「わかりました」は正しい敬語?上司へのメールや会話で失敗しないための表現とは
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2022年10月13日 10時0分
「わかりました」は正しい敬語?上司へのメールや会話で失敗しないための表現とは
ビジネスシーンで上司やお客様に対して「わかりました」という言葉を使っても良いのか迷ったことはありませんか?目上の人に対しては「わかりました」よりも適切な敬語があるので、知っておくと役立ちます。ここでは、「わかりました」の敬語表現や間違った敬語、正しい使い分けについて解説します。
「わかりました」は正しい敬語?
「わかりました」は敬語ではありますが、上司やクライアントなど目上の人に使用するにはふさわしくありません。初めに、その理由を解説します。
・「わかりました」は丁寧語
「わかりました」は、「理解する、了承する」という意味の動詞「わかる」に、丁寧語「~ます」を付けて過去形にした言葉です。
「わかりました」は日本語として正しい敬語であり、本来誰に対して使っても失礼にはあたりません。しかし、敬意の度合いが低いため相手との関係性によっては不快に感じる人もいるようです。また、幼い印象を与えるためビジネスシーンで使うのはふさわしくないと考えられています。
・「わかりました」を上司・クライアントに使うのは避けた方が安全
そもそも敬語とは、相手に対する敬意を表す言葉です。「尊敬語」と「謙譲語」、「丁寧語」の3種類に分けられ、それぞれ役割が異なります。
・「尊敬語」相手や相手の行動を高めて敬意を表す
(例:いらっしゃる、おっしゃる、なさる)
・「謙譲語」自分や自分の行動をへりくだって敬意を表す
(例:伺う、申す、参る、拝見する)
・「丁寧語」丁寧な言い方で敬意を表す
(例:です、ます、ございます)
このうち、尊敬語と謙譲語は敬意の度合いが高いとされます。ビジネスシーンやフォーマルなシーンで使用するのにふさわしい敬語です。一方、丁寧語は尊敬語や謙譲語と比較して敬意の度合いが低く、目上の人やクライアントに対して使うのは失礼とされることがあります。
「わかりました」は丁寧語にあたるため、社外の人や役職が高い上司など、関係性に開きがある場合は使わない方が安全です。とくに、商談など社外の人が同席しているシーンで、「わかりました」を使うのは避けましょう。ビジネスマナーがなっていないと思われる可能性があります。
一方、年の近い先輩や親しい上司に対して「わかりました」を使用するのは問題ありません。相手との関係性や場面によって敬語の種類を使い分けることで、相手を不快にさせることは少なくなるでしょう。
上司など目上の人に対する「わかりました」の正しい表現
「わかりました」は上司など目上の人に対して使用するのは避けた方が安全だと解説しました。では、目上の人に対してはどのような言葉を使うのが良いのでしょうか?ここでは「わかりました」の適切な言い換え表現を紹介します。
・承知しました・承知いたしました
「承知しました・承知いたしました」は、上司や目上の人に対して「わかりました」と伝えたいときに使う適切な表現です。「承知」には「相手からの依頼・要求を聞き入れること」という意味があります。
「承知する」という言葉には相手に敬意を表すニュアンスが含まれるため、目上の人にも使用できる敬語です。「承知する」に謙譲語である「いたします」を組みあわせることで、より丁寧な伝え方になります。「承知しました」でも失礼にはあたらないため、どちらを使っても問題ありません。
承知しました→社内の上司
承知いたしました→得意先、役職が高い上司
などのように、使い分けるとより良いでしょう。
<例文>
A「来週の月曜日までに会議の資料を用意してくれるかな?」
B「承知しました。準備します。」
A「明日の13時はいかがでしょうか?」
B「承知いたしました。それでは明日13時に伺います。」
・かしこまりました
「かしこまりました」は、「わかりました」の言い換えの中では、最も丁寧な言葉といえます。動詞の「かしこまる」と丁寧語の「ます」を組み合わせ、過去形にした言葉です。「かしこまる」には「謹んで目上の人の言葉を承る」という意味があり、相手への高い敬意を表しています。
そのため、クライアントに対しては「かしこまりました」を使用するのがおすすめです。丁寧な分堅苦しい印象になるため、自分の上司に対しては「承知しました」で十分でしょう。
どちらを使っても失礼にはあたりませんが、より丁寧なのが「かしこまりました」と覚えておくと良いでしょう。
<例文>
A「資料が間違っていたから、明日までに修正してくれますか?」
B「かしこまりました。私の確認不足で申し訳ありません。」
A「こちらに山田様はいらっしゃいますか?」
B「山田ですね、かしこまりました。確認いたしますので少々お待ちくださいませ。」
・承りました
「承りました」も、「わかりました」と伝えたいときに使える正しい敬語です。「承る」は「受ける・聞く・引き受ける・伝え聞く」の謙譲語であり、「相手の言葉を謹んで聞く」「謹んで引き受ける」という意味があります。
伝聞の要素が強く、クライアントからの要望・伝言を受け取ったときに使用するのが一般的です。社内の上司に対するメールや会話ではあまり使いません。
<例文>
A「この商品を100個発注したいのですが」
B「ご注文確かに承りました。準備が整い次第発送させていただきます。」
A「○○株式会社の佐藤と申します。田中さんはいらっしゃいますか?」
B「あいにく田中はただ今不在です。代わりにご用件を承ります。」
「わかりました」を言い換える際に注意すべき言葉
「わかりました」を丁寧に言い換えようとした時の、間違えやすい言い換えは次の2つでしょう。
・了解しました
「了解しました」は、「わかりました」の敬語のつもりで間違って使ってしまいがちな言葉です。了解には「理解して承認すること」という意味があり、意味としては「わかりました」と同じなのですが、目上の人や上司に使うにはふさわしくありません。「了解」には、上の立場の人が目下の人に対して承認するニュアンスが含まれているためです。
「了解しました!」と返事をされると、不快に感じる上司もいます。同僚や部下など立場が対等あるいは下の人に使う言葉だと覚えておきましょう。
<例文>
A(部下)「資料を作成しましたので、チェックお願いします。」
B(上司)「了解しました。本日中にチェックします。」
・了承しました
「了承しました」も「了解しました」と同様に、目上の人や上司に対して使うにはふさわしくない言葉です。「了承」は「納得して聞き入れること」という意味があります。相手のお願いに対して「それでかまいませんよ」と承諾するニュアンスが含まれているため、立場が上の人から下の人に対して使う言葉とされています。
<例文>
A(部下)「恐れ入りますが、来週有給休暇を頂戴できないでしょうか。」
B(上司)「了承しました。ゆっくり休んでください。」
お客様に対しては「かしこまりました」、上司に対しては「承知しました」または「承知いたしました」を使いましょう。
場面や相手によって言葉を使い分けよう
「わかりました」の言い換えや、言い換える際に注意する言葉について説明しました。「わかりました」や「了解しました」といった表現も日本語として間違っているわけではありません。場面や相手との関係性によって言葉を使い分けるのが良いといえます。
例えば、仕事終わりの飲み会で親しい上司に対して「かしこまりました」を使うのは堅苦しい印象を受けます。このようなシーンでは「わかりました」を使うことで、よりスムーズなコミュニケーションがとれるでしょう。
「わかりました」の言い換えについて、主な相手や適切なシーンをまとめました。
「わかりました」の言い換え表現
間違いやすい敬語はほかにもたくさん
「わかりました」「了解です」のような間違いやすい敬語はほかにもたくさんあります。知らないうちに相手を不快にさせることのないよう、間違いやすい言葉を知っておきましょう。ここではそのような言葉を紹介します。
・ご苦労さまです
「ご苦労さまです」は相手を労う意味のある言葉ですが、上から下の立場の人に使うのが一般的だとされています。目上の人に対しては「お疲れさまです」を使うようにしましょう。
・なるほど
相槌として使ってしまいがちな「なるほど」は、上から目線だと捉えられる可能性がある言葉です。語尾に「です」を付けて「なるほどですね」と使ったとしても、敬語にはなりません。目上の人に対しては「おっしゃるとおりです」を使うのが良いでしょう。
・お久しぶりです
「お久しぶりです」は日常的な挨拶表現ですが、ビジネスシーンで使うにはややカジュアルな印象を与えてしまいます。上司や目上の人、クライアントなどに対しては「ご無沙汰しております」を使いましょう。「ご無沙汰」には、連絡をしないままでいたことに対するお詫びのニュアンスが含まれているため、より丁寧に響きます。
まとめ
今回は「わかりました」を上司や目上の人に対して使うのが正しいのかについて解説しました。「わかりました」は丁寧語ではありますが、ビジネスやフォーマルなシーンで使うには適さないといえます。代わりに謙譲語の「承知しました」または「かしこまりました」を使うのが良いでしょう。
敬語は相手との関係性によって使う言葉が違うため、難しいものです。敬語やビジネスマナーについて勉強したい方は、楽天市場や楽天ブックスで敬語に関する本を探してみてはいかがでしょうか。楽天カードで購入すれば、楽天ポイントも貯まります。ぜひチェックしてみてください。
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