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氷河期世代の復讐|深刻化する引きこもりや少子化問題を考える

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2022年3月24日 10時0分

氷河期世代の復讐|深刻化する引きこもりや少子化問題を考える

氷河期世代の復讐|深刻化する引きこもりや少子化問題を考える

ここ最近、40代を中心とした就職氷河期世代に注目が集まってきています。これまで表に出てきませんでしたが、氷河期世代を不遇に扱ってきたことで社会全体が大きなツケを払わなければいけない時期が来ているのです。氷河期世代の影響とはどのようなものでしょうか?その概要と社会に与える影響について解説しています。

氷河期世代の復讐|深刻化する引きこもりや少子化問題を考える

氷河期世代とは

氷河期世代とは

就職氷河期世代とはバブル崩壊後に就職活動を迎えた世代を指す言葉です。概ね昭和45年から57年に生まれた、2020年現在では30代後半から50歳前後がこれに該当します。バブルが崩壊して景気が悪化する中、大手企業の採用人数の縮小や見送りが相次ぎ、就職先が見つからずにフリーターや派遣労働という非正規雇用の道を選ぶ人が増加したのがこの世代です。

就職氷河期世代が体験した地獄

エンジャパンが実施した35歳以上のユーザーを対象にした調査では、約7割の人が就職活動に苦戦をしたと回答しています。

 

就職内定した後に金融機関が破綻し、就職浪人となった人もいました。学生は卒業したら就職しなければという強迫観念が今よりも強い時代でした。希望の業種・職種ではなくても、就職しないという選択肢がないため就職するしかなかったケースも多かったと言えます。

 

同じアンケートで、最初の仕事を退職した時期を調査しています。非就職氷河期世代では「10年以上経過後に退職」という回答が約3割で最も多かったのに対し、就職氷河期世代は「3年未満に退職」と答えた人が約3割と最も多くなりました。

 

とにかく就職しなければならないという思いで入社したものの、職場に希望を見いだせず退職した人が多かったものと考えられます。一度退職してしまうと、新しい就職先が見つかるはずもなく、そこから非正規雇用者の道を選んだ人も少なくないでしょう。

今もなお貧困に苦しむ現状

フリーターや派遣労働といった非正規雇用の問題点は低賃金です。国税庁の「平成30年度民間給与実態統計調査」によると、非正規と正社員の平均給与差は325万円となっています。

 

低賃金ため、日々の生活を送ることで精一杯となり、結婚できない、交際費がなく出会いがない、将来の貯金もできない状態に陥ります。そこから抜け出すべく何か資格取得や事業を始めようにも、立ちはだかるのが経済的困難。このような低賃金からスタートする負のループから抜け出すことができずに、今も苦しんでいる氷河期世代は多く存在します。

氷河期世代を苦しませている要因とは

氷河期世代を苦しませている要因とは

なぜ氷河期世代は、低賃金に追い込まれてしまったのでしょうか?考えられる理由について以下、解説していきます。

 

・日本企業の採用方針
各企業が新年度の4月入社に向けて、一斉に採用に動き出す事を新卒一括採用と言いますが、これは日本独特の慣習です。日本の企業はこの時期を逃すと、中途で入社することが難しく、この新卒一括採用の時期に就職できなかった人は、正社員への道が閉ざされていくことになります。

 

・非正規社員雇用の規制緩和
2004年に小泉内閣が製造業への派遣を解禁したことで、多くの日本企業はコストがかかる正社員を減少させ、低賃金で雇用ができる人材派遣へ切り替えていきました。非正規雇用という雇用が一気に広まりました。

 

・企業本位の労働環境
非正規雇用は低賃金で雇用することができるため、正社員よりも非正規雇用を大量に採用すれば、企業全体としては利益が増えます。しかし、その根底を支えている非正規雇用の収入が増えることはあまりありません。

 

・起業や独立が難しい社会
新卒一括採用時期に就職ができなくても、起業や独立という方法があるはずと考えるかもしれません。しかし、独立起業には資金が必要になります。日本の融資制度はいまだに銀行の融資が基本で、それにはある程度の信用が必要です。銀行が起業したばかりの人に融資をしてくれることはまずないでしょう。

 

今でこそクラウドファンディングという、インターネット経由で不特定多数からお金を集める方法が広まりつつありますが、当時はそのような選択肢もありませんでした。

氷河期世代の静かな復讐が進んでいる

氷河期世代の静かな復讐が進んでいる

氷河期世代が最近注目されるようになってきたのは、今まで見過ごされてきたその存在が社会に影響を及ぼし始めているからです。ある意味、社会全体が見過ごしてきたがゆえに、氷河期世代の静かな復讐を受けていると言えるでしょう。その影響とはどういうものでしょうか?

 

・中高年の引きこもりが増加
平成30年度の内閣府の調査によると、まったく部屋から出られない人と、趣味のときだけ外出できる人をあわせた広義の引きこもり者の推計は61.3万人となっています。

 

 初めて引きこもりになった年齢を見ると、40歳~44歳の33.3%が「20歳~24歳のとき」と答えており、就職活動時期がきっかけで引きこもりになったことが察せられます。

ひきこもり

 

・出生数は90万人割れで少子化が深刻
令和元年調査の厚生労働省の人口動態統計によると、日本の出生数は年間86万人となり前年よりも約5万人減少し、ついに90万人割れとなりました。非正規雇用の増加により、子供を持てるほどの経済的余裕がない人が増えたためと指摘されています。

 

・企業内での優良人材の不足
企業で40代と言えば、多くの仕事がこなせるようになり、役職もつき、企業の役員も狙える人も出てくる年代です。

 

しかし、その年代は氷河期に直面しているため、最も脂がのって会社で活躍しているであろう40代の社員がいないという問題の多くの企業が直面しています。氷河期世代の採用を見送ってきたツケが回ってきていると言えるでしょう。

 

・ミニマリストの増加
低賃金でやりたいことができず、その中で生活をやりくりしていく必要があるため、いつしか氷河期世代は「持たない」生活を選択するようになりました。

 

洋服は必要以上に買わない、食べ物はよけいに買わず、そのため冷蔵庫もない、スマホで動画が視聴できるのでテレビもなく、マイペースで生きていきたいのでパートナーも不要。このように必要最小限で生きる「お金を落としてくれない世代」となってしまったのです。

厚労省の支援プログラムは氷河期世代を救えるか

厚生労働省は引きこもり支援事業として、都道府県や指定都市に「ひきこもり地域支援センター」を設置し、引きこもり本人や家族の相談支援や地域の連携を務めているほか、引きこもり支援者の育成などサポート体制を徐々に整えています。今後の活動に期待したいものです。

 

氷河期世代を放置したツケとも言える少子化の進行は、国の年金制度を支える働き手の減少という問題を引き起こします。投資などの自助努力でお金を合理的に生かして老後資金を準備することが、ますます重要になってくるでしょう。

 

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このテーマに関する気になるポイント!

  1. 就職氷河期世代とは
    バブル崩壊後に就職活動を迎えた世代を指す言葉です。

  2. 就職氷河期世代が体験した地獄
    就職内定した後に金融機関が破綻し、就職浪人となった人もいました。

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