新札(新紙幣)はいつから?選ばれた人物とデザイン変更される理由を解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2022年9月13日 16時0分
新札(新紙幣)はいつから?選ばれた人物とデザイン変更される理由を解説
2024年7月3日より新紙幣が発行されることが決定しました。ここでは、紙幣が変更になる理由や、新札(新紙幣)にデザインされているのはどんな人物なのかを解説していきます。また、これまで日本銀行が発行してきた過去の紙幣についても紹介します。
新札(新紙幣)の発行はいつから?
2019年4月9日、政府は2024年度の上半期をめどに、千円札、5千円札、1万円札の新札(新紙幣)を発行することを発表しました。デザインを刷新し、お札の表面に描かれる人物も変更になります。のちに2024年7月3日から改刷される予定と発表されました。
今回の新札(新紙幣)発行の発表は、2019年4月1日に「令和」の新元号が発表された直後のことでした。新元号の発表と続けざまに新札(新紙幣)も発表することで、祝賀ムードを盛り上げ、あわせて政権支持を高める政治的側面もあったのではないかといわれています。
なぜ紙幣のデザインは変更されるのか?
今回の新札(新紙幣)は2024年7月3日より発行予定で、前回の変更は2004年、前々回の変更は1984年でした。なぜ20年ごとに紙幣のデザイン変更を行っているのでしょうか?
紙幣のデザイン変更は偽造防止が目的
財務省は、偽造防止対策の強化、つまり偽札作りを防ぐのが定期的にデザインを変える目的だと説明しています。今回発行される新札(新紙幣)には、最新の技術を利用した次のような偽造防止対策がとられるようです。
- 角度を変えると、お札に描かれた人物の肖像の3D画像が回転しているように見えるホログラム
- より高精細な模様によるすき入れ(すかし)
- 「記番号」の現行の最大9桁から10桁への変更
ホログラム技術については、財務省によればこの技術の銀行券への採用は世界初とのことです。また、券種間の識別性向上などのためのユニバーサルデザインにも次の工夫が加えられています。
- 指の感触により識別できるマークの形状変更及び券種毎の配置変更
- 額面数字の大型化(表・裏)
- 「ホログラム」及び「すき入れ」位置を券種毎に変更
新しい日本銀行券及び五百円貨幣を発行します : 財務省
2021年発行の新500円玉とは
なお、新紙幣の発行に先駆け、2021年には500円玉も新たなデザインに変更されています。新500円玉への偽造防止には「バイカラー・クラッド(二色三層構造)」と呼ばれる、異なる種類の金属を組み合わせる技術が用いられています。また、貨幣の縁には、こちらも通常貨幣(大量生産型貨幣)への採用は世界初の「異形斜めギザ」が導入されました。
新札(新紙幣)導入でキャッシュレス決済はどうなる?
日本でもキャッシュレス決済の普及が進んでいますが、世界から見るといまだ現金主義といわれています。一般社団法人キャッシュレス推進協議会の発表した「キャッシュレス・ロードマップ2023」によれば、2021年の韓国でのキャッシュレス決済率は95.3%に対し、日本は32.5%と3分の1程度の数字に留まっています。今後も現金が決算手段として使われ続けることが想定されるとともに、政府はこれからも現金を安全に使える決済方法として使えるようにと考えているようです。
これまで紙幣に採用されてきた人(もの)とは
これまでの紙幣には、どのような人(もの)たちが印刷されていたのでしょうか。
新札(新紙幣)について見ていく前に、過去に発行され2024年3月現在も使える21種類の紙幣について1度おさらいしておきましょう。
なお、紙幣の印刷をしている国立印刷局では紙幣を発行順に「ABCDE」の記号で区別しています。2024年3月時点で印刷されている紙幣は戦後5番目の発行なので「E券」と呼ばれてます。よって、これにならうと2024年7月に発行される新札(新紙幣)は「F券」と呼ばれることになりそうです。
歴代の一万円券(一万円札)
日本で初めて一万円札が発行されたのは昭和32年のC券からで、これまでで3種類のものしか発行されていません。まだ使われ始めてから70年未満の、紙幣の中では歴史が浅いほうの券種といえます。
歴代の五千円券(五千円札)
五千円札も一万円札同様、昭和32年のC券からの発行です。したがってまだ3種類までのものしか発行されていません。なお、E券の樋口一葉は日本初の女性職業作家であるとともに、日本銀行券の表面に初めて肖像画が採用された女性でもあります。
歴代の千円券(千円札)
千円札は2024年3月時点で戦後の日本で最も種類の多い紙幣となっています。現在刷られている中では一番小額の紙幣ということもあり、日常でも馴染みの深いものといえるでしょう。
歴代の五百円券(五百円札)
B券・C券では五百円札も発行されていました。なお、紙幣は券種によってサイズが若干異なっていますが、五百円札はB券が縦76mm横156mm、C券が縦72mm横159mmと、ほぼ現在流通している紙幣と同じサイズです。
歴代の百円券(百円札)
A券・B券には百円札も存在し、A券の時代は一番金額の大きな紙幣でもありました。
そのほかの歴代お札
戦後の紙幣でそれぞれ1度だけ発行された金額のものをまとめました。A券にはなんと一円券(一円札)もあり、発行当時と現在の貨幣価値の差が感じられます。
また、平成12年(西暦2000年)には二千円券(二千円札)も発行されています。二千円札は九州・沖縄サミットの記念紙幣ではなく日常で使える恒久紙幣です。全国での流通量は2005年以降下がっていますが、沖縄県内での流通量は右肩上がりとなっています。
戦前発行で現在も使えるお札
第二次世界大戦前のお札になりますが、上記3種類も今日でも使えるお札です。現物を見たことがない、という人も多いのではないでしょうか。これらはかなりのレアな紙幣といえるでしょう。
新札(新紙幣)に選ばれたのはどのような人?
2024年7月から発行される新デザインの紙幣には、従来の紙幣とは異なる3人の人物の肖像画が描かれます。「新札(新紙幣)が発表されて初めて名前を聞いた」という方もいるのではないでしょうか。新札(新紙幣)に印刷される人物と、これらの人物がどのような功績をあげた人物なのか解説します。
2024年7月発行紙幣と印刷される人物
新一万円札:渋沢栄一(しぶさわ えいいち)
新一万円札の肖像画に描かれる渋沢栄一は、「日本の資本主義の父」「日本経済の父」などと呼ばれる人物です。幕末に一橋慶喜(後の15代将軍となる徳川慶喜)に仕え、明治維新後は政府で働きました。その後、日本で最初の銀行である第一国立銀行(現みずほ銀行)を設立し、実業界に身を置きます。第一国立銀行のほか、東京証券取引所、東京ガスやキリンビールなど、設立に関わった企業は500以上といわれています。
新五千円札:津田梅子(つだ うめこ)
新五千円札の肖像画に描かれる津田梅子は、政府が欧米に派遣した「岩倉使節団」に加わった最初の女子留学生の1人です。1900年に、私立の女子高等教育機関としては日本で初めての「女子英学塾(現津田塾大学)」を設立しました。女性の地位向上や女性の個性を尊重した教育に努めました。
新千円札:北里柴三郎(きたざと しばさぶろう)
新千円札の肖像画に描かれる北里柴三郎は、感染症医学の発展に貢献し「近代日本医学の父」とも呼ばれる人物です。ドイツに留学して細菌学者のコッホに師事し、世界で始めて破傷風菌の培養に成功、治療法を開発しました。帰国後も伝染病予防や細菌学の研究に取り組み、1894年にはペストの原因調査のため香港に赴き病原菌であるペスト菌を発見しています。北里大学の前身となる「北里研究所」を設立したほか、慶応大学医学部の創設にも尽力しました。
まとめ
新札(新紙幣)は国立印刷局が印刷して、日本銀行に運び、全国の日本銀行の支店を通じて各銀行の支店やATMなどに補充されます。いち早く新札(新紙幣)を手に入れたいという方は新札(新紙幣)の発行日以降に意識的にATMでお札を引き出すようにすれば、早い段階で新札(新紙幣)と出会えるかもしれません。
楽天銀行は、近くの提携コンビニATMで入出金が可能です。ハッピープログラムにエントリーすればランクに応じてATM手数料が無料になる優待も受けられるので、新札(新紙幣)の入手にも役立つかもしれません。口座開設も無料なので、ぜひチェックしてみてください。
※この記事は2024年4月時点の情報をもとに作成しております。
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