企業年金とは、会社員が上乗せできる年金|種類や内容をわかりやすく解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2021年6月18日 10時0分
企業年金とは、会社員が上乗せできる年金|種類や内容をわかりやすく解説
企業年金は、企業が従業員のために用意する私的年金制度です。この記事では企業年金制度の概要と、厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)、企業型確定拠出年金(DC)といった企業年金の種類について解説しています。
企業年金とは
企業年金とは、その名の通り企業が設けている年金制度です。強制加入で国が運営している「公的年金」に対し、企業年金は加入が任意な「私的年金」の分類になります。
日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金からなる「2階建て構造」の制度ですが、企業年金にはこれらをさらに補完する目的があります。いわば「3階部分」を作るものと考えるとイメージしやすいかもしれません。
企業年金は福利厚生の一環ですので、その会社に勤めている従業員にしか加入資格はありません。また、企業年金制度を導入するかどうかは個々の会社の判断によるため、そもそも制度を用意していない会社もあります。
確定給付型と確定拠出型
企業年金は、大きく分けて「確定給付型」と「確定拠出型」に分かれます。
確定給付型とは、「給付」が確定している、つまり将来もらえる金額があらかじめ確定しているタイプの年金です。将来もらえる金額は決まっていますが、掛金の額や運用方法を従業員が決めることはできません。
確定給付型の企業年金には、確定給付型企業年金(DB)と厚生年金基金があります。
対して確定拠出型とは、「拠出」が確定している、つまり掛金が一定である年金です。あらかじめ決めた掛金を運用し、その運用成績によって将来もらえる年金額が変動します。運用方法を決めるのは従業員自身です。
確定拠出型の企業年金には、企業型確定拠出年金(DC)があります。
主な3つの企業年金
ここからは、3種類の企業年金について紹介していきます。
・厚生年金基金
厚生年金基金は1966年に始まった確定給付型の年金制度で、かつては企業年金の主流でした。厚生年金基金は厚生年金に上乗せする企業年金部分の運用・管理をするだけでなく、国に代わって厚生年金の運用や支給を行うという代行の役割も担っていました。
しかしバブル崩壊後、日本の景気が悪化するにつれて思うような運用成績が上がらなくなって資金不足に陥る基金が増えるなど、徐々にその数は減少していきます。
そのうち企業年金のあり方や運営方法を根本的に見直そうという動きが起こり、法改正の結果大半の厚生年金基金が解散することとなりました。
2014年以降は新たな厚生年金基金を設立することはできなくなっており、企業年金の主流は以下に紹介する確定給付型企業年金(DB)や企業型確定拠出年金(DC)へ移行していきます。
・確定給付型企業年金(DB)
確定給付型企業年金(DB)は、2002年の確定給付企業年金法の施行によって始まった制度です。
確定給付型企業年金は、厚生年金基金のように厚生年金の運用・支給代行は行わず、企業が準備する企業年金部分の管理のみを行います。確定給付型の年金ですので、将来もらえる金額があらかじめ決められており、その給付額に基づいて掛金が決定されます。
確定給付型企業年金(DB)には、従業員と合意した年金規約に基づく「規約型」と、母体企業とは別に基金を設立する「基金型」がありますが、どちらも掛金の拠出から運用、給付といった管理全般の責任を企業自身が負うのが特徴です。
「規約型」の年金は、会社と従業員とで合意した年金規約に基づいて、信託会社や生命保険会社などの外部機関に資産管理を任せる形態になっています。
「基金型」の年金は、会社が別の法人格を持った基金を立ち上げ、その基金が年金資産を管理運用します。「○○企業年金基金」というように、会社の名前を冠した基金を設立している場合が多いです。
・企業型確定拠出年金(DC)
近年、企業型確定拠出年金(DC)を導入する会社が増えています。
企業型確定拠出年金は会社が掛金を出しますが、運用の指図は従業員自ら決定するのが特徴です。うまく運用すれば将来もらえる年金を増やすことも可能ですが、どのように運用するかは従業員の自己責任です。
確定給付型企業年金(DB)のように、運用成果や将来の給付金額を会社が保証する責任はないので、会社側にとっては負担が少ない制度でもあります。
また、会社が拠出した掛金にプラスして、従業員本人が掛金を上乗せできる「マッチング拠出」という制度を採用している会社もあります。これは掛金上乗せを希望する従業員が任意に利用できる制度です。会社の拠出した掛金と自分の拠出した掛金を合わせて運用できるだけでなく、上乗せ分の掛金は全額が所得控除になるメリットがあります。
企業年金はいつからもらえる?手続きは?
年金を受け取れる時期や金額、手続きの内容は会社ごとに異なります。
受け取り開始時期は、公的年金の受給が可能になる60~70歳の期間や、定年退職の時期に合わせていることが多いようです。
手続きについては、加入している企業年金からの郵送で、または会社の厚生担当を経由して通知が届くので、その案内に従って請求を行います。
将来スムーズに手続きを進めるためにも、あらかじめ自分の加入している企業年金のルールを確認しておくとよいでしょう。
楽天証券のiDeCoで、将来に備えよう!
今回の記事では会社が用意する年金制度について解説しましたが、個人で利用できる確定拠出年金の制度もあります。それがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
iDeCoは平たく言えば「自分の年金を自分で用意する」制度。近年ますます拡大する老後の経済不安の高まりから、利用者が増えています。特に「老後資金2,000万円問題」が大きな話題となってからは、老後の備えを国や会社だけに任せてはいられないと考える人が増えてきているのです。拠出した掛金は全額が所得控除の対象になるため、節税効果も期待できます。
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FAQ
- 企業年金とは
企業が設けている年金制度。強制加入で国が運営している「公的年金」に対し、企業年金は加入が任意な「私的年金」の分類となる。 - 確定給付型とは
「給付」が確定している。将来もらえる金額があらかじめ確定しているタイプの年金 - 確定拠出型とは
「拠出」が確定している。つまり掛金が一定である年金。 - 確定給付型企業年金(DB)とは
2002年の確定給付企業年金法の施行によって始まった制度 - 企業型確定拠出年金は
会社が掛金を出しますが、運用の指図は従業員自ら決定するのが特徴保証協会が保証してくれます。 - 厚生年金基金とは
1966年に始まった確定給付型の年金制度 - 企業年金はいつからもらえるか
受け取り開始時期は、公的年金の受給が可能になる60~70歳の期間や、定年退職の時期
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