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パワハラを受けた場合の対処法と注意点について弁護士が解説

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2021年8月10日 10時0分

パワハラを受けた場合の対処法と注意点について弁護士が解説

パワハラを受けた場合の対処法と注意点について弁護士が解説

あなたは気付かないうちにパワハラを受けているかも?職場でパワハラを受けた場合の対処法と注意点について、具体的に解説します。

パワハラを受けた場合の対処法と注意点について弁護士が解説

パワハラとは?

職場のパワハラ(パワーハラスメント)とは、職場において行われる、① 優越的な関係を背景とした言動であって、② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③ 労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいいます。この定義からは、なかなかイメージが湧かないと思いますので、具体的な言葉の意味を解説します。

 

まず、「職場」とは、業務が遂行されている場所であればよいとされています。実質上業務の延長として認められるのであれば、通勤電車の中や、懇親会などの会食も「職場」に含まれます
「労働者」とは、正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員などいわゆる非正規雇用労働者や派遣労働者を含む全ての労働者をいいます。アルバイトだからパワハラを受けても会社に相談できないなどということはありません。

 

①「優越的な関係を背景とした言動」とは業務を遂行するに当たって、抵抗や拒絶することができない関係を背景として行われる言動を指します。必ずしも上司と部下の関係に限られるものではなく、業務上必要な知識や豊富な経験を有しているものからの言動も含まれます。

 

②「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」とは社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指します。

 

③「就業環境が害される言動」とは当該言動により、パワハラ行為によって、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等、労働者に就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。

これもパワハラ!パワハラの類型

パワハラの類型について、以下の図のとおり、主に6つの類型があります。以下の①や②は、典型的なパワハラ行為であり、パワハラを受けた本人が気が付かないということは少ないと思います。注意すべきなのは、③から⑥の類型です。会社内で当たり前となっていることが、実はパワハラだったということがあるかもしれません。

 

パワハラをめぐる法規制

デジタル庁とは

労働施策総合推進法が改正され、事業主に職場におけるパワハラ対策として、雇用管理上必要な措置を講じることが義務付けられました。雇用管理上必要な措置とは、事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化と周知・啓発、苦情などに対する相談体制の整備、被害を受けた労働者へのケア、プライバシーの保護、不利益的取扱いの禁止、パワハラ再発防止策の実施等をいいます。

 

これらの必要な措置を行わない事業主に対しては、厚生労働大臣が助言、指導又は勧告ができ、勧告に従わない企業は公表されうること、また、企業にパワハラ防止のための必要な措置に関し報告を求めることができ、報告をしない又は虚偽の報告をすると二十万円以下の過料に処せられる可能性もあります。ちなみにこの改正法が施行されるのは、大企業については、令和2年6月1日から、中小企業については、令和4年4月1日からになります。

パワハラを受けた場合の対処法

パワハラを受けた場合の対処法

労働施策総合推進法の改正により、パワハラ対策が義務付けられ、会社もこれまで以上にパワハラ問題に対して真摯に取り組まなくてはいけなくなりました。パワハラ問題に直面した場合は、会社の相談窓口に対して、先ず相談することをお勧めします。会社にそのような相談窓口がない場合は、会社の人事担当者に相談することも良いと思います。ただ、中小企業の場合はまだパワハラに対する組織的な相談体制が整っていない場合が多く、そのような場合は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーや労働相談センターのような外部の相談機関に相談することも有効です。

パワハラを会社等に相談する場合の注意点

パワハラを会社等に相談する場合の注意点

パワハラを会社等に相談する場合は、必ずどんなことをされたのか事前に記録しておきましょう。

 

具体的にいつどこで誰が何を何のために(5w1h)したのかを記録しましょう。そして、この記録を裏付ける録音やメールなども取っておくようにしてください。これらの記録等が無い場合、まともに相談に乗ってもらえない可能性があるだけでなく、最悪の場合は、パワハラを行った人間からさらなる嫌がらせを受けるような「セカンドハラスメント」を受ける場合があります。

 

また、パワハラ相談をした結果、会社がパワハラを行った人間に対して、配置転換を行うなどのパワハラ再発防止策をしっかり講じてくれるのか、その点も注意して相談してください。パワハラ問題について、会社に相談しても良い解決が導けない場合は、調停手続(認証紛争解決事業者である第三者が和解などの仲介に入ってくれます)を利用することができますので、都道府県労働局に一度相談してみてください。ちなみにこの調停制度は、先ほどの労働施策総合推進法の改正によりスタートした新しい制度です。

まとめ

会社内で当たり前だと思っていたことも実はパワハラだったということがあるかもしれません。また、パワハラに苦しんでいる場合は、一人で悩まず、周囲の人々や、会社の相談窓口、外部の相談機関などに積極的に相談してみてください。法改正もあり、パワハラに対する世の中の認識は以前より厳しくなっていています。

このテーマに関する気になるポイント!

  1. パワハラとは?
    職場において①から③までの要素を全て満たすもの
    ①優越的な関係を背景とした言動
    ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
    ③労働者の就業環境が害されるもの


  2. パワハラの類型は?
    ・身体的な攻撃
    ・精神的な攻撃
    ・人間関係からの切り離し
    ・過大な要求
    ・過小な要求
    ・個の侵害

  3. パワハラをめぐる法規制は?
    労働施策総合推進法が改正され、事業主に職場におけるパワハラ対策として雇用管理上必要な措置を講じることが義務付けられました。

  4. パワハラを受けた場合の対処法は?
    会社の相談窓口、人事担当者あるいは、労働基準監督署の総合労働相談コーナーや労働相談センターなどの外部の相談機関に相談して下さい。

  5. パワハラを会社等に相談する場合の注意点
    パワハラを会社等に相談する場合は、必ずどんなことをされたのか具体的に記録しておきましょう。

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