オブザーバーとは?役割や必要性とアドバイザーとの違いを解説
楽天お金の総合案内 みんなのマネ活 / 2023年5月31日 10時0分
皆さんは「オブザーバー」という言葉の意味を知っていますか?ビジネスシーンでは耳にする機会も多く、その意味や役割を理解しておかなければいけません。ここでは、オブザーバーの言葉の意味について、役割や必要性なども交えて解説します。
オブザーバーとは
オブザーバーとは、「傍聴人」や「立会人」などを意味し、英語の「observer」が由来で、ビジネスシーンで多用される言葉です。オブザーバーの意味や由来をもう少し詳しく解説します。
オブザーバーの意味
オブザーバーは、会議・プロジェクトなどの進行を第三者として見届ける立場にある人のことです。基本的には、会議・プロジェクトに直接的に関与することはなく、あくまでも中立的な立場です。そのため、会議・プロジェクトでの表決権はありません。
オブザーバーの由来
英語の「observer」は、「観察者」や「観測者」「監視者」「傍聴人」「立会人」などの意味があります。日本のビジネスシーンで使われる意味と英語の意味で大きな違いはありません。
オブザーバーの使い方
オブザーバーは、実際には以下のように使われます。
- 次の会議には、オブザーバーとして参加してください。
- このプロジェクトの問題点について、オブザーバーの意見も確認します。
オブザーバーは、ビジネスシーンでは会議・プロジェクトなどで使われ、耳にする機会が多くあります。一方で、日常生活で使われることは少ないため、日常では聞き慣れない言葉です。また、ビジネスシーンでも会議・プロジェクトなどに携わらない方は、オブザーバーという言葉を聞く機会はあまりないかもしれません。
オブザーバーの役割は
一口にオブザーバーといっても、その役割は多岐にわたります。ここでは、オブザーバーの5つの役割を解説します。
- 進行としての役割
- 立会人としての役割
- 正しい情報を伝える役割
- 参画メンバーの情報共有としての役割
- 知見を広めるための役割
(1)進行としての役割
オブザーバーの役割のひとつは、会議・プロジェクトなどの進行を円滑に促すことです。その目的のため、オブザーバーが会議・プロジェクトの内容に直接的に関わることはありません。あくまでも中立的な立場で、円滑に進むよう取り仕切り、議論や問題をまとめるように動きます。会議・プロジェクトの公平性を担保する意味でも、進行としての役割は大切です。
(2)立会人としての役割
会議・プロジェクトを進めるに当たり、公平に行われているかを見届ける役割を担うこともあります。すなわち、立会人としての役割です。立会人は、基本的に発言権や決定権など、会議・プロジェクトに関わる権利を持ちません。一方で、公平に行われたかを見届ける義務は持っています。
(3)正しい情報を伝える役割
オブザーバーは、専門家として正しい議論や対応ができているかを確認する役割も担うことがあります。会議・プロジェクトにおいて専門家としての見解を述べる立場です。議論の行方に影響を与えるのは確かですが、その役割はあくまで議論や対応の土台となる情報を正確に伝えることです。
このような役割を期待されるオブザーバーは、公的機関や金融機関、医療機関などの専門的な知見が必要な場面で活躍します。
(4)参画メンバーの情報共有としての役割
会議・プロジェクトの参画メンバーへの情報共有のために、オブザーバーを呼ぶことがあります。議論や決定の中心的な立場ではなくても、将来的に関わる可能性が高いか、そこでの決定の影響を受ける部署に正確な情報を伝えるためです。
また、直接的には関わりませんが、コンプライアンスや公平性の担保のために、ほかの機関や部署のメンバーをオブザーバーとするケースもあるようです。
(5)知見を広めるための役割
オブザーバーは、時に新入社員や研修対象者の知見を広めるための役割も担っています。このような場合、基本的に会議・プロジェクトの内容に関わることはありません。実際の会議・プロジェクトを見ることで、社内の運営方法や最新の情報などを理解できるというメリットがあります。
オブザーバーの必要性は
オブザーバーは、中立性や公平性を担保するためなどに必要不可欠な存在です。ここからは、オブザーバーの必要性について、以下の5つを解説します。
- 適切な会議運営
- 中立性・公平性の担保
- 正確な情報提供
- 情報共有
- 知識の習得
(1)適切な会議運営
会議・プロジェクトが適切に運営されていることを示すためにオブザーバーを必要とすることがあります。とくに規模が大きく、社外からも注目されている会議・プロジェクトである場合、オブザーバーの進行役を活用すれば、適切な運営を期待することが可能です。第三者であるオブザーバーが関わったことで、会議・プロジェクトに問題がなかったアピールにもなります。
(2)中立性・公平性の担保
会議・プロジェクトに参加するオブザーバーは、社外の人であるケースも多くあります。この場合のオブザーバーは、会議・プロジェクト運営の中立性や公平性を担保する役割が強いでしょう。そして、会議・プロジェクトの機能を高め、より良い議論や対応が期待できるようになります。
(3)正確な情報提供
会議の議題やプロジェクトの抱える問題によっては、専門的な知見が求められるケースがあります。時に、そのような専門的な知見が必要な場合において、正確な情報を提供する立場にあるのがオブザーバーです。国や地方自治体などの公的機関においても、学者や実務家がオブザーバーとなり、専門的知見を披露することがあります。
(4)情報共有
会議・プロジェクトを運営するに当たって、担当者の入れ替わりは珍しくありません。このような場合の情報共有として、オブザーバーは大切な役割といえるでしょう。会議・プロジェクトの内容を共有し、今後の予想される問題などを把握しておくことが可能です。人員入れ替わり後、会議・プロジェクトの引き継ぎにあまり時間をかけずに済ませることが期待できます。
また、直接関与していない専門機関などとも、会議・プロジェクト内容が共有できます。オブザーバーとして参加してもらえば、専門的な意見も期待できるでしょう。
(5)知識の習得
組織の規模が大きくなれば、新入職員や研修対象者の教育・育成にもコストがかかります。オブザーバーとして会議・プロジェクトに参加させることで、多くのメンバーに一斉に知識を伝えられます。会議・プロジェクトの内容によっては、組織の大きな理念や方向性、また業界の最新情報や市場動向なども共有可能です。実際のビジネスマナーや運営方法を伝えられ、時間削減やコストカットにもつなげられます。
オブザーバーと似た言葉は
オブザーバーと似たような意味で使われる言葉がいくつか存在するため、混同しがちです。ここでは、4つの言葉を紹介します。
- アドバイザー
- サポーター
- スーパーバイザー
- コメンテーター
(1)アドバイザー
アドバイザーは、相談相手や助言者といった意味を持ち、ある問題に対するアドバイスを行う立場にあります。英語の「advise(助言する)」に由来しており、日常でも使われる言葉です。ビジネスにおいては、相談役や顧問という立場でアドバイザー業務に携わることが多いでしょう。
(2)サポーター
サポーターは、支援者や支持者といった意味があり、あるプロジェクトやイベントの支援をする人のことです。サッカーや政治の場面で使われることが多い言葉ですが、ビジネスシーンにおいてプロジェクト・イベントを支援する団体や人のことを指して使われます。
(3)スーパーバイザー
スーパーバイザーは、管理者・監督者などを意味しており、ビジネスシーンではとくに管理・監督をする役職を表す言葉です。業界や企業によって役割は異なりますが、共通して管理・監督を行う責任を有している役職となります。マネジメントだけでなく、管下拠点などとのコミュニケーションや業界に精通した知識が求められる役職です。
(4)コメンテーター
コメンテーターは、評論家や解説者と呼ばれることもあるように、ある物事に対する評論・意見を伝える人のことです。とくに、テレビ・ラジオ番組で見かける機会が多く、番組を盛り上げる役割も担っています。一方、ビジネスシーンでは使われることが少ない言葉です。
混同されがちな「アドバイザー」との違いは
オブザーバーとアドバイザーは、どちらも会議・プロジェクトの参加者でありながら、当事者ではないという点で、よく似ているように見えます。しかし、両者は明確に違うものです。違いは以下の2点です。
(1)役割が違う
オブザーバーとアドバイザーでは、求められる役割が違います。オブザーバーは、中立性や公平性の観点から、会議・プロジェクトを見守る、あるいは正確な情報を提供するような役割を担っています。一方、アドバイザーは、会議・プロジェクトを成功させるために積極的に意見・助言を行う立場です。
(2)関わり方が違う
オブザーバーとアドバイザーでは、会議・プロジェクトへの関わり方が違います。オブザーバーはその役割から、会議・プロジェクトの合意形成過程に関わることはあまりありません。一方、アドバイザーは、積極的に会議・プロジェクトに関わり、成功へと導く立場です。その目的を果たすため、積極的に助言を行うことが求められます。
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※この記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しております。
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