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個別株・仮想通貨・FX…7回の失敗を経験した投資熊さんに聞く、投資初心者が知っておくべき失敗を回避するポイント

楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2022年12月29日 10時0分

個別株・仮想通貨・FX…7回の失敗を経験した投資熊さんに聞く、投資初心者が知っておくべき失敗を回避するポイント

個別株・仮想通貨・FX…7回の失敗を経験した投資熊さんに聞く、投資初心者が知っておくべき失敗を回避するポイント

インターネットで多くの投資情報を手軽に得られるようになった一方、絶えないのが詐欺被害です。今回お話をうかがう投資熊さんは、個別株から仮想通貨、FXとさまざまな投資を経験する中で、何度も失敗や詐欺被害にあった経験の持ち主。今はその経験をもとに、同様の失敗をする人を減らすための情報発信を行っています。投資熊さんの失敗経験、初心者が気を付けるべきポイントについて伺います。

ダブルコアとサテライト戦略で投資中

マネ活編集部:まずは投資熊さんの活動内容をご紹介いただけますか?

 

投資熊さん:とある大手企業の営業職を本業としています。投資を始めたのは2016年6月ですが、きちんと勉強をして本格的に向き合い始めたのは2020年5月ですね。その頃に「投資熊」として主にTwitterでの発信も始めました。熊として、癒しとかゆいところに手が届く情報をモットーに発信を続けています。

 

マネ活編集部:現在の投資ポートフォリオをお話しできる範囲で教えていただけますか?

 

投資熊さん:理解しやすいよう、まずは投資戦略について説明しますね。私は勝手に今の自分の戦略を「ダブルコアとサテライト戦略」と名付けています。要はコアが2つ、サテライトが1つという意味なんですけれども。

 

1つ目のコアは基本的には死ぬまで持ち続ける長期的な投資をする銘柄。2つ目のコアは、今後ずっと握っていられる銘柄かつリターンが期待できる銘柄。サテライトはリターンを得るために割と何でもやっているという感じです。これまではコア1つサテライト1つだったのですが、コアが安定してきたため、リターンを狙って攻めた銘柄を第2のコアに据えようと、2022年9月ごろから今のスタイルで投資をしています。今のところいい感じです。

 


日本株と米国株の両方を持っていまして、日本株は個別株、米国株はETF(上場投資信託)ですね。

7回の失敗を経て、本格的に投資に向き合うように

マネ活編集部:もともと、2016年に投資を始められたきっかけは何だったのでしょうか。

 

投資熊さん:端的に言ってしまえば、少しでもお金が欲しかったからです。根底に「家族を少しでも楽にしてあげたい」という想いが強くありました。ごく普通の家庭で生まれ育ち、特段お金に困る生活をしてきたわけではないのですが、やっぱり生きていくうえでお金の制約を感じることはあるんですよね。

 

私は私立大学だったので、未だに奨学金を返済していますし、家や車を買うときにはたいていローンを組みますよね。そんな具合で、お金のことをまず大枠に置き、そこに自分をあわせていくみたいな生き方を少しでも変えられたらいいなと。お金はいくらあっても困らないですし。ただ、最初は正直何も考えずに始めました。ですから、何度も失敗してしまったんです。

 

マネ活編集部:では、ここから投資熊さんの投資失敗遍歴についてお話していただこうと思います。大きく7つの失敗をされているそうですが、順を追ってお話いただけますか?

 

投資熊さん:はい。まず1回目は個別株です。高配当株に手を出しまして。たぶん、今でも投資を始めたばかりの人が最初に目を付けるのが高配当株なんじゃないかなと思います。別に高配当株自体が悪いわけじゃないんですよ。ただ、自分が死ぬまでずっと配当を出してくれるような会社かどうかをしっかり選ばないといけないんですよね。当時の私は何も考えずに買いやすい高配当株を買ってしまいまして、たまたま業績悪化と保有時期が重なってしまったんです。株価がどんどん下落して、配当も減っていって、耐えられずに損切りしてしまったという苦い思い出があります。

 

マネ活編集部:この失敗から、どのような学びがありましたか?

 

投資熊さん:当たり前のことですが、やっぱりちゃんと考えないとダメなんだなと。このときは自分が知っている会社であり、一株当たりの単価が安いという理由で買ったんですよね。配当利回りも当時4%くらいと結構高かったのもあって。当時は今みたいに1株ずつ買えると知らなかったので、100株1単元で買ったんですよ。ですから、1株当たりの単価の安さも重要で買ったんですが、想定している運用期間の中で配当を出し続けられる余力があるのかどうかを調べ切れていなかった。これが失敗の要因ですね。

 

マネ活編集部:続きまして、2回目の失敗ですね。

 

投資熊さん:仮想通貨、第1回目の失敗です。

 

マネ活編集部:ということは、複数回の失敗があるということですね。

 

投資熊さん:おっしゃるとおりです。これも勉強不足が原因ですね。どうやらビットコインが儲かるらしいという情報だけ聞いて、すぐ買ったんですよ。でも、思ったほど値動きがない。なんだ、つまんないじゃないかと思って、数日でビットコインを売却し、モナコインという当時話題になっていたものを買ったんです。

 

モナコインは2カ月後に大暴騰し、33倍近くまで膨れ上がりました。ここで利益を確定しておけばよかったのに、さらに欲を出して売買しているうちに、大暴落。結果、ほぼ100%近い資金を溶かしてしまいました。

 

マネ活編集部:そして3回目ですね。

 

投資熊さん:次はポンジスキーム案件に引っかかります。当時、ものすごく稼いでいる凄腕トレーダーが現れ、プロジェクトを立ち上げたんです。月利20%はいけるという案件で、この人を信じてお金を出したんですね。で、最初の1カ月くらいは増えている感じがしていたんですが、2カ月くらいに突然プロジェクトの口座のお金がゼロになり、主催者が飛んで連絡がつかなくなったんです。

 

マネ活編集部:頭が真っ白になりそうですね。

 

投資熊さん:私は性格的に憶病なので、幸い生活が破綻するような高額なお金をつぎ込んではいなかったんです。今思うと半信半疑なところもあったんだと思います。ですから金銭的なダメージは少なかったんですが、それでもやっぱり落ち込みますよね。被害者の会のようなものを作り、情報交換なんかもしたんですが、どうにもできませんでした。

 

マネ活編集部: 続く4回目の失敗は何でしょうか。

 

投資熊さん:仮想通貨、第2回目の失敗です。ネット上の掲示板で有名インフルエンサーがこぞって「これは近いうちに数千倍、数万倍は確実だ」とさわいでいたものを買ったんですが、翌月には大暴落がきて、全部損切りしてしまいました。ここで仮想通貨には1回懲りて、次に手を出したのがFXです。これで5回目から7回目の失敗をします。

 

マネ活編集部:FXで3回の失敗を経験しているんですね。これらの内容は?

 

投資熊さん:本質は過去の失敗と一緒ですね。何も勉強せず、今度はFXが儲かるらしいという情報に飛びついたんです。一撃で何百万とか稼いでいる人を見てしまい、「俺もいけるのかな」と思ってしまった。まあ、ダメですよね。結果的に3回ゼロカット(証拠金以上の損失による口座残高のマイナス分を、海外FX業者が相殺してくれる仕組み)が発動して退場することになりました。

 

で、勉強してから再チャレンジすればいいのに、勉強しないまま、取引する通貨を微妙に変えて再投資し、また翌月に退場。また通貨を変えて挑戦し、1カ月足らずで退場。合計7回失敗したというわけです。ただ、ポンジスキーム案件のときと同じく、どの投資でも投資額は少額だったので、金銭的な失敗額は膨大なわけではありませんでした。とはいえ、精神的にダメージは受けるものですが。7回の失敗を経て、ようやくちゃんと勉強して投資しようと思い、本格的に投資を始めたという経緯ですね。

 

マネ活編集部:ここで初めて「ちゃんと勉強しよう」となったのはなぜですか?

 

投資熊さん:自力でやれるものは一通りやったからですかね。それでダメだったので、やっぱり勉強して考えながら投資しないと成功しないんだと身に染みて思えたといいますか。あと、ちょうどこの時期は2020年5月で、緊急事態宣言が出ているしゴールデンウィークだしで、家から一歩も出ない生活を送っていたんです。ですから、自分と向き合う時間が取れたんですよね。そこから、投資もちゃんと考えてやろう、真面目に勉強して取り組もうと姿勢が変わったんです。

 

本格的に投資を始めてインデックス投資を知ったこと、最初に取り組んだのが高配当株だったこともあり、コアの考え方がしっくりきました。そこから、少しでもお金を増やしたいということからサテライトで市場平均を少しでも超えていくという考え方に行き着いています。

 

投資初心者が知っておくべき失敗回避のポイント

マネ活編集部:その後、投資熊さんはどのように勉強を進めたんですか?

 

投資熊さん:インターネットで調べたり、本をちょっと読んだりしたくらいで、あとは自分で考えることのほうが多かったですね。7回の失敗で、何となく危ないものをかぎ取る動物的な感覚が培われたのもあって。さらに臆病になったのもありましたしね。ノリや勢いで投資しなくなったのが1番大きな変化かもしれません。

 

マネ活編集部:ご自身の経験から、どうすれば初心者が大きな失敗をせずに済むと思いますか?また、詐欺被害に遭わないようにするにはどうすれば良いでしょうか。

 

投資熊さん:まず失敗を防ぐには、「リターンとリスクは表裏一体」だと意識することが大切だと思います。むしろ、これに尽きるでしょうね。大きなリターンを得ようとすれば、もちろんそれだけリスクも大きくなるわけです。株式やFXにはプロを含む凄腕トレーダーがうじゃうじゃいるわけで、そう簡単に自分が都合よく勝てるわけはないんですよ。

 

例えば、私の場合は仮想通貨で爆発的なリターンを得るためにマイナーな銘柄に張りましたが、結果すぐに暴落してほぼ全額の損失を出してしまいました。FXも、自分が張った方向と逆に大きく動いてしまったことで、一気に全額持っていかれてしまったんですよね。私は元の投資額が少額だったので致命的なことにはなりませんでしたが、金額によっては本当に大損してしまうおそれがあったわけです。「リターンとリスクは表裏一体」、意識しておきたいですね。

 

マネ活編集部:詐欺についてはいかがですか?

 

投資熊さん:3つのポイントを知っておきましょう。1つ目は「相場を知ること」。2つ目は「世の中は基本的にギブアンドテイクで動いていること」。3つ目は「何の努力もなしにお金持ちになれたり、人生逆転することはあり得ないこと」です。

 

まず1つ目の「相場を知ること」ですが、例として米国株のS&P500であれば、過去10年の平均リターンは約14~15%、月利で1%ぐらいなんですね。高配当株のいいところの相場は配当利回り3~4%あれば十分といった感じなんですよ。こうした相場を知らないと、詐欺師がそれらしいデータを出してきたときにころっと騙されてしまうんですよね。

 

S&P500の月利は約1%とお話しましたが、詐欺師は20、50、70といった数字で話をしてくるんですよ。相場を知らないと、月利20%って大したことないじゃんと思って騙されてしまうんですよね。1万円が1万2,000円程度になると聞くと、あり得そうに思えるんですが、月利20%は1万円を10年寝かしたら約32兆円になる計算になるんじゃないかな?そう聞くと、あり得ないと思えますよね。

 

最近は詐欺師もかなり巧妙にそれらしいデータを出してくるので、騙されないためにも相場を把握しておくことは大事です。

 

マネ活編集部:ポンジスキーム案件での失敗のときは、ご自身もそういったデータに騙されてしまった?

 

投資熊さん:はい。知識なんてなかったときですからね。バラ色の未来を夢見ちゃったんですよ。で、2個目の「ギブアンドテイク」です。身近なところでいうと、お金を出してものを買う仕組みだってギブアンドテイクですよね。このシステムで世の中は成り立っているわけです。でも、詐欺師は「みんなを幸せにします」とか「私と一緒に高みにのぼりましょう」みたいに、いかにも善人のような言動をする傾向にあります。そんなわけないんですよ。

 

その話の裏には、必ずその相手のメリットがある。いきなりうまい話が飛び込んできたら、その相手にはあなたよりも多くのメリットが得られるんだと思ったほうがいいです。

 

マネ活編集部:最近の詐欺師に何か傾向や特徴はありますか?

 

投資熊さん:大枠は昔から変わらず、人間の欲望をくすぐる感じのものが多いですね。ポンジスキームもそう。楽にお金持ちになれるということですから。カテゴリー的には、投資と副業関係の詐欺が多いです。副業なら「3カ月で月収50万円」、投資なら「月利20%」とかですね。

 

具体的な騙し方はどんどん巧妙になりつつあります。昔は詐欺だとわかりやすいものが多かったんですが、今はデータが出されていて、そのデータも実は100%嘘ではなかったりするんです。いい条件が重なったらあり得る数値だったり、不利な条件を出していないけれど嘘はついていないデータだったり。

 

例えば、すでに出ているデータでやっていたり、ごく一部、1日とか数日だけのデータを切り取っていたり。あとは下のほうに小さな文字で※の注釈がいっぱい書いていたりですね。月利20%も、その数値が出る瞬間はあるかもしれません。ただ、騙される側は運用期間ずっと20%なんだろうと思ってしまう。結果、思ったよりも儲からないという不幸が起きるわけです。

 

マネ活編集部:そのほか、初心者の方に何かアドバイスはありますか?

 

投資熊さん:私が特にお伝えしたいのは、投資を始める前に自己分析をすることです。投資を通して何を成し遂げたいのか。運用期間はどの程度で、どれくらい儲けたいのか。儲けたお金で、人生をどう豊かにしていきたいのかといった人生設計をしてみる。あとは好きなこと、嫌いなこと、リスク耐性といったことも考えてみましょう。

 

投資に関しての好き嫌いでいうと、配当と株価の値上がり、どちらが好きなのかとかですね。あとは長期でコツコツするのが好きなのか、とか。そうしたことを考えると、自分の軸が見えてくるんですよ。軸が決まれば、あとは銘柄を選ぶだけです。

 

今はネット上に本当にいろいろな情報があるので、軸がないとあらゆる情報に振り回されてしまうんですよね。その結果、そのたびに高値掴みしては失敗する、という繰り返しになってしまう。

 

投資にはさまざまな手法があり、どの手法もきちんと学んでやればリターンを出せるチャンスはあるんです。大切なのは、自分の性格や趣向にあっているかどうか。その見極めのためにも、自己分析をして軸を見つけてから投資を始めてほしいと思っています。

 

今後も役立つ発信を継続したい

マネ活編集部:最後に、投資熊さんの今後の展望についてお聞かせください。

 

投資熊さん:発信を続けて2年半ほど経ちました。特に数値目標はありませんが、今後も引き続き役に立つ発信をがんばって続けていきたいと思っています。

 

投資方針も特に変わりはないですね。地道だけれど着実に資産を増やしつつ、市場平均を上回る可能性のある投資も一定割合続けていきます。ただ、どのような投資であろうとも、以前のように周りの雰囲気や流行りにただ流されるのではなく、自分で調べて検討した上で取り組んでいきたいです。

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