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連帯保証人とは|ハンコを押す前に知っておくべき連帯保証人のリスクと責任

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2021年7月14日 10時0分

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連帯保証人とは|ハンコを押す前に知っておくべき連帯保証人のリスクと責任

連帯保証人になるということは、他人の借金を返済する責任を負うということです。 家族、親戚、友人等から保証人になってほしいと相談されることがあるかもしれません。 「絶対に迷惑をかけないと言われたから断り切れずにハンコを押してしまった」とか「やっぱり不安だから保証人をやめたい」と後悔することの無いように、判断するための基本的な知識を備えておきましょう。

連帯保証人とは|ハンコを押す前に知っておくべき連帯保証人のリスクと責任

保証契約とは

保証契約とは

保証契約とは、借金をした人(主債務者)の返済が滞ったときに、保証人が代わりに返済することを債権者と約束する契約です。
口約束では足りず、書面やオンラインによって契約する必要があります。

保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人の違い

保証人
主債務者の返済が滞ったときに代わりに返済する義務があります。
保証人は、他人の債務を負担するおそれがあるため、次のような権利が認められています。

 

(1)債権者が保証人に支払を求めてきても、まずは主債務者に請求して下さいと反論することができます。(催告の抗弁権)

 

(2)債権者が保証人に支払を求めてきても、主債務者に返済能力がある場合はそれを証明することで、債権者は先に主債務者の財産から取り立てをしなければならなくなります。(検索の抗弁権)

 

(3)保証人が数人いる場合、頭数に合わせて均等に債務を負担します。(分別の利益)

 

連帯保証人
主債務者の返済が滞っていなくても、債権者は連帯保証人に請求することができます。
保証人に認められている上記(1)~(3)の権利も連帯保証人にはありません。
つまり、債務者と同等の責任を負っていることとなります。

 

主債務者に代わって返済をした場合
保証人、連帯保証人のいずれであっても、主債務者に代わって債権者に返済をした場合は、主債務者に対して「求償権」を取得することになります。
「求償権」とは、保証人が改めて債権者となり、主債務者に対して肩代わりした借金の返済を請求することができる権利です。
ただし、保証人が肩代わりしている時点で主債務者には返済能力がないことになるため、その後の回収が難しいケースがほとんどです。

保証人、連帯保証人になるメリットとデメリット

メリット
ありません。
ハンコを押す時だけ感謝されます。
主債務者にとっては借り入れが容易になるメリットがあります。

 

デメリット
他人の債務を負担するリスクを背負い続けることとなります。
債権者の同意がない限り、途中で保証人をやめることはできません。
保証人が死亡した後、相続人は保証人の立場を相続します。
※個人根保証契約(こじんねほしょうけいやく)では、死亡時に存在する債務が相続の対象となります。

個人根保証契約とは
個人根保証契約とは、個人がまだ金額の定まっていない債務について保証する契約を言います。
身近なものでいえば、アパートの賃貸借の保証人です。
滞納家賃や、原状回復費用について入居時に保証しますが、その時点ではいくら保証するかは確定していません。
ただし、2020年の法改正により、上限額を定めない契約は無効となりました。

2020年民法改正による保証制度の改正

1. 個人根保証契約の上限額の設定
これまでは上限額を定めない保証契約が認められていました。
例えば賃貸借契約の保証人になると、滞納家賃が際限なく積もっていくため、想定外の債務を負うリスクがありました。
そこで、保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額(きょくどがく)」を定めなければ、個人根保証契約は無効と定められました。
また、保証人又は主債務者に次の事由が発生したときは、それ以後の債務は保証の対象とはならず、その時点での債務のみ支払の義務を負うこととなります。

 

(1)債権者が主債務者又は保証人の財産に差押等の強制執行をしたとき
(2)主債務者又は保証人について破産手続が開始したとき
(3)主債務者又は保証人が死亡したとき

 

2. 個人根保証契約における保証意思確認の義務化
法人や個人事業主が事業用の融資を受ける場合に、その事業に関与していない親戚や友人などの第三者が容易に保証人になってしまい、多額の債務を負うという事態が依然として生じています。
そこで、個人が事業用の融資の保証人になろうとする場合には、公証人による保証意思の確認を経なければならないこととなりました。この意思確認の手続きを経ずに保証契約をしても、その契約は無効となります。
なお、この意思確認の手続きは、主債務者の事業と関係の深い次のような方については不要です。

 

(1)主債務者が法人である場合…その法人の取締役、理事、執行役、議決権の過半数を有する株主
(2)主債務者が個人である場合…主債務者と共同して事業を行っている共同事業者や、事業に従事している主債務者の配偶者

 

保証意思確認手続の注意点

 

(1)保証契約締結前1か月以内に公証役場で手続を行う。
(2)保証内容、リスクの理解、保証人になろうと考えた経緯等についても質問されることがある。
(3)公証人の費用が発生する。(原則1通1万1,000円)

 

3. 情報提供義務の新設
事業のために借り入れる債務について保証人となることを他人に依頼する場合には、主債務者は保証人に対して次の情報を提供する義務があります。

 

(1)主債務者の財産や収支の状況
(2)今回保証を依頼する債務以外の債務の金額や返済状況に関する情報
(3)債務の担保として他に提供し、又は提供しようとしている財産があるときは、その情報

 

なお、事業用債務に限らず、全ての保証人には次の事項が認められています。

 

(1)債権者に対する主債務者の支払状況の情報提供の請求。
(2)保証人が個人の場合、債権者は主債務者の債務の返済が滞った際には2カ月以内に保証人に通知しなければならない。

まとめ

他人の保証人になるということは、自分にとってのメリットは一切ありません
また、自分の死後は保証債務が相続されるため、家族が思いもよらない借金を背負うことになりかねません。
連帯保証人としてハンコを押す前に、保証契約の責任の重さ・リスクをもう一度よく考えてみて下さい。

FAQ

  1. 保証契約とは
    他人の借金を代わりに支払うことを約束する契約のことをいいます。
  2. 連帯保証人とは
    保証契約の中でも特に重い責任を負い、債務者と同等の立場となるものです。
  3. 保証人となるメリットは
    ありません。
  4. 保証人となるデメリットは
    (1)途中で辞退することができない。
    (2)相続の対象となるため、家族に負担させることとなる
    (3)肩代わりした場合でも主債務者から回収できる可能性が低い
  5. 民法改正による保証制度の要点は?
    (1)個人根保証契約の上限額の設定義務化
    (2)事業用融資に関する保証意思確認の義務化
    (3)事業用融資に関する保証人への情報提供の義務化

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