1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

上場企業が開示する決算短信の財政状態計算書について解説!

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2022年1月14日 10時0分

写真

上場企業が開示する決算短信の財政状態計算書について解説!

上場企業は決算の内容が定まった場合には、直ちにその内容を開示することが義務付けられています。この決算の開示方法が、決算短信・四半期決算短信と言われます。決算書の一つの表に財政状態計算書(貸借対照表)があります。財政状態計算書は、一定時点における資産、負債、資本の状態を表している表です。財政状態計算書について解説していきます。

上場企業が開示する決算短信の財政状態計算書につ

決算短信とは

株式投資には、企業が開示する情報を活かす必要があり、企業が開示する情報の一つに、決算短信があります。決算短信とは、企業の決算発表をまとめた書類のことです。
株式投資の判断資料となる有価証券報告書は、決算日後3カ月以上経たないと発表されません。しかし、決算短信は決算後1~2カ月後に発表されます。発表までの期間が短いため、決算内容には推測の部分も含まれています。また、決算短信には1年分(1事業年度)の決算内容をまとめた「決算短信」と、四半期(3カ月)ごとの決算内容をまとめた「四半期決算短信」があります。企業のIR(investor relations:投資家向けの広報活動)の一環として、ホームページに掲載されています。この決算短信等の記載内容を読みこなせるようになると、株式投資に活かすことができます。今回は、財政状態計算書について解説していきます。

 

 

貸借対照表も財政状態計算書もともに、決算期末日における企業の財政状態を表示する計算書です。日本の基準で作成されるものが貸借対照表であり、2001年に設立されたIASB(国際会計基準審議会)が策定する世界的な統一会計基準であるIFRS(国際財務報告基準)に沿って作成されるものが財政状態計算書となります。

貸借対照表の主要な表示区分は、原則として、資産と負債ともに、流動と固定に分けて表示します。また、固定資産は有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産に区分されます。科目の配列は、原則として、流動性配列法により表示します。流動性配列法とは、貸借対照表上の勘定科目について、上から順に、流動性の高いものから低いものへと配列する方法です。資産については換金性の高い順、負債については支払・返済期間の短い順に配列します。

 

財政状態計算書の主要な表示区分は、原則として、資産と負債ともに、流動と非流動に分けて表示します。非流動資産については、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産という区分はありません。流動と非流動の区分基準には、正常営業循環基準と1年基準が用いられます。正常営業循環基準とは、正常な営業活動の過程にあるものを流動資産、流動負債とする基準です。1年を超えるものでも、正常な営業活動の過程にあるものは流動資産、流動負債に分類されます。1年基準とは、決算日の翌日から起算して1年以内に入金されるものを流動資産、1年以内に支払期限が到来するものを流動負債とする基準です。財政状態計算書では科目の配列は、特に規定されていません。

決算短信のサマリー情報について

決算短信のサマリー情報について

楽天グループ株式会社は、12月31日が決算日となっています。

 

2020年12月期決算短信

決算短信の構成は、①サマリー情報、②添付資料に分かれています。今回は、サマリー情報の連結財政状態を詳しく説明していきます。

決算短信のサマリー情報【連結財政状態】

 

親会社の所有者に帰属する持分とは、資本合計から非支配持分を差引いた持分となります。非支配持分とは、企業の連結決算において、親会社以外の株主が存在する子会社の財務諸表を連結する場合に生じます。

 

親会社所有者帰属持分比率は、親会社の所有者に帰属する持分を負債及び資本合計で割って計算します。2020年12月期は、親会社の所有者に帰属する持分608,738百万円÷資産合計12,524,438百万円で4.9%となります。

 

1株当たり親会社所有者帰属持分は、親会社の所有者に帰属する持分を期末発行済株式数から期末自己株式数を引いた株式数で割って計算します。2020年12月期は、期末発行済株式数1,434,573,900株から期末自己株式数72,073,137株を差し引いて1,362,500,763株となります。1株当たり親会社所有者帰属持分は、親会社の所有者に帰属する持分608,738百万円÷1,362,500,763株で446円78銭となります。

 

下表に8年分の決算短信の連結財政状態を一覧にしました。流れを確認しましょう。

 

資産合計は、2013年12月期3,209,808百万円が2020年12月期12,524,438百万円と、9,314,630百万円増額しています。
親会社の所有者に帰属する持分は、2018年12月期774,473百万円まで増えてきましたが、2019年12月期、2020年12月期と連続して減っています。
親会社所有者帰属持分比率は、ここ8年で2015年12月期が15.5%と一番高くなっています。
1株当たり親会社所属持分は、2013年12月期227.70円が2018年12月期572.83円と約2.5倍となっており、それ以降は減少していることがわかります。

1株当たり親会社所属持分(BPS)の活用方法

1株当たり親会社所属持分は、BPS(Book-value Per Share)と表記され、「1株当たりの解散価値」とも言われます。これは株式純資産倍率を計算するときに利用され、PBR(Price Book-value Ratio)と表記されます。株式純資産倍率とは、株価が1株当たり親会社所属持分の何倍まで買われているかを示したものです。PBRは、株価をBPSで割って計算するもので、株価が割安か割高か判断する一つの指標となります。株式投資の銘柄選定において、重要な指標の一つです。

まとめ

日本の会計基準で作成された貸借対照表と、IFRSで作成された財政状態計算書ともに、企業の決算期末日における企業の財政状態を表示する計算書です。表示区分と科目の配列に違いがあります。今回は、決算短信のサマリー情報にある連結財政状態を解説しました。資産合計、資本合計、親会社の所有者に帰属する持分等の数字を理解できるようになりましょう。最後に、純資産倍率(PBR)を計算するのに、1株当たり親会社所属持分(BPS)を活用することを説明しました。株式投資の重要な指標の一つであるため理解しておくとよいでしょう。

このテーマに関する気になるポイント!

  1. 貸借対照表と財政状態計算書の表示区分の違いは?
    貸借対照表の主要な表示区分は、原則として、資産と負債ともに、流動と固定に分けて表示します。財政状態計算書の主要な表示区分は、原則として、資産と負債ともに、流動と非流動に分けて表示します。

  2. 貸借対照表と財政状態計算書の科目の配列の違いは?
    貸借対照表では、科目の配列は、原則として流動性配列法により表示します。財政状態計算書では科目の配列は、特に規定されていません。

  3. 親会社の所有者に帰属する持分とは、何ですか?
    親会社の所有者に帰属する持分とは、資本合計から非支配持分を差引いた持分となります。

  4. 1株当たり親会社所有者帰属持分は、どのように計算するのでしょうか?
    1株当たり親会社所有者帰属持分は、親会社の所有者に帰属する持分を期末発行済株式数から期末自己株式数を引いた株式数で割って計算します。

  5. 1株当たり親会社所属持分(BPS)の活用方法は?
    1株当たり親会社所属持分は、1株当たりの解散価値とも言われます。また、株式純資産倍率(PBR)を計算するときに利用します。

  6. 株式純資産倍率(PBR)とは、なんですか?
    株式純資産倍率(PBR)とは、株価が1株当たり親会社所属持分の何倍まで買われているかを示したものです。PBRは、株価をBPSで割って計算するもので、株価が割安か割高か判断する一つの指標となります。株式投資の銘柄選定において、重要な指標の一つです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください