温かい湯に浸かりながら銀世界を眺める。公共交通機関を使って行ける「雪見露天風呂」プラン2つ
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2022年12月13日 10時0分
温かい湯に浸かりながら銀世界を眺める。公共交通機関を使って行ける「雪見露天風呂」プラン2つ
温泉に詳しい月山ももさんが、露天風呂から雪景色を見ることができる「雪見露天風呂」のプランを2つを紹介します。一つは山形県蔵王温泉 の「深山荘高見屋」を中心にしたプラン、もう一つは新潟県赤倉温泉の「赤倉観光ホテル」を中心にしたプランです。
こんにちは。山と温泉を愛する一人旅ブロガー、月山ももと申します。
会社勤めの傍ら、暇さえあれば一人で日本各地の温泉や山に出かけ「山と温泉のきろく」なるブログを更新しています。
このたび、みんなのマネ活編集部から「首都圏から行きやすい、雪見露天風呂が楽しめる温泉旅館を教えてほしい」という相談をいただきました。
私自身は雪国で生まれ育っていたので、個人的には雪景色に対するあこがれはとくになく、雪見露天風呂を求めて旅をしたこともありません。しかし、東北地方や甲信越地方温泉をめぐる中で、雪見露天風呂に入る機会はけっこうありました。温かい湯に浸かりながら銀世界を眺めるのは悪くない体験だと、こんな私でも思います。
さて、いざ首都圏から雪見露天風呂を目指そうとすると「首都圏から行きやすい」というのも悩ましいのです。
大前提として雪が降る地方でないといけません。北関東くらいだと年によっては確実に雪見露天風呂を楽しめるほどの積雪がないこともあり、東北地方や甲信越地方の、できれば山沿いの温泉まで行きたくなります。そうなると車の運転も大変ですし、雪の中を歩いて移動するような場所は避けたい方は多いのではないでしょうか。
そこで「行きやすさ」を考慮し、以下のような条件で雪見露天風呂が楽しめる場所を考えてみました。
●公共交通機関で行ける
●首都圏から1泊2日で行ける
●雪の中を長々と歩く必要がない
この条件内で、冬のあいだ高確率で雪が積もる地域の温泉地を選びましたが、それでも「雪景色」は自然のものですから、確実に望んだ通りの景色が見られるとは限りません。そこでさらに「雪見露天風呂以外の周辺アクティビティも楽しめる」場所を選ぶことにしました。
これらを考慮してあがってきたのが以下の2軒の温泉宿です。
●山形県 蔵王温泉 深山荘高見屋
●新潟県 赤倉温泉 赤倉観光ホテル
ここからは、この2軒に泊まって雪景色を楽しむ旅のプランを2つ、ご紹介したいと思います。これから旅行を考えている方の参考になりましたら幸いです。
山形県 蔵王温泉 深山荘高見屋とロープウェイで樹氷観賞コース
最初にご紹介するのは、山形県山形市の東南部にある、蔵王温泉の宿「深山荘 高見屋」に泊まるコースです。
深山荘 高見屋のある蔵王温泉までは、東京駅から新幹線で3時間弱の山形駅からバスで向かいます。宿泊後には、ロープウェイを利用して「蔵王の樹氷」を観賞し、駅ビルで地酒が飲めるお気に入りのお店もご紹介します。私が2月に訪れた様子とあわせてどうぞ。
山形駅から宿に向かうにつれ徐々に深まっていく雪
山形新幹線を山形駅で下車し、駅前のバスターミナルから蔵王温泉行きのバスに乗ります。
山形駅前は路肩にわずかに雪が残る程度の積雪でしたが、バスが蔵王温泉に向けて標高を上げていくうちに、気がつけば窓の外はすっかり雪景色に。
標高860メートルの蔵王温泉バスターミナルでバスを下りると、路面にもしっかりと雪がついた状態でした。
ここから宿までは徒歩10分ほど。バスの到着時刻を連絡しておけば迎えに来てもらえますので、雪道を歩く必要はありません。ただ、この日は時おり晴れ間がのぞく、そう悪くない天気だったので宿まで歩いていきました。
共同浴場やお土産屋さんが並び、湯けむりがあちらこちらから立ち上る緩やかな坂を上っていくと…。
本日のお宿「深山荘 高見屋」に到着。
玄関までの道にものすごく雪が積もっています。私は雪国育ちなので「毎日の除雪が大変そう…」と思ってしまいますが、これも雪国ならではの風情でしょう。
今回は一人旅なので一人用の和室を予約していたのですが、この時はたまたま空室があったそうで、広い部屋に案内していただきました。
冷蔵庫にはウェルカムドリンクの100%フルーツジュース「山形代表」が入っています。
この「山形代表」には、りんごやぶどうなど、さまざまな種類があるのですが、今回初めて「もも」が入っていてちょっとうれしい。甘く濃厚なももジュースで喉をうるおしてから、さっそくお風呂に向かいます!
2種類の源泉のお風呂を楽しめる。雪見露天風呂は屋根つき
深山荘高見屋さんには、男女別の大浴場が2カ所ずつあり、滞在中に男女の浴室が交換になります。全部で4つの大浴場を楽しめるという充実ぶり。
まずは昔ながらの木造りの浴室「長寿の湯」へ。青みがかった濁り湯、強酸性の硫黄泉です。
静かに身を浸すと体にまとわりつくような感覚のある、濃厚な源泉。酸性度がかなり高いので、長湯すると皮膚にぴりっとした刺激を感じることもありますが、それがまた「効いてる!」感じがして良いのです。
さて、雪見露天が楽しめるのはもう1つの大浴場「せせらぎの湯」になります。こちらの浴室は長寿の湯とは異なる源泉を使用しており、酸性硫黄泉ですが緑がかった透明なお湯です。浴感もあっさり目で長湯向き。
この露天風呂は屋根があり、大きな窓から雪景色を眺めるような造りになっています。
蔵王のような積雪量の多い場所では、屋根のない開放的な露天風呂は雪が吹き込んだり積もったりしてお湯の温度がどんどん下がってしまいます。そのために冬季は閉鎖されてしまうことも多いです。
このように屋根のあるタイプの露天風呂であれば、真冬でも問題なく雪見露天風呂を楽しめます。天気が悪くなっても問題ないでしょう。温かいお湯に浸かりながら、絵画を眺めるような気分で降り積もる雪をいつまでも眺めていました。
夕食には山形県産食材を使った料理と地酒
高見屋さんでのお楽しみは、もちろんお風呂だけではありません。夕食では山形県産の食材をめいっぱい使った夕食を、山形の地酒とともにいただきます。
窓の外を眺められる席に案内していただきました。長く垂れ下がるつららが迫力ありますね。
ドリンクオーダーはタブレットで。大きな声を出す必要もなく、お酒の説明もしっかり書いてあるので選びやすく注文しやすいです。
地酒の利き酒セットが複数種類用意されているのもうれしいポイント。「プレミアム地酒3種利き酒セット」を注文すると、スタッフの方がタブレットに書かれていた説明よりもさらに詳しく、それぞれのお酒と酒造について説明してくださいました。
地鶏と高原野菜の鍋で体の中から温まっていきます。
ボリュームたっぷりの「蔵王牛と米の娘豚の陶板焼き」でお腹いっぱい。
朝食には「芋煮」と炊きたてのご飯
翌日の朝食も同じ席でいただきます。色とりどりのおかずとともに、炊きたてのご飯が入った土鍋がテーブル毎に置かれています。
指定した時間に合わせて炊き上げたばかりのつやつやのご飯。
山形名物の芋煮と一緒に朝からたくさん食べてしまいました。芋煮は牛肉がたっぷり入っていてかなり豪華です。朝食後はチェックアウトの時間までのんびりと過ごします。
蔵王ロープウェイに乗り蔵王の樹氷を観賞
冬の蔵王温泉に泊まった後に時間があれば、通年営業している蔵王ロープウェイに乗って、有名な「蔵王の樹氷」を見に行くのがおすすめです。
ちなみに、蔵王温泉バスターミナルからロープウェイ乗り場までは、徒歩10分ほどです。今回は宿の車で送っていただいたのですが、帰りは雪の中を歩くことになります。雪の中を歩くことを避けたい方は注意してください。
天気が悪いと何も見えないので、風が強くない日にしっかり防寒して行く必要があります。
ロープウェイ「山麓線」と「山頂線」を乗り継いで、標高1,661メートルの地蔵山頂駅に。
駅から一歩外に踏み出せば、周囲に樹氷の群れを眺めることができます。
この日に雪は降っていなかったものの、ロープウェイに乗ったタイミングでは曇り空。
青空を背景に樹氷の写真を撮ることは難しいかな…と半分諦めていましたが、地蔵山頂駅から外に出ると時おり風で雲が途切れて、青空が顔を出す瞬間がありました。
帰路の新幹線の時間を待つ間に駅ビルでちょい飲み「居酒屋澤正宗」
樹氷を見た後はロープウェイで蔵王温泉に戻り、バスで山形駅へ。新幹線の時間まで、山形駅の駅ビル「エスパル山形」1階にある「居酒屋澤正宗」へ行ってみるのはいかがでしょうか。
こちらは「澤正宗」などの日本酒を醸造している「古澤酒造」が営む居酒屋さんで、古澤酒造のさまざまな日本酒をリーズナブルに楽しめるほか、山形の郷土料理や山形県産の食材を使った料理が楽しめます。
私は古澤酒造の「美田美酒」というお酒が好きなので、5種類のお酒から3種選べる「おためし3種セット」を注文し、もちろん美田美酒もいただきました。帰る前に1杯いただけるのも、公共交通機関を使った旅の醍醐味ですよね。
つまみは「鯉のうま煮」。山形県の郷土料理です。骨まで柔らかく煮てあり、甘辛い味付けが辛口の日本酒によくあいます。
「山形牛のメンチカツ」。箸を入れると肉汁が溢れてくるジューシーなメンチカツで、お腹もいっぱいになりました。
このほかにも、山形のだしをのせた冷や奴や芋煮、そばや海鮮丼などお腹にたまるメニューもそろっていますので、お酒を飲まない方にもぜひ立ち寄っていただきたいです。
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