ダウ(NYダウ)とは。ニュースでよく聞く「NYダウ」の意味と知っておきたい米国経済の話
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2021年1月15日 10時0分
ダウ(NYダウ)とは。ニュースでよく聞く「NYダウ」の意味と知っておきたい米国経済の話
ダウとは、アメリカの代表的な株価指数のことです。アメリカの株式市場に上場している30種の銘柄で構成され、各銘柄の株価の平均に特殊な計算を加え算出されます。日本の株価にも大きな影響を与えるダウについて解説します。
経済の勉強をしていなくても「NYダウ」という言葉はニュースを見ていれば耳にします。今回は「NYダウ」を中心にダウの基礎知識、日経平均との違い、米国経済との関係など基本的な情報をわかりやすくお伝えいたします。
ダウ(NYダウ)とは
ダウとは、アメリカの代表的な株価指数のことで「ダウ工業株30種平均」や「ニューヨーク・ダウ」などと呼ばれることが多いです。
アメリカの経済情報新聞『ウォール・ストリート・ジャーナル』を発行しているダウ・ジョーンズ社がダウの算出・公表を始めたのは1896年のこと。すでに120年以上の歴史がある指数です。
ダウはアメリカの株式市場であるニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している企業から選出した30種の銘柄で構成され、各銘柄の株価の平均に特殊な計算を加えて算出されています。
ニューヨーク証券取引所とナスダックに上場している企業数の合計は、2020年5月時点で6,000超です。ダウを構成するのはその中でも、企業の評判、成長性、投資家の関心などが高い、厳選された30銘柄。コカ・コーラ、ウォルトディズニー、IBMなど世界中で知られている大企業ばかりで、ダウの値動きはアメリカのみならず、世界の経済を反映しているともいえるでしょう。
ダウと日経平均の算出方法の違い
日本にもダウのような株価指数がいくつかあります。そのうち最も代表的な指数が日経平均株価指数です。「日経平均」や「日経225」などと呼ばれる日経平均株価指数は、日本経済新聞社が東証1部上場企業の中から225銘柄を選び、その平均を算出したものです。
日経平均の銘柄の採用には基準が定められています。重視されるのは市場での流動性と業種のバランスです。
東証1部上場企業のうち、まずは売買代金基準をもとに流動性の高い450銘柄を選定し、上位75位までの銘柄を日経平均に採用します。
次に、残り150銘柄を「技術」「金融」「消費」「素材」「資本財・その他」「運輸・公共」の6業種に分け、バランスを考慮し採用します。その際も各業種の中で重視されるのが流動性です。
日経平均は毎年10月に見直しが行われ、必要であれば入れ替えられます。また構成銘柄の上場廃止や合併、統合、買収などがあればその都度臨時で見直されます。
ダウと米国経済の関係
既にお伝えした通り、ダウはアメリカを代表する株式指数です。アメリカの経済情勢が顕著に反映される指数ともいえるでしょう。ただ、ダウを構成する銘柄は、あくまでもアメリカ市場の中でも流動性が高く(売買高が大きい)、投資家から評判の良い大企業です。このことを考慮したうえで、ダウの値動きを観察してみましょう。
それではここから、実際にアメリカの経済情勢がダウの数値にどのような影響を与えたのかを、ダウの推移と共に見ていくことにします。
まず、ダウの算出・公表が始まった1896年、構成銘柄は12銘柄でした。指数は40.94ドルからスタートしています。
その後銘柄の追加が行われ、1928年に30銘柄となりました。ダウの呼称である「ダウ工業株30種平均」は当時の名残で、現在の構成銘柄は工業系に限らず、サービス業やITを始めとするハイテク業なども採用されています。
下表を見て分かる通り、算出開始以来指数は右肩上がりに上昇し、2020年の高値はついに3万ドルを突破しました。
ただし、これまで経済的な危機がなかったわけでなく、世界的に深刻な打撃を受けるような状況を幾度も経験しています。その中でも特に大きな出来事と、当時のダウの値動きを確認してみましょう。
・1929年~世界恐慌
大恐慌ともいわれるこの出来事は、1929年10月24日のニューヨーク証券取引所での株価暴落(ブラックサーズデー)を皮切りに、世界中に厳しい不景気が広まったことで知られています。この状況は1930年代の世界経済を後退させ、1940年ごろまで続いたといわれています。
当時のダウはというと、それまでは第一次世界大戦後の特需や新興産業の台頭により高値を更新し続けていましたが、世界恐慌を機に大きく値を下げました。世界恐慌前の高値が約381ドル、世界恐慌中につけた最安値が約41ドルなので、下落率90%ほどの大暴落でした。
・2008年 リーマンショック
2008年、米国投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことに端を発して、世界経済が大混乱に陥った出来事です。その影響は日本市場にも及び、受注のストップが相次ぎ倒産する会社が続出するなど大打撃となりました。当時の日経平均は1万4,489円から7,055円まで、約51%下落しました。このことからも、アメリカ経済が日本に与える影響が大きいことを確認できます。
当のアメリカ経済を反映するダウは、リーマンショック前の2007年につけた高値約1万4,164ドルから7,600ドルほど下げ、安値約6,547ドルにまで達しました。下落率は約54%です。
・2020年 コロナショック
そして現在もその影響が続く、2020年のコロナショックです。世界各国で新型コロナウイルスの感染拡大防止策として外出を禁止する「ロックダウン」が行われたことで、経済が一時停止する事態となりました。
ダウもその影響を大きく受けています。コロナショック前の2019年12月につけた高値である約2万8,701ドルから1万500ドルほど下げ、2020年3月の安値は1万8,213ドルになりました。下落率は約36%です。
こういった出来事からもわかるように、アメリカ経済で大きな出来事があるたびにダウが反応しています。
今回は特に大暴落の局面をご紹介しましたが、その後の推移を見ても分かる通り、ダウは危機を乗り越えて回復し、長い目で見れば右肩上がりで上昇し続けているといえます。コロナショックで一時的に大幅に下落しましたが、その後回復しコロナショック前の高値を更新するほどになりました。
これらの出来事は、アメリカ経済の力強さを象徴しているともいえるでしょう。一方、個別の株価を見るとまだコロナショックから立ち直れていない企業もあります。様々な視点から経済と株価を観察していくと、興味深い現象に気付くこともあります。是非、ご自身で気になる銘柄を見つけてみてください。
ダウを始めとする株価指数や、個別銘柄、投資信託の値動きを確認するなら、楽天証券が便利です。初めての方でも分かりやすい投資の解説が充実しています。楽天証券が運営する投資メディア「トウシル」ではおすすめ米国株の情報を随時更新中。銘柄探しに役立ててみてください。
この記事に関連するニュース
-
相場展望12月19日号 米国株: NYダウ、金利引下げ回数減とインフレ再加速懸念で、大幅安 日本株: 朝高・終値安の「陰線」が続く、年末のお化粧買いに期待
財経新聞 / 2024年12月19日 13時16分
-
[今週の株式市場]日米株式市場の「気掛かりな」サイン~金融政策イベント後に上昇できるか?~
トウシル / 2024年12月16日 12時5分
-
8月5日の12%超急落でも話題の「日経平均株価」と「TOPIX」その後は?両者の“とある違い”とは?
Finasee / 2024年12月9日 7時0分
-
相場展望11月28日号 米国株: 財務長官指名を好感し株高、過熱感あるも12月半ばまで底堅いと予想 日本株: トランプ追加関税の影響と円高で、輸出・半導体関連株に逆風
財経新聞 / 2024年11月28日 14時38分
-
相場展望11月25日号 米国株: 米国株は主役交代、半導体関連⇒景気敏感株・中小型株へ 日本株: 日経平均最高値更新のため、高度成長産業に取組み企業育成 中間配当金の株買いを狙い、海外短期筋も買い転換か
財経新聞 / 2024年11月25日 10時58分
ランキング
-
117万603組…「離婚した夫婦の88.3%」は要注意、別れてから2年後に「取り返しがつかなくなること」【弁護士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月23日 14時15分
-
2賛否の声も。ガストで話題の「アサイー」が食べられる?SNSで話題に。
東京バーゲンマニア / 2024年12月23日 19時8分
-
3お育ちのよい人はハンドバッグをどこに置くかご存じ?知らないと「地味に恥をかく」テーブルマナー
OTONA SALONE / 2024年12月22日 19時0分
-
4東京湾アクアラインが値上げ!? 普通車200円、特大車1000円最大高く… 「困る」派「歓迎」派など賛否両論!? 来春から約1年限定実施の理由とは
くるまのニュース / 2024年12月23日 9時0分
-
5M-1創設者がバッテリィズに泣きそうになった理由 理論派が目立ってきたM-1に2人が与えたこと
東洋経済オンライン / 2024年12月23日 18時38分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください