ふるさと納税の限度額とは。年末に駆け込みで利用する場合に気を付けたいポイント
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2020年12月17日 10時0分
ふるさと納税の限度額とは。年末に駆け込みで利用するときに気を付けたいポイント
ふるさと納税には年収や家族構成に応じて、自己負担額が2,000円で済む範囲には限度額があります。限度額は12月末でリセットされるので、年内に使い切りたいと考えている人も多いでしょう。ここでは、そんな年末の駆け込み寄附において注意したい点をまとめました。
ふるさと納税の限度額とは
ふるさと納税において、自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税(復興特別所得税を含む)及び個人住民税から控除されるふるさと納税の額には、給与収入や家族構成によって年間上限があります。これは控除上限額であり、ふるさと納税の限度額とも呼ばれています。
控除上限額を超えた金額については、全額控除の対象とならないため注意が必要です。
ふるさと納税の限度額と控除の関係
ふるさと納税に限度額があるのは、ふるさと納税での控除額に上限があるからです。ふるさと納税とは、通常払っている税額の一部を、ほかの自治体に「寄附」の形で納めることで返礼品がもらえる制度なので、税金が多い人ほどふるさと納税の控除上限額も大きくなります。
ふるさと納税の控除は3種類あります。
所得税からの控除
(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率
控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額の40%が上限です。
住民税からの控除(基本分)
(ふるさと納税額-2,000円)×10%
控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額の30%が上限です。
住民税からの控除(特例分)
(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-所得税率-10%)
上記(特例分)で計算した額が住民税所得割額の2割を超える場合は、以下の計算も必要となります。
住民税からの控除(特例分)
(住民税所得割額)×20%
これらの条件をもとに自動で控除上限額を計算してくれるのが、ふるさと納税サイトのシミュレーターです。年収や家族構成を入力することで、控除上限額の目安がわかります。
ただし、シミュレーターには簡易版と詳細版があり、使うサイトによって異なる上限額が表示されることもあるので注意しましょう。実際に控除上限額を計算する際には、なるべく詳細な情報を入力するシミュレーターを使うことをおすすめします。
ふるさと納税の限度額とほかの制度との関係
ふるさと納税は、ほかの制度と併用できますが、いくつか注意点があります。
iDeCo
iDeCoでは、原則毎月の掛金が全額所得控除になり、その年の所得税と翌年の住民税を軽減することが可能ですが、その分ふるさと納税の控除上限額も減ります。
例えば年収500万円で所得税+住民税が20%の共働きの人が、年15万円の拠出をしたとします。
年収から所得税+住民税を単純に計算すると500万円×20%=100万円ですが、iDeCo拠出分の15万円は控除対象であるため、課税対象の年収は500万円―15万円=485万円となります。この場合、所得税+住民税の金額は485万円×20%=97万円となり、iDeCoで3万円節税されたことになります。
iDeCoによって課税所得が減るとふるさと納税の控除上限額も数千円程度減りますが、iDeCoによる軽減効果の方が大きくなるため、結果的にiDeCoとの併用が好ましいという考え方もできます。
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医療費控除
医療費控除とは、医療費合計の10万円を超える部分、または所得総額の5%が所得控除になる制度です。こちらも、ふるさと納税の寄控除上限額が若干減りますが、控除の効果のほうが大きいといえます。
医療費控除を利用する場合は、確定申告が必須です。確定申告を行うとふるさと納税のワンストップ特例制度を申請していても無効になるので、すでにワンストップ特例制度の書類を出している場合も、医療費控除とふるさと納税の分をあわせて確定申告をしましょう。
住宅ローン控除
住宅ローン控除は、住宅を取得してから10年、および条件が当てはまる場合のみ13年のあいだ、住宅ローン残高の0.7%の所得税が軽減される制度です。この際、所得税から引ききれない分は住民税から引かれます。
税額に対して住宅ローン残高が大きい人は、ふるさと納税との併用で税額が引ききれなくなる可能性があります。また、住宅ローン減税の1年目は確定申告が必須のため、ワンストップ特例制度が使えない点も注意が必要です。
12月に駆け込み寄附をする際の注意点
ふるさと納税は1年中できますが、12月になると駆け込みでの寄附が増えます。限度額が1月1日~12月31日の寄附に適用されるため、年内に使い切らないと翌年に繰り越せないためです。12月の給与を受け取った後、自分の正確な控除上限額を計算してから寄附したいという人も多いでしょう。
12月下旬でもふるさと納税は間に合いますが、注意したい点がいくつかあります。
支払方法によって受領日が違う
ふるさと納税の受領日は、納付する際の支払い方法によって異なります。
例えば、カード払いの場合は決済が完了した日が受領日となりますが、銀行振込では、指定口座に振り込んだ日が受領日となります。それぞれ入金手続きに時間がかかる可能性もあるため、余裕をもって振り込みを済ませておくほうが良いでしょう。
自治体によって締切が違う
ふるさと納税の締切は自治体によって異なります。12月28日が官公庁の仕事納めですが、ふるさと納税サイトなら12月31日まで受け付けているという自治体もあります。また、同じ12月31日が締切であったとしても、23時59分よりも早い時間に締め切るケースもあるので注意しましょう。
サイトがつながりにくくなる危険性
ふるさと納税では、12月31日までに入金を済ませたものが年内の寄附として取り扱われます。ギリギリになると、駆け込み申請の混雑などで回線がつながりにくくなるなどして、決済が遅れてしまうかもしれません。時間に余裕を持って申し込みましょう。
人気の返礼品が品切れになる
返礼品は数に限りがあるので、年末になると品切れになることがあります。狙っている返礼品がある人は、早めに申し込んでおくと良いでしょう。
楽天ふるさと納税の特徴
普段から楽天のサービスを利用している人におすすめしたいのが、楽天ふるさと納税です。楽天ふるさと納税には、控除金額シミュレーターという控除上限額をシミュレーションする機能があり、かんたんシミュレーターと詳細版シミュレーターの2種類から好きなほうを選ぶことができます。
ポイントでも寄附できる
楽天ふるさと納税最大の魅力が、楽天ポイントでも寄附できるところです。なお、ポイントで寄附した分も控除の対象になります。
ショップ買いまわりの対象になる
楽天ふるさと納税は、お買い物マラソンや楽天スーパーSALEの対象です。ふるさと納税をした自治体も1ショップとしてカウントされます。
ふるさと納税とiDeCoを併用
ふるさと納税は、寄附をしながら返礼品がもらえる嬉しい制度です。控除上限額の範囲内で寄附先を選ぶのも楽しみのひとつ。ただし、締切には余裕を持って申し込みましょう。
さらなる節税を求める人におすすめなのが、楽天証券などの証券会社でも始めることができるiDeCoです。前述のように、ふるさと納税の控除上限額は少し減ってしまいますが、それを上回る節税効果が見込まれる可能性もあります。少しでも税金の負担を減らしたい方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
※この記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しております。
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