成できる
さて「なぜつみたてNISAによる資産形成が良いのか」をお話しする前に、つみたてNISAとはどのような制度であり、どのようなメリットがあるのかを簡単に説明しておきましょう。
つみたてNISAは「国民が投資によって自分自身で老後の資金を準備できるようにする」ことを目的として国が作った制度です。
一定の条件を満たしていて、安全性が高いと金融庁が認めた投資信託の積立購入しかできないため、選べる投資信託の数が絞られていること、購入のタイミングを考えなくていいことは初心者にとっては一つのメリットであり、比較的安心して投資をはじめることができます。
また、つみたてNISAの口座を作り投資信託を毎月の積立で買った場合、それによって得られた利益には20年間税金がかかりませんし、つみたてNISAで買える投資信託の中には、年率平均リターンが3~6%のものもあります。
超低金利時代の今、金融機関に預金をしても金利は0.002%~0.2%程度で、さらに税金も引かれますから、つみたてNISAのほうがはるかに効率よくお金を増やすことができるわけです。
それでは、つみたてNISAで投資信託を運用すれば、具体的にどれほどの利益が得られるのでしょう。
つみたてNISAではさまざまな投資信託を運用できますが、広く世界中の株式に分散投資でき、損をするリスクを低く抑えられるということから「全世界株式型のインデックスファンド」がおすすめです。
その中で、今回はつみたてNISAがどの程度資産形成に役立つかを示すため、運用コストが圧倒的に安い「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」(以下、「楽天VT」)という商品を例に挙げて説明しましょう。
たとえば、都市銀行に年40万円ずつ20年間預金し続けたとしても、現在の定期預金の金利は0.002%ですから、得られる利息は1,000円程度です。
ネット銀行の定期預金の中には、金利0.2%程度のところもありますが、それでも20年後に得られる利息は16万円ほどで、さらに税金が引かれます。
ところが、つみたてNISAで楽天VTを年40万円ずつ20年間運用した場合、最終的には740万円もの収益が得られ、しかも税金がかかりません。
積み立てた元本800万円と合わせれば、計算上は20年間で1,500万円を超える資産を作ることができるわけです。
なお、楽天VTは「世界最強の運用会社」ともいわれるアメリカのバンガード社の「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(以下「VT」)に投資している商品です。
信託報酬などは、若干VTよりも高くなっていますが、運用成績は、VTとほぼ同じです。
楽天VT自体は2017年にできたばかりの投資信託であり、長期運用した場合のリターンは出ていないのですが、2020年5月末時点のVTの過去10年のリターン(年率)は8.74%です。
そのため、ここではそれよりも若干低い、年率平均リターン6%で計算しています。
つみたてNISAで投資信託を運用するメリットは、ほかにもあります。
今後インフレが進んだ場合、現金や預金の資産価値は目減りする一方です。
でも投資信託なら、さまざまな国、さまざまな企業に投資しリスクを分散させることができるためインフレ対策にもなりますし、つみたてNISAなら、どうしてもまとまった現金が必要になった場合は、それまでに積み立てた投資信託を解約し、現金化することもできます。
このように、メリットの大きいつみたてNISAですが、残念ながら利用者の数はさほど多くありません。
おそらく、「投資は難しそう」「投資は損をしそうで怖い」「いざというときのために、現金を手元に置いておきたい」と思っている人が、まだまだ多いためでしょう。
しかし、そうした理由でつみたてNISAを利用しないのは、非常にもったいないことです。
たしかに、最初の手続きは少々面倒に感じられるかもしれませんが、一度口座を開設し積立購入の設定をしておけば、あとは基本的にほったらかしておいて大丈夫です。先述の通り、つみたてNISAで買える商品は基本的に安全性が高いからです。
今、つみたてNISAをはじめるべき理由
まだつみたてNISAを利用していないという人には、できるだけ早くはじめられることを強くおすすめします。
つみたてNISAのように「優れた金融商品を運用し、じっくりとお金を育てていく」タイプの投資は、運用する時間が長くなれば、それだけ投資によって得られる利益が「複利効果」で大きくなるからです。
複利とは、投資によって得た利益を再投資し(元本に組み入れ)、元本を少しずつ大きくすることで得られるより大きな利益のことであり、時間が経てば経つほどお金は加速度的に増えていきます。
先ほどの例でいくと、楽天VTを年40万円ずつ積立購入した場合、10年目の時点では元本は400万円、運用収益は150万円で、資産の合計は550万円です。
ところが20年目では元本が800万円、運用収益が740万円、資産の合計は1,540万円ですから、後半10年の増え方がいかに大きいかがおわかりいただけると思います。
なお、みなさんの中にはコロナ禍で一時的な株価の暴落を目の当たりにして「やはり投資は怖い」と感じた人がいるかもしれません。
しかし歴史を振り返れば、どんな大恐慌や株価の大暴落が起こっても、数年経てば必ず市場は回復し、暴落時の影響を吸収したうえで右肩上がりの成長をしています。
実際、コロナ禍によって一度暴落した株価や投資信託の価格(基準価額)も、経済活動の再開に伴いすでに上昇をはじめています。
また、基準価額が下がっている時期に買った投資信託は、当然のことながら基準価額が高い時期に購入した投資信託より利益の伸び幅が大きくなるため、将来より多くの利益が期待できます。
つみたてNISAでは、毎月決まった日に決まった額で買える分だけの投資信託が自動的に購入されますが、投資信託の価格(基準価額)は日々変動しているため、株価が下がり基準価額が下がれば、それだけ多くの投資信託を買うことができます。
たとえば、ふだん1口1万円程度の投資信託の基準価額が、何らかの理由で1口7,500円にまで下がったとすると、ふだん3万円で3口しか買えなかった投資信託を、3万円で4口買えることになるのです。
実際、2020年4月23日付の日本経済新聞の記事によると、2020年3月末時点のネット証券4社(SBI証券・楽天証券・マネックス証券・auカブコム証券)のつみたてNISA口座数は約87万口座であり、1年前の約43万口座から倍増したそうです。
特につみたてNISAの口座開設申し込みが急増したのは、コロナウイルスのことが話題になりはじめた1月以降であり「今が、投資信託を安く(多く)買えるチャンスだ」と判断してつみたてNISAをはじめた人が多くいたわけです。
いずれにせよ、つみたてNISAなら時間をかけてこまめに投資信託を購入することで、取得価格を平均化することができます。
ですから「今は株価が上がっているから」「今は株価が下がっているから」などと考えず、一日も早くつみたてNISAの利用をスタートし、時間を味方につけてどんどん資産を増やしていきましょう。
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