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気楽な自転車“ミニベロ”は最強の移動マシン。ミニベロで「自宅半径5キロの旅」に出るススメ

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2022年8月16日 10時0分

気楽な自転車“ミニベロ”は最強の移動マシン。ミニベロで「自宅半径5キロの旅」に出るススメ

気楽な自転車“ミニベロ”は最強の移動マシン。ミニベロで「自宅半径5キロの旅」に出るススメ

小さなタイヤの自転車を「ミニベロ」といいます。ミニベロは手軽に乗れてよく走り、自宅半径5kmくらいの移動にはとても適しているそう。ミニベロ歴10年のブロガー中山順司さんが魅力を語り尽くします。

自転車メディア「サイクルガジェット」を運営している中山順司といいます。
自転車をこよなく愛するアラフィフおじさんです。

 

新型コロナウイルスの影響でインドアな生活を強いられている方も多いご時世ですが、ひとりで3密を避けて近距離を移動(しかも楽しく)できる方法があるのをご存知ですか?

 

それがミニベロです。

 

小さいタイヤの自転車なのですが、これがまあ便利で楽しい。自宅半径5km をサクッと移動するのに適しており、ちょっとした日帰り観光の移動手段として最高なのです。

 

「街中でたまに見かけるけど、ファッション性重視で実用性は低いんじゃないの?」って訝しむ人のために、ミニベロ歴10年のオッサンがその魅力を語り尽くします。

そもそもミニベロって? ミニベロ is 最強移動マシン説を唱えたい

くりかえすようですが、ミニベロとはタイヤの小さい自転車のことです。
だいたい14~20インチのタイヤが付いた自転車を指しますが、細かいことは気にしなくて大丈夫。

特徴は「小回りがきく」と「キビキビ走る」と「気楽に乗れる」の3つ! このおかげで半径5キロ程度の移動なら最強だと思っています。

1.小回りがきく

タイヤが小さいので、漕ぎ出しに力がいりません。ママチャリ特有の「よっこらしょ……」って動作がなく、信号等によるストップアンドゴーの多い市街地で便利です。

 

そんなとき、タイヤが小さいだけで歩行者に威圧感を与えないのもgoodなのです。

2.キビキビ走る

「ママチャリは重くて遅い、でもロードバイクは大げさかな~」って温度感の人にピッタリなのがミニベロでして、見た目と走行性能のギャップに驚くでしょう。

 

さすがにロードバイク(舗装した道路を高速で走るための自転車)の巡航スピードにはついて行けないですが、クロスバイク(ロードバイクとマウンテンバイクの中間の自転車)やピストバイク(ペダルの動きと車輪の動きが直結している固定ギアが特徴の自転車)とならいい勝負。

 

ミニベロに限らず、都内に限定すれば自転車って電車やバスより早いこともあります(もちろん交通ルールは守ったうえで)。公共交通機関って待ち時間もあるし、駅や停留所まで行かなくちゃいけないですよね。ミニベロだとドア・ツー・ドアのピンポイントで移動できる(しかもずっと座っていられる!)のです。これのおかげで時間短縮になります。

 

たとえば、新橋~赤坂間は2キロで電車だと15分くらいかかるのが、ミニベロなら6分くらい。ちょっとびっくりするかもしれませんが、ここは道が平坦で信号も少ないんです。

 

ちなみに、しっかり漕いで、道が平坦で迷わない場合だったら、「1キロ移動するのに3分」が街中の自転車移動の目安だと思ってください。

 

自転車移動はしんどそう……と思うかもですが、私の感覚だと「駅構内を延々歩く」と「ぎゅうぎゅう詰めの列車」のほうがよっぽどストレスフルなんじゃないかと思います。

3.気楽に乗れる

競輪選手のような上下ピチピチの服で自転車に乗っている人を見たことはありませんか? スピードを重視したロードバイクだったら空気抵抗の低いウェアにもこだわりたいところですが、ミニベロなら「私服かその延長線上くらいの格好」でOKです。

 

私服でもサマになるのがミニベロの良さ。いつも着ているTシャツ、短パン、スニーカーでしっくりくるものです。

また、小柄な女性でも、背の高い人でも受け入れてくれる懐の深さがミニベロにはあります。そもそもミニベロは1サイズしかないことがほとんどでして、大抵の体格の人でも乗れるような大きさに作られています。

 

しかも比較的駐輪場所に困らないので、観光地にも気楽に行けます。車で週末に移動すると、必ず「駐車場探さなくちゃいけない問題」にぶつかります。駐輪場は駐車場よりも空いていることが多いので、この心労から開放されるのも大きいです。

ミニベロとの出会い。初めて乗った時に「雷が落ちた」くらいの衝撃があった

ミニベロの特徴を紹介したところで、そもそも私がなぜミニベロにハマったか? を説明させてください。

 

じつは39歳まではサッカーとフットサル漬けで、社会人リーグに所属してました。当時は自転車への関心はゼロ。35歳まで競技としてガチでプレーして、39歳までは遊びで蹴っていたんですがヒザを故障しがちになってきました。

 

このような状況では、対人スポーツはどこかで引退しなくてはいけない、と思うようになりました。そこで代替スポーツとして自転車を選びました。

 

興味を持ったキッカケは、都内でミニベロを見かけることが増えて「なんか楽しそう」って思ったから。

 

調べてみたら「有酸素運動&筋肉痛が少ない&関節に優しい」とわかりました。自転車はランニングなどと異なり全体重が特定の筋肉にかからないし、地面からの反動も少なく、筋肉を傷めにくいのです。

 

「これは生涯スポーツになる!」と思い、自転車ショップをハシゴしてメーカーと車種を絞り込んでいきました。

 

ほしい車種が決まったころ、妻も「乗りたい」と言い出したので、ミニベロを2台同時に購入しました。これが2010年の39歳のとき。夫婦で自転車が趣味になりました。

自分のが6万円(ダホンのMu P8、定価は84,000円)、妻のが5万円(ダホンのボードウォーク、定価は66,000円)で計11万円という買い物でした。それまで「ママチャリが19,800円」って価値観だったので価格の高さにぶったまげましたが、趣味にするんだからそれなりの質のもので! と奮発しました。

 

「ノートPC並みの投資だな~、自転車に2万円以上払うって清水の舞台から飛び降りるくらい緊張するな~」って感じたのを覚えてます。

 

走った感想ですが、雷が落ちたくらいの衝撃でした。ママチャリとは比べ物になりません。なんじゃこりゃ~~なんでこんなにスイスイ走るんじゃ~~と感激し、荒川の河川敷を無目的に行ったり来たりしまくっていました。

しかも「自転車は機材スポーツ」なのでカスタムも楽しいのです。

 

自転車は軽くすればするほど走りが快適になるので、軽量パーツに交換して自分好みの1台に仕上げていく喜びがあります。

 

「このパーツをステンレスからアルミにすれば50グラムの軽量化になる……フフフ……」
「細いタイヤに交換して路面抵抗を軽減してみようか……ウフフ……」

 

とカタログを見ながら妄想するのもいとおかし。

 

このへんはうちの妻は理解を示してくれなかったのですが、子どもの頃にプラモデルや工作にハマった経験のある人なら同意してくれると思います。

 

ハマりすぎると諭吉がバンバン飛んでいくので、要注意ではありますが(笑)。

私のミニベロの楽しみ方:小さな旅に出よう

ミニベロがちょっとした移動に便利なマシンであることは伝わったでしょうか。次は私がこのミニベロでしている遊び(半径5km の旅)を紹介していきます。

目的を持つ

サイクリングを趣味にしたのは良いものの、走る場所がわからないという問題はあるあるです。

 

地元であっても、車や電車でしか移動していないと、意外と土地勘に乏しいものです。さらに「自転車で走れるのか? 快適なのか?」は謎です。

 

私は当時埼玉県の川口市に住んでいました。先ほどのとおり最初の3カ月はすぐ近所にある荒川の河川敷だけで満足していましたが、さすがに飽きました。

 

そこで、シンプルに距離を伸ばしました。これも悪くはないのですが、なにかしら目的がないとダレてしまいます。妻も「走るのは楽しいけど、無目的なのはちょっと……」となりました。

 

そこで、オシャレなカフェやご当地グルメ、景色を目的にしてみることに。目的があると頑張れるものです。

 

上尾のホンダエアポートや榎本牧場、川越の小江戸街道、荒川下流の葛西臨海公園、お台場……などに足を伸ばしてみたりも。

このパターンは楽しいので続きましたし、今もこのスタイルが基本になっています。

地元の地図を面で制圧していく

車や電車の旅ってどうしてもスタートとゴール周辺だけを意識する「点から点の移動」になりがちですよね? サイクリングは点と点の線ではなく、面で塗りつぶせるのが特徴です。

 

どういうことかというと、自転車には小回りがきき、駐車場に困らないメリットがあります。これが活きると移動の自由度が圧倒的に高くなるのです。サイクリングの真骨頂とも言えるでしょう。

 

「オセロのように地図を面で制圧していくと、土地勘が研ぎ澄まされていく」ようで純粋に面白い。

 

ただ、遠出はいつか距離と体力の限界が来ます。私の感覚ですが、ミニベロだと片道30キロを超えると辛くなってきますね。

 

そこで、「灯台下暗し……近場のマイナー観光地をリサーチしてみよう」と原点回帰し、地元中心に再発見の探索へ方向転換しました。

正直、これまで見向きもしませんでしたが、よく見るとなかなか興味深い情報が満載で驚かされました。どんな土地にも歴史があります。全国規模の観光ガイドブックには載らなくても、価値のある場所は潜んでいます。

 

私にとって東京都北区ってそれまでは通過点でしかなく、あえて散策することはありませんでした。

 

たとえば、東京都北区の大龍寺には正岡子規の墓があります。

 

北区ではないけど、お隣の豊島区の慈眼寺には芥川龍之介の墓もあります。

さらに慈眼寺のとなりの雑司ヶ谷霊園には、夏目漱石、永井荷風、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の墓が。そして同じく豊島区の染井霊園には二葉亭四迷の墓も。

墓縛りだけでもこんなに開拓できるのです。素晴らしい……!

◇ 参考記事

「自転車以外の興味対象 × サイクリング」で掛け算

「なんだ、墓かよ……」と思ったアナタ、べつに墓でなくてもOKです。

 

私が伝えたいのは「自転車以外の興味対象」をサイクリングに結びつけるマインドです。対象はなんでもよいのです。

 

自分は歴史(史跡、城跡、神社、資料館)を組み合わせることが多いです。よくやるのは神社や寺めぐり。神社は全国におよそ88,000社あり、どこでもまず見かけます。見かけないな~って人がいるとしたら、見落としているだけかもしれませんよ。

家の近くで……って条件からは離れてしまいますが、小説、映画、マンガ、アニメの聖地巡礼もアリですね。

 

複数の興味関心を掛け合わせていくと、「じゃあ今度はあの土地に行ってみよう」という気持ちになってきます。結果的に地域の情報に詳しくなりますし、単純に地元愛も強まります。ミニベロに乗ることで、地元をもっと好きになれたのが本当に良かったです。

ミニベロを買うなら、どれくらいのグレード(予算)を考えたらいいのか?

ミニベロほしいな~って興味が湧いてきたでしょうか。ここからはミニベロを実際に導入する場合のお話をします。まずはおすすめのミニベロのグレードについて。

 

残念ながら、ミニベロの価格はミニではないとお伝えしておきましょう。ママチャリは19,800円~29,800円くらいなので、それと比べると高いと思うかもしれません。

 

ずばり、私の経験を踏まえたうえでの結論を言うと「本体価格で5万円(税抜)は下らない」ようにした方がいいです。できれば8万円(税抜)以上ですね。それだけお金をかけられると、メカ類のグレードがワンランク上がってさらに快適になります。

 

「見た目一緒やん! フレームにタイヤとメカが付いてるだけやん! この価格差はなに?」って訝しむ方もいるかもしれませんが、ノートPCを想像してください。4万円のも15万円のも同じディスプレイサイズで同じ配列のキーボードが付いていて、パッと見では違いがわかりません。でもれっきとした性能差がありますね?

 

快適さ、処理スピードが段違いです。
ミニベロも同じ。値段は嘘をつかないのです。

また初心者の方だと、続けられるかな、などと心配になり最低価格帯のものを選びがちですが、予算が許せば積極的に中の上を選びましょう。目安は「8万円以上」です。

 

とくに体力に自信がない人、筋力に不安のある女性ほど、操作感が軽く、快適に走れてトラブルが起きにくい良質な機材を勧めたいです。

ミニベロを満喫するための注意事項

楽しく、安全に乗っていただきたいので、いくつか注意事項をば。
以下、Q&Aで。

 

(実際の走行においては法律や条例をあわせてご覧ください)

 

Q:地図は読めたほうが良い?
A:読めなくてもOK。グーグルマップのナビゲーション機能でなんとかなります。ハンドルにスマホを取り付けるアタッチメントが便利です。

Q:自転車は左側通行だっけ?
A:そうです! 車やオートバイと同じです。逆走はダメ!

 

Q:ライトは必要?
A:夕方~夜間の走行をするなら用意しておきましょう。夜間の無灯火はダメです。

 

Q:イヤホンはダメ?
A:ゼッタイNG! やってる人は多いですが超危険です。

 

Q:必要な安全装備は?
A:ライト以外だとヘルメットでしょう。努力義務ですが、己の命を守る努力はしましょう。

Q:パンク修理はできるべき?
A:出先でパンクすると戻れないから、できたほうがいいです。が、近所なら徒歩で帰れるし、最悪の場合、タクシーのトランクに積んで帰るのもアリ。経験上、出発前に空気を入れておけば、滅多にパンクしません。

ミニベロで快適に走れる距離って?

体力によりけりですが、ふだん運動しない人でも健康な成人なら30~40キロ(延べキロ数)は余裕かなと思います。

 

不安であれば最初は10キロを走ってみましょう。でも、きっとあまりのあっけなさに驚くはず。20キロでようやく軽く汗ばむ程度です。慣れたら40~50キロと拡張すればOKでしょう。

 

40キロと聞くとびっくりしてしまうかもしれませんが、「40キロはフルマラソンの距離」というイメージがあるからでしょう。ランニングならかなりの訓練を積まなくてはいけない距離も、ミニベロならひとっ走り。圧倒的に少ないエネルギーで移動できてしまうのです。

 

ちなみに自分はサイクリングにハマってからジョギングを一切しなくなりました。だって疲れるじゃないですか……。5km ジョギングするより、ミニベロで50km 走るほうが気分的にラクなうえに運動不足も解消できます。

 

これを言うとたいてい引かれてしまうんですが、自転車好きな人なら「わかるわ~~」と同意してくれるはずです。

ということで、ミニベロのある楽しい生活に飛び込んではみませんか?

 

人生が180度激変する……とまでは言いませんが、人生のQOLが1段階UPする! ことはお約束します。

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