eスポーツとは|未来の競技?種目や大会についてわかりやすく解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2022年7月13日 10時0分
eスポーツとは|未来の競技?種目や大会についてわかりやすく解説
野球やサッカーといったスポーツは、選手の年俸やコンテンツとしての売り上げなど、動く金額の大きさでも話題になることがあり、人々のスポーツへの関心の高さが感じられます。そうした中、新たなスポーツとして注目されているのが「eスポーツ」です。ゲームをスポーツとしてとらえ、高額の賞金が出る大会も開催されています。成長産業として投資対象と見ることも可能なeスポーツですが、その内容はどのようなものなのか、大会の様子や賞金などについて詳しく見ていきましょう。
eスポーツとは?
eスポーツとは、コンピュータゲームやビデオゲームなどをスポーツとしてとらえるときの呼び方です。読み方は「イースポーツ」で、エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)を略した言葉です。コンピュータゲームというと、自室でスマホやゲーム機を使い、1人でプレイするというイメージが強いかもしれません。しかし、eスポーツでは対戦型ゲームをスポーツ競技のように楽しみます。オンラインでの大会のほか、広い場所に選手と観客が集まって開催される大会もあります。
コンピュータゲームやビデオゲームを「スポーツ」に分類することについては、さまざまな議論があるようです。スポーツというからには、広い場所で身体の運動がともなう競技でなければならない、と考える人も多いでしょう。
これに対して、コンピュータゲームもほかのスポーツ同様、作戦やタイミング、熟練といった要素があるという主張もあります。またコンピュータゲームでの対戦が、多くの選手と観客が参加する大会として、すでに多く実施されていることでスポーツとして認められたという見方もあります。
eスポーツの歴史
・草創期
コンピュータゲームの大会は、まだeスポーツという名称のなかった1970年代から1980年代にかけてすでに行われており、1980年に米国で開催された「スペースインベーダー選手権」には1万人以上が参加しました。このスペースインベーダーはタイトーが発表した大ヒットシューティングゲームです。
この頃はコンピュータゲームの人気の広がりから、参加者がゲームの腕を競う内容のテレビ番組も放送されていました。当時は対戦によって勝敗を決めるというよりも、お互いのハイスコアを競い合うという形も多かったようです。
・対戦ゲームがブームになる90年代
1990年代に入ると「対戦型格闘ゲーム」のブームが訪れます。きっかけとなったのは、1991年に登場したカプコンの「ストリートファイターII」。2人のプレイヤーによる対戦で、勝ち負けが決まるゲームです。これによりコンピュータゲームでもトーナメント方式での大会を、スポーツに近い形で実施できるようになりました。1990年代にはインターネットが普及し始めたこともあり、オンラインゲームでの対戦も可能となっています。
・「eスポーツ」という言葉が生まれる2000年代
「eスポーツ」という言葉が使われ始めたのは、2000年代に入ってからのこと。これ以降、世界中で対戦型コンピュータゲームの大会が開催されるようになりました。2004年には、世界規模の格闘ゲーム大会「Evo 2004」におけるストリートファイターIIIの対戦で、プロゲーマー梅原大吾氏による「背水の逆転劇」と呼ばれる有名なシーンも見られました。体力ゲージが残り1ドットの状態から連続して防御を決め、逆転勝利したというものです。観客の盛り上がりも話題になりました。
・eスポーツが普及する2010年代以降
2010年代に入ると、大会の数や賞金の額が大きくなります。2000年には大きな大会は数えるほどしかありませんでしたが、2010年には約260もの大規模な大会が開催されるようになり、賞金の額も100万ドル規模のものが出てきました。またこの時代は、オンラインストリーミングサービスによる観戦が広がったのも特徴です。コンピュータゲームに特化したプラットフォームTwitch(ツイッチ)などを通してゲームを観戦するユーザーが増え、eスポーツの普及に貢献しています。
eスポーツの大会ってどんなもの?
実際のeスポーツ大会がどのように実施されているのか、1つの例を見てみましょう。2022年1月23日から3月20日にかけて「VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP SEASON_0【2nd】(バーチャファイター eスポーツ チャレンジカップ シーズン0 セカンド)」が開催されました。これは「バーチャファイター eスポーツ」の公式大会です。使用ゲームのタイトルは、PlayStation4「Virtua Fighter esports」。バーチャファイターは、セガの3D対戦型格闘ゲームです。
大会は2つの部門に分かれています。U22部門は12歳以上22歳以下で、FREE部門は12歳以上のすべての選手が参加できるというものでした。1月23日と2月27日に予選がオンラインで行われ、3月20日の決勝戦および決勝トーナメントは、東京にてオフライン形式で開催されました。試合の様子はYouTubeチャンネル「VF official channel」を通じ、ライブ配信されました。優勝者と準優勝者にはトロフィーが渡されたほか「Virtua Fighter esports」の「ジャパン・eスポーツ・プロライセンス」発行の権利も付与されました。
日本だけでなく世界中で、このような大会がさまざまなゲームタイトルを使って行われています。興味があれば選手として参加することも、ライブ配信を通じて観戦することも可能です。
eスポーツにはどんな種目がある?
一般的なスポーツには、陸上競技や水泳、サッカーなどさまざまな種目があります。eスポーツはコンピュータゲーム上で行う競技ですが、そこには一般的なスポーツと少し違った競技の分類が存在します。いくつかのタイプを挙げてみましょう。
・対戦型格闘ゲーム:ストリートファイターシリーズやバーチャファイターシリーズなど。プレイヤーが操作するキャラクター同士で、1対1などの格闘を行います。
・マルチプレイオンラインバトルアリーナ (MOBA):Dota 2やLeague of Legendsなど。プレイヤーが2つのチームに分かれ、相手チームの陣地制圧を目指します。
・デジタルカードゲーム(DCG):Shadowverseや遊☆戯☆王デュエルモンスターズなど。カードゲームをオンラインなどで行います。
・パズルゲーム:ぷよぷよやテトリスなど。パズルゲームを通して、ほかのプレイヤーと勝敗を争います。
・スポーツゲーム:ウイニングイレブンや実況パワフルプロ野球など。サッカーや野球、バスケットボールなど実際のスポーツをコンピュータゲームにしたもので競います。
そのほか、eスポーツにはスマホで参加できる大会もあります。たとえば「Shadowverse(シャドウバース)」はスマホでプレイできるカードゲームです。世界各地でeスポーツとしての大会が開催されています。
また「Clash Royale(クラッシュ・ロワイヤル)」は、iOS・Android用アプリとしてプレイできるタワーディフェンスゲームで、各国代表が集まる世界選手権が開催されています。サッカーのモバイルゲーム「eFootball ウイニングイレブン」も、スマホで参加可能な大会を開いています。
eスポーツでは学生も活躍中!
コンピュータゲームやスポーツは、学生の頃に打ち込んだという方も多いでしょう。eスポーツでは、子どもや学生向けの大会も開催されています。大学生向けの大会として開催されるのは「Japan University eSPORTS Championship:U-Champ. (日本学生eスポーツ競技大会)」。日本eスポーツ連合が主催し「eFootball ウイニングイレブン 2021(モバイル版)」「ストリートファイターV チャンピオンエディション」「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」といったタイトルで競います。
参加資格が高校生となっているのは「全国高校eスポーツ選手権」です。第3回大会では、194校346チームがエントリーしています。2021年の第4回大会では「ロケットリーグ」「リーグ・オブ・レジェンド」「フォートナイト」と3つの部門で競技が行われました。
また「東京eスポーツフェスタ」ではさまざまな層を対象としたeスポーツが実施され、満12歳未満の方も参加できるキッズ部門なども開催されています。幅広い年代から参加できるのはeスポーツの良いところです。
eスポーツのプロって?賞金で生活できる?
金額の大きさでよく話題になるのが、プロスポーツ選手の収入です。世界のサッカー選手の収入や日本のプロ野球での契約更改、テニス選手のCM契約などが注目されます。eスポーツにおいても大会での賞金や、ゲームに関するさまざまな活動から収入を得ているプロが存在するのは同じです。世界規模では賞金総額が30億円となる大会があったり、日本国内でも賞金総額1億円を超える大会が開催されていたりします。
また、eスポーツのプロには多種多様な活動があり、賞金以外にも収入を得ることが可能です。たとえば動画配信だと、人気が出れば広告収入などが得られます。チームに所属したりスポンサー契約を結べば、給料を受け取ったり機材の提供を受けたりすることもできます。eスポーツへの関心が高まる中、ゲームのトレーナーとしての需要もあるようです。
eスポーツを学ぶにはどうすればよい?
高額な賞金や、さまざまな収入の道もあるeスポーツ。興味がある方は、まずeスポーツを観戦してみるのがよいかもしれません。一度観戦してみると、どういうゲームタイトルの大会があるのか、参加者のレベルはどれくらいなのかを知ることができます。eスポーツは動画サイトでチェック可能なので、手軽に始められます。参加してみたい大会があれば情報を集め、ゲームの練習を積み重ねていくことになるでしょう。
eスポーツは個人で学ぶほか、eスポーツ専攻コースのある学校を利用して、プロゲーマーの講師による授業などを受けることも可能です。eスポーツの授業ではゲーム技術のほかに、メンタルトレーニングや動画編集、キャリアプランニングなどについて学ぶことができます。このように、eスポーツには本格的な学びの場も用意されているのです。
eスポーツの未来は?オリンピック種目になる可能性も?
eスポーツという言葉も知られるようになり、スポーツのひとつとして認められつつあるコンピュータゲーム。高額な賞金が用意される大会も増え、オリンピック種目になる可能性も期待されています。こうした中、2021年5月13日から6月23日にかけて開催されたのが「オリンピック・バーチャルシリーズ(OVS、Olympic Virtual Series)」。国際オリンピック委員会(IOC)と5つの国際競技連盟が主催する、公式eスポーツ大会です。
オリンピック・バーチャルシリーズでは、5つの競技が実施されました。野球、自転車競技、ボート競技、セーリング、モータースポーツです。eスポーツなので、もちろんすべてコンピュータゲームでの競技です。
例えば野球では、KONAMIの「eBASEBALL パワフルプロ野球2020」がプラットフォームとして利用され、モータースポーツではソニー・インタラクティブエンタテインメントの「グランツーリスモSPORT」で競技が行われました。オリンピック種目採用へ向けたステップと見ることもできるでしょう。
eスポーツは、将来的にオリンピック種目になる可能性もあるなど、成長が期待される分野となっています。また、現状コロナ禍でオンラインゲームにも注目が集まるようになり、eスポーツに関わる周辺機器や、広告、グッズ販売など、幅広い業界への波及効果も期待されています。eスポーツはこれから市場規模がさらに拡大すると見込まれており、投資の対象としても魅力的です。
また例えば、eスポーツ銘柄と呼ばれるものとしては、PlayStationのソニー(6758)や「ストリートファイター」のカプコン(9697)、ゲーミングデバイスのエレコム(6750)や「ニコニコ動画」のKADOKAWA(9468)などが挙げられます。ゲーム好きの方などは、楽天証券の口座でeスポーツ投資にトライしてみてはいかがでしょうか。
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