エシカルとは?言葉の意味や私たちにできるエシカル消費の具体例を解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年3月24日 10時0分
エシカルとは?言葉の意味や私たちにできるエシカル消費の具体例を解説
最近よく耳にする「エシカル」という言葉。環境に関係するのだろうという漠然としたイメージは抱いていても、具体的な説明はできないという方も多いでしょう。ここでは、エシカルが持つ意味とエシカル消費について解説します。
エシカルとはどういう意味?
「エシカル」とは、直訳すると「倫理的な」「道徳的な」などの意味を持つ英単語です。簡単にいうと、「人として正しいこと」「良心的・公平に考えること」という意味がある言葉だと考えると良いでしょう。
近年では、主に「エシカル消費」「エシカル商品」という言葉で用いられ、地球環境や人、社会、地域に配慮していることを指します。
例えば、以下のような行動はエシカルといえます。
- オーガニック素材・リサイクル素材を使った商品やサービスを選ぶ
- 開発において動物実験が行われていない商品を選ぶ
- フェアトレード商品や労働者に充分な賃金が支払われている商品やサービスを選ぶ
- 社会貢献(寄付など)に繋がる商品やサービスを選ぶ
- 地産地消する
- 食品ロスを減らすために無駄な食品は購入しない
商品やサービスを使う人だけでなく、ものづくりやサービスに関わる人が、地球にやさしい行動や考え方に沿っていることがエシカルだといえるでしょう。
エコやサステナブルとの違い
「エコ」や「サステナブル」という言葉がエシカルと同じような意味で使われることがあるので、ここで整理しておきましょう。
「エコ」とは、生態学・自然環境を意味する「エコロジー」の略で、「環境にやさしい」といった意味で使われます。環境に良い行動をしたり、エネルギー消費を抑えたりする取り組みがあります。
「サステナブル」は「持続できる」といった意味です。具体的には、地球の環境を壊さずに、未来も平和に暮らしていける社会を維持するといった意味合いで使われます。
どの言葉も地球環境に配慮している点では同じですが、エシカルが地球環境や人、社会、地域に配慮した包括的な行動原理を意味するのに対し、エコとサステナブルは地球環境の維持を目的とする具体的な行動様式を提示しています。
エコは地球を持続可能(サステナブル)にするための取り組みの一部と考えることができ、サステナブルの取り組みの大部分はエシカルな行動と一致するといった関係性が見えてきます。
エシカルが注目されている理由
近年、エシカルの考え方が急速に広まり、日本でもその取り組みが意識されるようになりました。なぜこんなにもエシカルが注目されるようになったのか、その理由は大きく分けて2つあります。
地球環境の問題
経済活動の発展により地球温暖化が進んだともいわれており、異常気象、陸・海の資源の枯渇、生態系の破壊などさまざまな問題が指摘されるようになりました。このような状況を改善するための試みがエシカル消費です。
例えば、安価で手に入りやすいファストファッションは、化学的な素材や染料が使用されていることが多く、環境破壊が進みます。さらに、流行にあわせて短期間で大量に生産・消費されるため、大量廃棄の問題にも関係してくるでしょう。このような問題を認識し、環境に配慮した商品を選んで、少しでも地球環境の改善に貢献したいと思う人が増えています。
社会問題
エシカルな取り組みがターゲットにするのは、環境問題だけではなく、社会問題にも注目します。私たちが消費する食料品や服飾品、日用品の原材料の中には、開発途上国で生産されているものが多くあります。安く購入できる商品の生産の背景には、開発途上国の労働者の不当な低賃金や強制労働、児童労働などといった問題が潜んでいると考えられるのです。
そのため、貧困に苦しんでいる人たちの労働環境改善にも気を配って生産された商品に関心が集まっています。
エシカル消費、私たちにできることとは?
エシカル消費は、私たち個人でもできることばかりです。ここでは、具体例を紹介します。
人や社会に配慮した商品やサービスを選ぶ
人や社会に配慮した商品やサービスを選ぶことは、エシカル消費の代表的な例です。具体的には、「フェアトレード商品」が挙げられます。フェアトレード商品とは、開発途上国で生産された原料などを、適正な価格で取り引きした商品のことです。フェアトレード商品を選んで購入することで、低賃金で働く人たちの労働環境の改善や経済的自立に繋がります。
このほか、障がい者が生産に関わっている商品、バリアフリー製品の開発に取り組んでいる企業の商品を購入することも、人や社会に配慮したエシカル消費のひとつです。
地域に配慮した商品やサービスを選ぶ
地域に配慮する商品やサービス選びで、誰もがすぐに取り組みやすいのが「地産地消」です。地元で採れた野菜や肉、海産物などを購入することで、地元の生産者の応援になるだけでなく、地域の活性化、輸送のためのエネルギーを減らせるなどのメリットがあります。
被災した地域の復興支援のために、特産品を積極的に購入するなどの「応援消費」もエシカル消費です。東日本大震災をきっかけに大きな広がりを見せました。
環境に配慮して消費する
環境に配慮した消費には、さまざまな方法があります。例えば、環境負荷が少ないと認定された「エコマーク」や適切に管理された森林の木材で作られた証しである「FSC認証」が付いている商品を選ぶことなどが挙げられます。
化粧品や服飾品も、自然由来の原材料を使用しているオーガニック製品を選ぶと良いでしょう。環境だけでなく人や社会にも配慮した「エシカルファッション」「エシカルコスメ」も増えてきています。
そのほか、以下のような取り組みも、エシカル消費です。
- マイバッグ・マイボトルを利用する
- 必要な食品や商品、サービスを必要な量だけ購入する
- 食べ残しを減らす
- ゴミの分別を徹底する
- プラスチック製品(使い捨てストローやスプーンなど)はなるべく使わない
- 節電や省エネを心がける
これらのことにすでに取り組んでいるという方も多いのではないでしょうか。日々のちょっとした取り組みも環境に配慮したエシカル消費になります。
エシカル商品の選び方
地球環境や人、社会、地域に配慮した商品を選ぶのが良いことはわかったとしても、具体的にどういう商品を選べば良いかわからないという方も多いでしょう。エシカル商品の具体的な選び方を紹介します。
認証ラベルを知る
商品に付けられた「認証ラベル」を見て購入することで、簡単にエシカル商品かどうかを見分けられるようになります。認証ラベルとは、第三者機関が基準に適合しているかを審査し、認めた商品に付けられるマークのことです。
エシカルの分野でもさまざまな種類があり、前述の「フェアトレード商品」や「エコマーク」「FSC認証」をはじめ、地球環境や人、社会、地域に配慮されていることを認証するラベルが多くあります。商品選びの際に、これらの認証ラベルが付いているかをチェックしてみましょう。
- 国際フェアトレード認証マーク
- エコマーク
- 有機JASマーク
- FSC認証
- MSC認証(海のエコラベル)
- レインフォレスト・アライアンス認証
- GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)
楽天グループの「EARTH MALL with Rakuten」は、エシカルな認証商品を中心にセレクトしたショッピングサイトです。エシカル商品にどのようなものがあるのか気になる方はぜひチェックしてみてください。
エシカルを推進する企業の商品やサービスを選択する
エシカルな取り組みを行っている企業の商品やサービスを選ぶことも、私たちができるエシカル消費のひとつです。エシカルに取り組む代表的な企業を紹介します。
- キリンホールディングス:生物資源・水資源・容器包装・気候変動に関する取り組み
- スターバックス コーヒー ジャパン:フェアトレード対象製品の取り扱い
- 日本マクドナルドホールディングス:食品廃棄削減の取り組み
- 花王:サステナブルな社会に向けた環境への取り組み
エシカルファッションとは?
主なエシカルの認証ラベル
エシカル商品の中で特に注目を集めているのが「エシカルファッション」です。エシカルファッションの基準やエシカルファッションのブランドを紹介します。
エシカルファッションの基準
エシカルファッションとは、地球環境や生産者にも配慮して作られたファッションのことです。コットンやウール、麻といったオーガニック素材やリサイクル素材で生産された装飾品などが挙げられます。また、素材の生産過程や縫製など服作りに関わる人の労働環境に配慮して作られた装飾品もエシカルファッションといえます。
ファッションアイテムのタグを見ても、そこに原材料や生産体制などについての詳しい情報が記されているわけではありません。しかし、エシカルに関わる認証マークが付いたアイテムを選ぶことで、エシカルファッションを取り入れることができるでしょう。
「GOTS」というマークは、オーガニック織物製品に関する国際認証マークです。GOTS認証を受けた服飾品は、原料の70%以上がオーガニック素材であり、加工・製造・流通の過程において環境と社会に配慮された方法が実行されています。エコマークやフェアトレード認証マークが付いた服飾品も、エシカルファッションのひとつです。
また、エシカルファッションに取り組んでいる企業が作っている商品を選ぶことも、エシカルファッションといえます。
エシカルファッションに取り組んでいるブランド
ここでは、エシカルファッションに取り組んでいる代表的なブランドを紹介します。
- Patagonia(パタゴニア)
- NIKE(ナイキ)
- Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)
- People Tree(ピープルツリー)
- H&M(エイチアンドエム)
- Stella McCartney(ステラ マッカートニー)
それぞれのブランドの取り組みなどを見て、理念に共感したら積極的にファッションに取り入れてみてください。
エシカル消費とSDGs
エシカル消費は、SDGsにも深い関わりがあります。2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」であるSDGsは、より良い世界を目指す世界共通の目標です。全部で17の目標が掲げられていますが、その中でもエシカル消費と関係がある目標は以下のとおりです。
- 目標1「貧困をなくそう」
- 目標10「人や国の不平等をなくそう」
- 目標12「つくる責任、つかう責任」
- 目標14「海の豊かさを守ろう」
- 目標15「陸の豊かさも守ろう」
これらの目標は、「フェアトレード商品を購入する」「エシカルファッションを取り入れる」「地産地消に取り組む」といったエシカルな行動で達成が可能です。エシカルを生活に取り入れることで、世界共通の目標であるSDGsにも貢献することができるのです。
できることから始めよう
エシカル消費とは、地球環境や人、社会、地域に配慮した消費行動です。エシカル商品やサービスを意識して購入することや、マイバッグを持参する、節電を心がけるなど私たちの日常の行動がエシカル消費に繋がります。地球や社会のために、できるところから少しずつ始めてみましょう。
楽天グループの「環境保全支援グリーン募金」は、気候変動対策や持続可能な社会づくりをはじめとする環境保全の取り組みに活用されます。楽天カードや楽天ポイントでも寄付できるので、ぜひチェックしてみてください。
※この記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しております。
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