米国債への投資はおすすめ?メリットやコロナショック以降の変化について解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2021年6月11日 10時0分
米国債への投資はおすすめ?メリットやコロナショック以降の変化について解説
コロナウィルス以降アメリカ経済は急回復。それにともなって、米国債の利回り上昇傾向です。日本の国債に比べて利回りが高く魅力的な米国債。そのメリットとデメリットについて解説していきます。
米国債とは
米国債とは、アメリカ財務省が発行する公債のことをいいます。公債とは、国や自治体が資金調達をするための借用証書。米国債を購入するということは、「アメリカにお金を貸す」ことを意味します。10年国債を購入するということは、10年間を限度として国にお金を貸すこと。国債保有者は、償還日が来て額面金額の償還(返済)を受けるまでの期間、お金を貸す対価として利息を受け取ります。米国債に投資する主たる目的といえば、この利息になるでしょう。
また、米国債は市場で取引されているので償還日前に売却できます。つまり、購入時の価格よりも高く売って売却益を獲得できる可能性もあるということです。
コロナショック以降の米国債の利回り
アメリカでは急速なスピードでワクチン接種が進んでおり、投資家はアメリカ経済の回復を見込んでいます。景気が上向いている国は債券利回りが上昇するのが一般的。実際、バイデン大統領就任以降、ワクチン接種が拡大し、大規模な経済対策を取ったことが好感され、米国債10年利回りは2021年3月に一時1.7%を突破しました。
米国債に投資するメリット・デメリット
株式と比べるとリスクの小さい米国債のメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
・メリット1:高い利回り
以下の表で各国の国債の利回りを比較してみると、米国債は高い水準で推移しています。株式取引ほど高い利回りで取引をすることは難しいとしても、日本の10年債よりもはるかに高い利回りであることが確認できるでしょう。
【2021年4月末日時点での各国10年債利回】
・メリット2:信用格付けが高い
米国債の2つ目のメリットはアメリカ国債の格付けが高く、投資先として安定しているという点です。各国の利回りだけを比較すると、ブラジルやメキシコの国債は米国債よりも大きくなっていますが、発行元の信用に不安が残ります。国債を購入するということは国にお金を貸すということなので、貸したお金を返してくれる国かどうかを見極める必要があります。
ひとつの判断材料として、信用リスクについて知っておきましょう。信用リスクとは、債券を発行している国や地域が政治・財政難、経営不振に陥り、国債の債務不履行(デフォルト)が起こる可能性のことをいいます。
債務不履行になると、利息の支払いや償還が遅れたり、償還されなくなったりするかもしれません。債務不履行を起こす可能性が高い国ほど、リスクが高いと評価され、格付けが低くなります。格付けが低い国の国債ほど、利回りは高くなるのが一般的です。
【2021年4月末時点での各国の国債格付け(ムーディーズ社の格付け)】
このように、米国債は高利回り、かつ高格付けであることがわかります。
・メリット3:情報が多い
米国債への大きな変動要因があると、経済ニュースなどで真っ先に報道されます。そのため、新聞やアプリなどで経済ニュースをフォローしておけば情報を見落とすことはありません。
・デメリット1:株式ほどのリターンはない
一般的に、債券は株式投資よりリターンは劣ります。投資で大きく資産を伸ばしたいという場合は、米国債以外の選択が適当です。
・デメリット2:米国債といえどもリスクはある
格付けが高いからといって米国債にリスクがないわけではありません。世界を見渡せばアメリカは台湾海峡付近で中国と対立し、お互い軍事演習を行うなど威嚇が続いています。北朝鮮とはいつ有事になってもおかしくない状況。さらにロシアもアメリカがウクライナ問題に干渉することを嫌い、威圧的な発言を繰り返しています。
仮にアメリカがこれらの国と有事に至った場合、米国債格下げ、ひいては債券価格の下落や近来の上昇につながりかねません。投資をする以上リスクはゼロではない点は心得ておきましょう。
米国債の種類
米国債には利付債とゼロクーポン債の2タイプがあります。
・利付債
利付債は、額面金額で発行・償還(返却)される一般的な債券のタイプ。半年に1度利息を得ることができます。償還日により、2、3、5、7、10、30年ものの6種類があり、入札を通じて発行されます。
・ゼロクーポン債
保有期間中の利息受け取りがない代わりに、額面金額以下で発行されるのがゼロクーポン債。償還日には額面金額が支払われるのでその差額が利益になります。
米国債投資の始め方
米国債に魅力を感じた場合、どこで購入することができるのでしょうか?
債券は口座さえ開いておけば証券会社を通じて簡単に購入することができます。購入できる国債には、新しく発行される「新発債」とすでに発行されて、市場で売買されている「既発債」があります。証券会社によって価格が異なりますので、各社の価格を比較したうえで購入しましょう。
もちろん楽天証券でも米国債を購入できます。楽天証券では、決済通貨にドルを選べるので、米国債の利息や償還金をドルで受け取り、為替レートが有利になってから円で引き出すことができます。またドルのまま口座に置いておき、その資金でアメリカの株式を購入することも可能。この場合は、両替手数料の節約になります。
まとめ
米国債は安定したリターンを得られる投資商品です。しかし、その分、投資で得られる利益という点では若干物足りないところがあります。為替変動の影響まで考慮すると、外国の個人投資家がわざわざ米国債を購入する理由はそれほどないのも事実です。
ただし分散投資を目的に組み込むのであれば、米国債投資も一定の重要な役割を担います。
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