NZドル(ニュージーランドドル)の初心者でもわかる特徴と今後の見通し
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2021年9月7日 10時0分
NZドル(ニュージーランドドル)の初心者でもわかる特徴と今後の見通し
ニュージーランドドルは、ニュージーランドの通貨。FX(外国為替証拠金取引)では、NZドル/円などのトレードが可能です。ここではニュージーランドドルの特徴や、為替相場での変動要因について解説しています。
NZドル(ニュージーランドドル)とは
NZドル(ニュージーランドドル、NZD)は、ニュージーランドの法定通貨です。メジャー通貨のひとつで、多くのFX会社で取引ができます。ニュージーランドとその経済について確認しておきましょう。
・ニュージーランドの概要
ニュージーランドは南半球にある島国で、2つの主要な島と数多くの小さな島々からできています。北西2,000kmにはオーストラリア大陸、南2,600kmには南極大陸があります。国土の面積は27万534平方キロメートルで、日本の4分の3ほどの広さです。一方人口は2020年12月の推計値で511万人となっており、首都ウェリントンの人口は約50万人です。英語、マオリ語、ニュージーランド手話が公用語となっています。
・ニュージーランドの経済
経済規模を表すGDPは2019年の数字で2,052億米ドル。これは日本の24分の1ほどの規模となります。1人当たりのGDPをみると4万1,667米ドル。こちらは日本の4万256米ドルと近い値になっています。
おもな輸出品は、乳製品・肉類・木材・木製品・果実類・水産品・ワイン・羊毛類で、これらが輸出の6~7割を占めています。第1次産品が主要産業となっているのが特徴です。最近では、水素を含む再生可能エネルギー事業にも力を入れています。
おもな貿易相手国もチェックしておきましょう。2020年8月の金額ベースでみると、ニュージーランドからの輸出でもっとも多かったのが中国(27.7%)、2番目がオーストラリア(13.8%)でした。この2国で約40%を占めているのが特徴といえるでしょう。そのほかでは米国(10.4%)、日本(6.0%)への輸出も多くなっています。
・ニュージーランド経済の現在
ニュージーランド経済に大きな影響を与えた出来事としては、2011年のカンタベリー地震があげられます。経済的な打撃は大きいものでしたが、住宅・インフラの需要増加や、その後の好調な観光業により回復しました。
2020年からの新型コロナウイルスの流行では、国内での流行を抑え込んだことで注目されました。しかし、世界経済の失速や観光業の停滞による経済への悪影響は避けられない状況となっています。
NZドル(ニュージーランドドル)の特徴
それでは、FX(外国為替証拠金取引)などで取引されるNZドルの通貨としての特徴をみていきましょう。ニュージーランドのおもな輸出品となっているのは、乳製品や肉類、木材や果実類などでした。こうしたことからNZドルの値動きは、農林水産物の需要や価格の動向に左右されやすくなっています。
同じオセアニア通貨の豪ドルは、鉱物などの資源価格に左右されやすいのですが、この点は豪ドルとNZドルの違いといえるでしょう。また、ニュージーランドのおもな輸出相手国となっている中国とオーストラリアの経済状況から影響を受けやすいことも、NZドルの特徴のひとつです。
そしてもうひとつNZドルの特徴となっているのが、相対的な金利の高さです。政策金利を比較してみましょう。2021年7月の数字をみると、日本の担保コール翌日物が-0.035%とマイナス金利になっている一方、ニュージーランドの目標短期金利は0.25%となっており、コロナ禍で低い数字となっていますが、ニュージーランドの方が高くなっています。
参考までにあげておくと2018年の政策金利は1.75%でした。NZドルは先進国通貨のなかでも金利が高めなため、金融市場が後退すると買われやすい傾向があります。
NZドル(ニュージーランドドル)のレートを確認できるサイト
投資対象としてNZドルに関心を持つと、まず知りたいのが日本円などとの取引レート。証券会社やFXを取り扱っているサイトでチェックが可能です。たとえば楽天証券の楽天FXトップページでは、ログインしなくても各通貨ペアのレートをみることができます。
通貨ペアというのは、売買する2つの通貨の組み合わせのことです。たとえばNZドル/円を買う場合は、NZドルを買って円を売るという取引になります。2017年7月のレートではNZドル/円は77円前後となっており、これは1NZドルを77円で売買できるという意味です。
・FXのスプレッドとは
楽天FXのレート表には、ほかにも取引に必要な情報がいくつも並んでいます。意味を確認しておきましょう。各通貨ペアのレートは「売」と「買」の2つあります。買うときのレートと売るときのレートは異なり、この2つの数字の差を「スプレッド」と呼びます。買うときのレートは、売るときのレートよりも高くなっているのが通常です。レートが短時間に大きく動くときなどは、スプレッドが広がりやすいので注意が必要です。
・FXのスワップとは
もうひとつFX取引で知っておきたいのが「スワップ」です。一般的に、低金利の通貨を売って、高金利の通貨を買うと「スワップポイント」を受け取れます。
たとえば現在NZドルの金利は、日本円よりも高くなっています。NZドル/円を買うと、日本円を売ってNZドルを買うことになるため、スワップポイントを受け取れます。2017年7月の数値をみると、NZドル/円を買ったときのスワップポイントは10,000通貨あたり1円と表示されています。楽天FXの場合、スワップポイントが付与されるのは、各営業日の終了時です。
NZドル(ニュージーランドドル)の変動要因
・NZドル(ニュージーランドドル)/円の近年の為替相場
それでは通貨ペア、NZドル/円について、現在までのここ10年間の値動きについてみてみましょう。楽天FXのサイトではログインしなくても10年分のチャートをチェックすることができます。
・過去10年のNZドル/円
NZドル/円の「10年」を選ぶと、月足のチャートが現れます。月足というのは、表示されているローソク足の1本が1カ月に対応するということです。また同時に曲線も描かれています。たとえば「単純移動平均(24月)」は、直近24カ月分の平均値をつないだもので、値動きの方向性を知ることができます。
2012年から2021年のチャートをみると、下限が1NZドル60円前後、上限は90円前後となっています。ここ10年は60円から90円という30円の間で推移しているということです。
簡単に値動きを追ってみると、2012年の60円前後から2015年の最初に90円台をつけるまで上昇が続きました。その後70円前後まで下げてから、2016年後半に80円台まで戻します。70円と80円の間で推移したのち、2020年の最初に60円を下回るほどの下落があり、2021年7月現在は70円台後半まで戻しているという状況です。
・NZドル(ニュージーランド)/円のこれまでの変動要因
NZドル/円の上昇や下落といった大きな値動きには、それを説明する要因があります。10年チャートにはでてきませんが、実は2008年のリーマンショックで、NZドル/円は40円台まで下げました。その後の世界経済の回復により、2014年までは上昇が続いています。
2015年からの下落は、原油安や中国経済の失速、ニュージーランド準備銀行による利下げの示唆などが要因となっています。中国経済はニュージーランドの輸出への影響が大きく、NZドル/円の下落につながりました。また、その金利の高さからNZドルを保有していた投資家も多かったと思われますが、金利が下がる可能性が示されると、NZドルを手放す動きにつながったようです。
2016年後半からの上昇は、トランプ大統領就任による政策期待から、米国株が上昇したことによります。投資家の間でリスクを積極的に取る動きが広がり、NZドル/円も大きく買われました。
そして2020年初頭の大きな下落は、新型コロナウイルスの流行によるものです。投資家の間には不安心理が広がりました。世界経済の停滞は輸出にネガティブな影響を与えます。NZドル/円も一時大きく値を下げましたが、その後はワクチンの普及などウイルス流行が抑制されるという期待から、大きく値を戻しています。
NZドル(ニュージーランドドル)の今後の見通し
・2021年に予想されるNZドル(ニュージーランド)/円の変動要因
今後のNZドルを左右するもののひとつが政策金利です。NZドルはもともと高金利通貨として知られていましたが、2021年7月現在の政策金利は0.25%と低い水準にとどまっています。政策金利が低い水準にある状態は長引くのか、それとも徐々に利上げが繰り返されていくのかがNZドルの値動きに影響を与えそうです。政策金利が低いままであればNZドル/円の下落要因、利上げ期待が膨らむようであれば上昇要因となるでしょう。
2021年7月14日には、利上げに近づくと思われるニュースがでました。ニュージーランド準備銀行が量的緩和を同月23日までに停止すると発表したニュースです。政策金利がゼロに近く引き下げ余地がない場合、中央銀行は国債などのリスク資産を買い入れますが、それをやめるという内容です。
このような量的緩和政策の縮小は「テーパリング」と呼ばれることもあります。コロナ禍からの経済回復の過程で、各国のテーパリングに市場が注目しているなかでの発表となりました。
・今後の見通しと注意点
ニュージーランド準備銀行の声明には、今後の消費者物価の上昇を懸念する内容が盛り込まれていました。アナリストの多くは、消費者物価の上昇を抑えるため、いずれ政策金利の引き上げが実行されると観測しています。
この流れを確認するには、失業率や住宅価格、消費者物価などの経済指標に注目することが必要といえるでしょう。利上げペースが市場の予測より早まるという期待がでてくると、NZドル/円が大きく動く可能性があります。
ただし現在のNZドル/円には、利上げ期待がすでに織り込まれているという見方もあります。期待外れとなる経済指標の数字がでると、価格が下落する動きが大きくなるかもしれません。NZドルは比較的取引量が小さい通貨です。このため短期的な値動きが想定以上になることもあります。FXで取引する際には、レバレッジ(資金の何倍の取引をするか)を低くしておくなど、注意が必要です。
長期的に運用する資産は、分散投資に向いた投資信託の利用が良いとされています。その一方で、余裕があれば資産の一部で、より大きな利益を狙うという戦略も考えられます。リスクを取る運用をするときに、手段のひとつとなるのがFXでのNZドル取引です。
楽天証券の楽天FXでは、NZドル/円(NZD/JPY)の取引を始めることができます。楽天証券に口座を開設し、経済ニュースやチャートの値動きなどをチェックしていれば、NZドル取引のチャンスを見つけることができるかもしれません。
このテーマに関する気になるポイント!
- NZドルの特徴は?
乳製品など農林水産物の価格変動や、主な貿易相手国となる中国やオーストラリアの経済状況から影響を受けやすくなっています。 - NZドルのレートを確認できるサイトは?
証券会社などFX(外国為替証拠金取引)を取り扱っている企業のサイトでチェックできます。 - NZドル/円のこれまでの推移は?
ここ10年は60円と90円の間で推移してきました。中央銀行による利下げや、新型コロナウイルスの流行で値を下げたあと、ワクチンの普及などでやや値を戻したところです。 - NZドル/円の今後の見通しは?
経済の回復により消費者物価が上昇し、中央銀行が政策金利の引き上げを示唆すれば、値を上げる可能性が高まります。
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